春の雫

沙智

春の雫

※本作は内輪向けの二次創作小説です。

主要人物の名前やタグでピンと来なかった方は十分に楽しむことができない可能性がございますので、その旨をご理解の上でお読みください。



 藤堂桜華(とうどうおうか)は感情の起伏が少ない。

 桜華は私の小学校からの幼馴染だ。彼女は昔から物静かな性格をしていた。休み時間に生徒達が談笑している時でも、教室の隅っこで1人佇んでいるような子だった。クラスの人気者が彼女を輪に入れようとしても応じることは無く、集団の一員となることを頑なに拒んでいるように見えた。受け答えは素気ないし、表情は常に仏頂面。そんな調子だから友達は少なかったし、先生達も彼女の扱いに困っているようだった。


 でも私は、そんな桜華が好きだった。

 桜華は私の話をいつも優しく聞いてくれた。母子家庭で一人っ子、おまけに友達も少なかった私にとって、幼少期からの唯一の話し相手が桜華だった。家族の話や習い事の話、勉強の話、彼女は私のどんな話でも聞いてくれた。音楽や少女漫画、私の好きなものの話も、桜華は静かな微笑みをたたえながら聞いてくれた。彼女の柔和な微笑みには、話し手の心をほぐし、包み込むような力があると思う。その微笑みは、気高く香る白百合に似ている。

 私は桜華の笑った顔が好きだ。頷く仕草も、低いけど透明感のある声も、彼女を構成する何もかもが好きだ。

 誰にも心を開かない桜華が私の話だけは聞いてくれることに対して、私は優越感を覚えていたし、仄かな執着心も抱いていた。

 桜華は、私の大切な友達だった。



 3月1日。

 人生で17回目の春を迎える朝。私は胸を躍らせながら学校までの道を歩いていた。

 その日、私を取り巻く世界の何もかもが鮮やかに見えた。春の陽射しがアスファルトに踊り、空の澄んだ水色が目に眩しい。

昨夜、私の大好きなアイドルグループ「星影ロマンチカ」の新曲が公開された。私はそのことを早く桜華に共有したかった。

「星影ロマンチカ」はいま若者達を中心に人気を集めるアイドルグループだ。

 メンバーは計12人。10代後半〜20代前半の女子達で構成されており、ひとりひとりに天体モチーフの愛称が与えられている。彼女達の楽曲はアニメや映画、テレビCMなどあらゆる媒体で起用されており、今や街を歩いていて彼女達の曲を聴かない日はないほどの人気ぶりだ。アップテンポで中毒性の高いメロディーと、詩的で叙情性の高い歌詞の組み合わせが大衆達を魅了する理由だろう。私も例外ではなく、彼女達の奏でる音楽の虜だった。

 昨夜公開された新曲の『箒星』も涙が出そうになるほど素晴らしい曲だった。私は楽曲が公開されてから心に染み込ませるように何度も聴き、彼女達の歌声が編み出す美しい世界に一晩中浸っていた。

 この曲を、私は早く桜華にも聴かせたかった。この芸術を彼女に体感して欲しかった。この音楽を聴いた時、彼女は果たしてどんな表情を浮かべるだろうか。考えるだけでわくわくした。

 はやる鼓動を抑えながら、校舎まで続く長い道のりを走り出した。



 私はいつだって私の「好き」を桜華と共有したかった。桜華と私は外見も性格も何もかもが違っていたけど、「好き」を共有している瞬間は、心が重なり合うような気がした。

 私と桜華は、2人で色々な場所に出かけた。休みの日には美術館や博物館に出かけた。学校帰りには、ショッピングモールで映画を観たり、雑貨屋さんを物色したり、クレープを食べたりした。博物館で見た綺麗な宝石、心が震える映画、雑貨屋さんの可愛いぬいぐるみ、美味しいクレープ。私は桜華と同じ時間を過ごす中で、同じ「好き」を共有できる時間が幸せだった。面白い映画も美味しいご飯も、その感動を2人で分かち合うことで、より輝きを増すようだった。桜華と「好き」を分かち合うことで、私の日々は色づいていく。



 この前の開校記念日、私達は2人で水族館に行った。

 平日の水族館は人が少なく、ひっそりとした静けさに包まれていた。まるで本当に海の中にいるみたいだった。地上の音が届かない、暗く、冷たい海の底。私達は揺蕩うような歩調で水族館の中を歩いて行く。

 私達はクラゲの水槽の前で立ち止まった。

 ゆらゆらと揺れる無数のクラゲ達は、硝子細工に似ていると思った。クラゲは神様が作り出した芸術品みたいで、こんな生き物がこの星に実在するということがなんだか不思議だった。クラゲ達を見ていると、なんだか足元がふらふらしてきて、現実感が失われていくようだった。

