第一章 わんこと一緒に異世界転生
第1章 1話 アイリーナとみかんの朝①
屋根の上から朝を告げる鳥の声がする。木琴のリズムのようだ。
朝、目が覚めると、アイリーナはまず周りを見回す。今朝のみかんは掛け布団の上にいた。
わんこらしく、体を丸めて眠っている。みかんはクリーム色のポメラニアンだ。
「おはよう、みかん」
みかんは黒くて宝石みたいな目をパッチリ開ける。小さな体をアイリーナにすり寄せてきた。
この瞬間は最高だ。この世界だから、もらえる穏やかな幸せ。
異世界って本当に夢の国だ……。
朝のこんな時間は、特に幸せを実感できる。
異世界は時間の流れが緩やかだ。深呼吸しながら暮らせる。
慌ただしくて締めつけられていた前世と全然違う。
なにより、みかんと一緒に転生できた。アイリーナとみかんは前世でも家族だった。
みかんとの生活が楽しい。この異世界は、アイリーナとみかんにとって奇跡だ。
「そろそろ起きる?」
『まだ寝る』
みかんはわんこだが、この異世界では話すことができる。霊力で話せるように術をかけるのだ。
異世界で人と暮らす動物は、たいていそんな術がかけられている。
前世でずっと夢だった意思疎通だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます