幼馴染のドジっ子お姉さんがASMRを送ってきてくれる

@yumebon

第1話『食品系ASMRを聞かせてくれるドジっ子お姉さん』

ガサゴソ…(機材を色々弄ったり接続を確認する音)


「これで大丈夫かしら…ちゃんと繋がってるわよね…?音量設定も…うん、大丈夫」


「…ってあれ!?これもう録音始まってる!?嘘!?」


「うう…いきなり失敗しちゃった……ううん、気を取り直して…」


「やっほ~?キミの大好きなお姉さんだよ~?毎日お仕事お疲れ様」


「今日は…毎日頑張ってるキミのために…ASMRをしてあげようと…思いま~す」


「その為に色々用意してきたのよ?ふふっ」


「今回は…じゃじゃーん!食品系ASMRをしてみたいと思いま~す!」


「それじゃあ早速…」


ドタドタ…(遠くで誰かが走る音)


『ねえお姉ちゃ~ん!?私の靴下どこか知らない~!?』


「み~ゆ~!今お姉ちゃんちょっと収録中なの~!後にして~!?」


「…ふう」


「…あはは…妹がごめんなさいね?それじゃあ気を取り直して…」


ガサ…(袋を掴む音)


「まずはポテトチップスから…」


「あら…?ふぬぬ…んく…袋…これ…硬………!」


パァン!(勢いよく袋が開封される音)

ポトポト…(飛び散ったポテチが机や床に落ちる音)


「きゃっ!?うう…開封失敗しちゃったわ……」


「…3秒ルールってことで、すぐ拾えば大丈夫よね…?」


「……よしっ!これで大丈夫!ということで改めて…ポテトチップスを食べていくわね…」


パリ…ジャグ…ジャグ…(ポテチを割って食べる音)


「ふふ…どうかしら…?気持ち良い音じゃ……あ、あれこれなんか辛…」


「あ!嘘!?これうすしお味じゃなくて辛いやつ~!?」


「ひ~、ひ~…うう…私これ食べれないの…飲み物飲み物…」


プシュ!(炭酸飲料を開ける音)

んくっ…(飲み物を飲む音)


「んっ…はぁ……あー辛かった!」


「このポテチは妹の美優にあげることにしましょ!じゃあ、次ね…!」


コトッ(皿を置く音)


「次は…じゃーん!そうめんで~す!」


「これをこう…ちゅるちゅる…って、ね?」


「それじゃあ…いただきま~す」


ちゅっ…ちゅちゅっ…(そうめんを啜る音)

ぢゅっ…(そうめんを啜ろうとして唇から出た音)


「………ごめんなさい、お姉ちゃんちょっと失敗しちゃったわね」


「…もう一回、もう一回だけやるわね?」


「今度はもう少し量を多めに…」


ズッ…(そうめんを啜る音)

ズゾゾッ!(そうめんを啜る音)


「…うん!いい感じね!」


「でもそうめんはこれぐらいにしておきましょう、まだ色々用意してるから…」


「次は…これよ!りんご!」


「………あ!今お姉さんそんな事して怪我なんかしない?って表情したでしょ!」


「安心して!お姉さん握力には自信があるんだから!」


「それじゃあ…りんごを握って…」


「ふっ…くっ…硬……!」


「んぎぎ………!両手でも駄目……!?」


ガチャ(ドアを開ける音)


『ねえお姉ちゃんさっきから何やって…本当に何やってんの!?』


「え…りんごを使ったASMRだけど…」


『りんごなら普通皮むきとかでしょ!?なんで握りつぶそうとしてんの!?そんな音聞かされたらお兄ちゃんビビり散らかしちゃうよ!?』


「ええっ!?そ、そう…なの?」


『いや普通に考えたらおかしいって分かるでしょ…しかもりんご傷一つ無いし…』


「う、うう…じゃ、じゃあ今からりんごの皮むきを…」


『駄目』


「え?何で?」


『お姉ちゃんがりんごの皮むきとかやったら絶対怪我だらけになるのが目に見えてるから!』


「え、で、でも…」


『でもも何も、駄目ったら駄目!代わりに私がやるから!』


パシッ(姉のりんごを奪い取る音)


「は、はい…」


『ということで、りんごの皮むきは私が代わりにやりま~す!んふふ…私こう見えて、料理得意なんだよね~』


シャリ…シャリ…(りんごの皮を剥く音)


『ふふ~ん、どう?途切れずに全部切れてるよ~?…ちょっとお姉ちゃん、そんなうらめしそうな目で見ないでよ』


シャリ…ポトッ(りんごの皮を剥き切り、皮を落とす音)


『…はい、これでおしまい。どうだった?お兄ちゃん、私の方を好きになっちゃうんじゃない~?』


「そ、それは駄目ぇ!」


『うわぁ!じょ、冗談だって…』


『…半分はだけどね』(ボソリと小声で)


「うう…あの子は私の幼馴染なのにぃ…た、確かに昔から家が隣同士で仲も良かったし?美優もよく懐いてたけど?けど先に好きだったのは私で…」


『あーお姉ちゃん!ごめん!ごめんって!お兄ちゃんはお姉ちゃんの事が大好きだって!あ!ほら、りんご食べて元気出して?』


「うう…美優、ありがと…」


シャクシャク…(りんごを食べる音)


「ん~、おいひ…美優大好きぃ…」


『んも~…お姉ちゃんてば…まだ録音中でしょ?』


「あ、そ、そうだったわね。それじゃあ最後は…これ!ペットボトル飲料よ!」


「さっきちょっと飲んじゃったけど…音を出すならその方がいいもんね?」


「ということで…」


ジャバ…ジャバ…(横倒しのペットボトルを左右に傾ける音)

ちゃぱちゃぱ…(ペットボトルを軽く振る音)

ジャバジャバジャバジャバ!(ペットボトルを勢いよく振る音)


「ふふ、どうかしら…?心地よい水の音じゃないかしら…?」


『………ねえお姉ちゃん、さっきから気になってたんだけど…それ、炭酸じゃない?』


「え~?またまたぁ~、お姉ちゃんがそんなミスする訳無いでしょ~?」


『いや~…それはどうかなぁ…?』


「それじゃあ…そろそろ飲む音も…」


ブシャア!(蓋を開けた瞬間に炭酸飲料が吹き出る音)


「きゃーっ!?」


ゴッ!(お姉さんがびっくりして飛び跳ねた際に机にぶつけた音)


『あー!ほら!いわんこっちゃない…』


「うう…びしょびしょになっちゃった…」


『あーもー、ほら、替えの服持ってくるから…』


「ふえ…美優ありがと…」


「…あはは…私ったら駄目駄目ね…」


「ということで今日のASMRはここまで。次はもうちょっと大惨事にならないのを用意してくるわね…!」


「それじゃ、またね?」

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