 私はふと、クラゲの水槽を眺める桜華の横顔を見た。青い光が桜華の長いまつ毛を染めている。彼女は何を考えているんだろう。桜華はいつもの物憂げな瞳を水槽の中に向けるだけで、その心の奥は見えなかった。

 ずっと黙っていた彼女がぽつりと言った。

「綺麗だね、なんだか硝子細工みたい。」

 その瞬間、私の胸の奥で静かな閃光が弾けた。

 私と桜華は、同じことを考えていた。同じものを見て、同じ美しさを見出していた。そしてその同じ感情を、同じ言葉で表した。

 私は嬉しかった。とてもささやかなことだけど、私はなんだか無性に嬉しかった。

「そうだね…」

 昂る気持ちを抑え込みつつ、私は頷く。

 私達はしばらくクラゲの水槽の前に立っていた。館内は相変わらず静まり返っていて、2人しかいない夜の海辺みたいだった。

 時間がゆっくりと流れていく。その後も私は、水槽を見るふりをして、桜華の横顔を何度も盗み見ていた。



 私は教室を目指し、駆け足で階段を登って行く。

 3月。終わりと始まりの間の季節。校舎内にはいつもより慌ただしい空気が立ち込めており、2月に心を取り残された顔つきの生徒達がひしめき合っていた。

 早く桜華にこの音楽を聴かせたい。水族館の、あの時みたいに、桜華にもこの音楽に感動して欲しい。私の「好き」が桜華の「好き」であって欲しい。


 ドアを開けると、教室内の人影はまばらだった。時計の針は7:50を指している。桜華は窓際の後ろから3番目の、いつもの席に座っていた。

 私は彼女の前に立った。

「おはよう。桜華。」

 彼女が私に視線を向ける。

「あぁ、おはよう。」

 桜華の目は眠気のせいか、いつもより赤らんでるように見えた。

 彼女の机上に開かれた問題集を見て、疑問符が浮かんだ私は言う。

「あれ、それって今日までの課題だったっけ?」

「来週までだけど、早めにやっちゃおうかなと思って。来週数学がある日に英語のテストもあるから。」

「あっそっかー!。忘れてた。英文法だっけ?勉強しないとな〜」

「月曜日は古典の小テストもあるよね。」

「うーわっそうじゃん。すっかり忘れてたよ〜」

「頑張らないとねぇ。」

 桜華はいつもの白百合のような微笑を見せる。

 私は本題に切り込むことにした。

「ねえ、桜華!聴いて欲しいものがあるの!」

「何?」

 彼女は小首をかしげる。

「前に話した星影ロマンチカってアイドルグループいたでしょ!あの人達が新曲を出したんだ!」

「そう、なんだ…」

 彼女は少し焦った顔をしたように見えた。

「もう〜すっっごく良くってさ〜!私昨日の夜ずーっと聴いてた!もう50回は聴いたかも。まずイントロのピアノの音が超綺麗でさ〜、センターのスピカちゃんの声もなんか前より透明感が増してるんだよね。歌詞も本当に良くって、今回の曲はエリースちゃんが作詞してるらしいんだけど、やっぱりあの子の言葉選び好きだなぁ…。1番のサビと最後のサビで勿忘草っていう単語が違う文脈で使われてるのも好き。あっごめん、桜華が聴く前に色々話したらネタバレになっちゃうよね。」

「ううん、大丈夫。」

 桜華は早口でまくしたてる私に圧倒された表情を浮かべつつ、首を振った。

 私はバッグからイヤホンを取り出す。

「というわけで、桜華にも聴いて欲しいな!本当に良い曲だからさ、ねっ?」

「ふふっ、良いよ。」

 桜華は流れるように私のイヤホンに手を伸ばす。桜華のこういうところが好きだ。困った顔ひとつせずに私の要求を素直に聴いてくれるところが。言葉にこそ出さないけれど「好き」を共有したいという私の気持ちを理解していそうなところが。桜華自身も、私と「好き」を共有したいと思っていそうなところが。

 桜華が両耳にイヤホンを差し込む。

「じゃあ、流すね。」

 私はプレイリストの再生ボタンを押した。



 私には幼馴染がいる。

 誰に対しても無愛想なせいで友達の少ない私だけど、ただ1人彼女だけは私に心を開いてくれる。

 彼女はとてもお喋りで、常日頃から私に色々な話をした。

 学校の話や習い事の話、家族の話など、プライベートなことでも彼女はとてもあけすけに語った。私は自分から話すのが苦手なので、向こうから話してくれる彼女の存在はありがたかった。彼女の声色はなんだか心地良い。彼女が楽しそうに話す姿を見ていると、こちらも気分が晴れてくる。彼女の笑顔は向日葵に似ていた。夏の青空の下、太陽に向かってまっすぐに伸びていく向日葵。

 嬉しそうに話す彼女の笑顔を見ているだけで、私の心は満たされていった。



 しかし、彼女と一緒にいる時間が長くになるにつれて、だんだんと反りが合わない部分が多くなってきた。でもそれは彼女と私に限った話じゃなくて、友人関係において普遍的に起こりうることだとも思った。そもそも私と彼女は根本的に趣味が合わなかったのだ。

 彼女と私は世間一般的な中高生達がするように、ショッピングモールで映画を観たり、学校帰りにクレープを食べたりした。

 私と彼女は映画、というか物語全般に対する趣味がまず合わなかった。私は社会的なテーマを扱った硬派なヒューマンドラマを好んでいたが、彼女はよく分からないB級ホラー映画やサメ映画を一緒に観ようと勧めてきた。

 クレープ屋で私は苺カスタードやチョコバナナのクレープをいつも食べていたが、彼女はツナマヨミックスや明太子チーズのクレープが好きだった。

「どうしたの?桜華も食べたいの?」

 怪訝な目を向ける私に、彼女は食べかけのクレープを差し出す。

 その日彼女が食べていたのは、牛すじカレークレープだった。どこの誰が発案したのか分からないその食品はおどろおどろしい雰囲気を纏っていた。

「いや、いらないかな…。クレープとカレーを一緒に食べたいと思わないし…」

「え〜良いの〜?今日は火曜日だから温泉卵もトッピングされてるよ?ここの牛すじカレーは肉のくたくたな煮込み加減が好きなんだよね。ルーもスパイシーで辛さが丁度いいし。クレープのもちもちした食感がナンとはまた違った感じがしてカレーと相性いいんだよ〜!3種類使われてるチーズの濃厚さとまろやかさも最高。ねね、一口で良いから食べてみてよ。」

「……いらない。」

私は突き返す。

「こんなに美味しいのになぁ…。」

「……」

 彼女が幸せならそれでいいのだろう。私は自分に納得させた。汁まみれのクレープに彼女は多幸感いっぱいの表情でかぶりついている。


 

 彼女は音楽や少女漫画も好きだった。

 それらは私にとって理解のできない代物だった。私と彼女の致命的な断絶である。私には音楽というものの価値が分からない。およそ一般的な人間に搭載されている音楽に心を動かされる感情の経路が、私には生まれた時から存在しないようだった。

 私には恋愛も分からない。私自身人を好きになったことがないし、これから好きになるイメージもできない。フィクションで描かれる恋愛のあれこれも理解できない。

 でも、私の友達の彼女はどちらも好きだった。

 私にとっての音楽とは、ただの空気を震わせる振動だった。私にとっての恋愛感情とは、私以外の生物の脳から発せられるただの信号だ。でも、彼女にとっては、そうではないようだった。

 彼女は読んで面白かった少女漫画について、よく語っていた。淡い感情の揺れ動きが丁寧に描かれているだの、くっついたり離れたりするもどかしい距離感に悶絶しそうになるだの、よく分からないことをのたまっていた。嬉しそうに話す彼女に対して、私はただ苦笑いを浮かべることしかできなかった。私は物理の授業を聞いている気分になりながら、恋愛について真剣に語る彼女の目をいつも見ていた。



 私と彼女は博物館や美術館などの色々な場所に行ったけど、毎回それぞれが違う展示に注目していた。

 雑貨屋でもそうだ。私達が気に入る小物が揃ったことはない。先日私は通学路にある雑貨屋で可愛いポーチを見つけたのだが、彼女は興味を示さなかった。パステルカラーでお洒落なデザインがとても気に入ったのだけど、彼女は「物がいっぱい入りそうで良いんじゃない?」と言った後は、なんの動物か分からないぬいぐるみ達のコーナーをずっと見ていた。私はポーチを買った後、彼女がそのぬいぐるみの魅力について熱弁するのを聞いていた。

そういえば、この前の開校記念日は水族館に行ったけど、あの日は眠かったので詳細はよく覚えてない。でも、大体普段と同じ調子だっただろう。

 私と彼女の間にはズレている部分がいくつもあった。

 でも私は、それで良いとも思っていた。

 趣味が合わなくても、価値観が異なっていても、友達でいることはできる。小学校からの約10年間、これまで一緒に過ごした月日がその傍証だ。



 昔から3月が苦手だった。

 年度の終わりと始まりの境界線にあるその季節は、なんだか焦る気持ちにさせられる。新しい何かを始める準備をしなければいけないと季節に言われている気分になる。

 その上、私は花粉症だ。その日も私は鼻詰まりに苦しみながら登校し、数学の宿題をするために早い時間に教室に到着した。

 私が宿題をしていると、彼女がやってきた。

 彼女は鞄からスマートフォンを取り出して、彼女の好きなアイドルグループの新曲を私に聴いて欲しいと言った。

 私は参った。

 彼女の好きなものの話を聞く分には一向に構わないのだが、私自身の感想を求められるとなると話が違ってくる。

 私は音楽を聴いても特に感じることはないし、感想らしきものを出力することもできない。私の意志には反して、彼女は餌を前にした子犬のように溌剌とした表情を浮かべている。

