第2話

「樹」

マンションに戻った火名娘は同棲している

樹に向かって非難をし始めた。

「なっ、なんだよ」

樹はズボンを脱ぎながら返答した。

「アンタ、なにかわたしに対してやましい

ことしてない?」

「べっ別にしてないよ」

樹は明らかにうろたえていた。

「じゃあ、これは何よ」

火名娘がスマホの動画を見せた。

「こっ、これは?」

「なにがこっ、これはよ」

「知らなかった。スマン」

「あやまるの、はやっ」

火名娘は呆れてしまって怒る気力もどこかに

いってしまった。

「まあ、いいわ、ごはんにしましょう」

「わーい、やったーっ」

「ウフフ」

火名娘はそれ以上追及することをやめることにした。

なんとか、なんとかこの平穏な日常がつづいてくれればいい。

なるたけ火名娘は波風を立てたくなかったのだった。

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