 どうしたものかと思いながら、私は自分の耳にイヤホンを差し込む。



 私は星影ロマンチカの新曲を真剣な眼差しで聴く桜華の姿を、固唾を飲んで見守っていた。

 桜華はどう思っているだろう。もしかして、微妙だと思っているだろうか。だんだん不安の種が芽生えてくる。

 その時、終始真顔を貫いていた桜華の表情が微妙に変わり、桜華の肩が小刻みに震えた。私は見逃さなかった。桜華の瞳がうるみ、頬に一筋の雫が伝うのを。

 私は咄嗟にスマートフォンを見る。再生時間は3:24。最後のサビの部分だ。私がこの曲で最も好きな部分だった。そうか。やっぱりそうだ。桜華は私と同じことで感動しているんだ。私は嬉しくなる。桜華は昨夜の私と同じように、この楽曲で魂を震わせている。音楽を通して私とひとつになっている。陽だまりの光に照らされたように、胸の奥がじんわりとあたたかくなってくる。私の感動が桜華の感動で、私の「好き」は桜華の「好き」なのだ。

 曲が終わった。

 私は感無量だった。

「ありがとう…。」

桜華はイヤホンを差し出す。

「えっと…その…良かったよ…。あの、特に良かったところは……。」

「良いよ、桜華。それ以上は。」

 私は制止する。

「もう大丈夫。桜華が思ったこと、言わなくてもわかってるよ…。」

 桜華は黙った。

 私は一拍置いてから、一息で喋り出した。

「最後のサビ!めっちゃ良いよね!曲の最初はスピカちゃんのソロからスタートする静かな幕開けだったけど、全員の声が揃うラストの盛り上がり最高だよね!本っ当に星影ロマンチカは全員の声が重なり合うハーモニーが良いんだよ〜。私昨日何度も泣いちゃった。微妙にサビの曲調が変化するところも大好き。あと歌詞も良いよね!幻想的な感じと現実っぽさが混ざってて好きだなぁ。ここの一人称視点とか、夜から朝に移り変わっていく時間の空気が肌に伝わってくるようだし。あ〜〜良かったぁ〜桜華にも聴いてもらえて!」

「そう、だね…。」

 桜華は頷く。

「ねぇ、桜華はどう思った?」

 私が前のめりに聞くと、桜華は一瞬躊躇うようなそぶりを見せたが、数秒の沈黙の後、答えた。

「私も、同じことを思っていたよ。」

 桜華は微笑んだ。やっぱり。やっぱりそうなのだ。桜華と私は似ている。私は幸福だった。

「もう一回さ、一緒に聴いてみようか。」

 桜華は頷く。

 私達はイヤホンを片耳ずつ分ける。

 私は再び再生ボタンを押した。

 春の朝の冷たい光が、私達を照らしている。



 急に早口で喋り出した彼女への戸惑いが抜けないまま、私はその楽曲の2回目を聴き始めた。彼女は私が喋る間もなく、勝手に自己解決してしまったようだ。

 今日聴かせてくれた音楽は新曲らしいけど、この前彼女の家に遊びに行った時に聴かされた曲と正直何が違うのか分からなかった。というか、大抵の音楽が私にとっては、同じに聞こえる。

 花粉症で鼻水は止まらないし勝手に涙は出てくるし、あまり集中して聴くこともできなかったけど、まあいいだろう。私の意志とは関係なしに、彼女は満足したようだ。

 私達の関係には往々にしてこういうことがある。彼女の勘違いのまま、物事が進んでいく。でも私はそれに対して何かつっこむことをしない。彼女の喜びに水を差すことはしない。

私達は外見や性格だけでなく、趣味も嗜好もバラバラだけど、それでも一緒にいる。聖子(せいこ)もきっと、そのことに気付いてるだろう。

私、東藤桜華(とうどうおうか)と、新戸千聖子(にいとせんせいこ)の関係性は、これが最適な形なのだと思う。

 趣味嗜好や価値観のズレはあるが、むしろそのズレがあるからこそ、私達は一緒にいられるのだと思う。互いの差異を、理解し、尊重し、受容する。お互いの「好き」が違うということは、私達の関係性の背骨なのだ。

 聖子が微笑んだ。

 いつものように、向日葵のような笑顔で。

 彼女は幸せそうだった。

 これで良い。これが良いんだ。

 私は自分に言い聞かせた。

 うっとりした表情の聖子の瞳が潤んでいく。

 一筋の雫が、春の朝陽を反射しながら机に落ちた。

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春の雫 沙智 @sachi_historia00

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