プロローグ④

「本当に悲しいんだよ。いくら俺でも、そんなに性格はわるくない。俺への呪いが君に移ったことを喜んだりしていない」


 悲しいというが、目がわらっている。やっぱり喜んでいる気がする。


 責任は取るよと、シーファウは微笑んだ。


「呪いを引き受けてくれたお礼に、これからは俺が君を護る。なるべく俺から離れないように。霊石の守護も強化するからね」


 なるべくって……。


「うれしそうに見えるのは、俺がこの生活をわるくないって思ってるからだよ。誰かを護るって幸せを、アイが教えてくれた。とにかく、この離宮の中では、呪いは封じられる。ずっといていいんだよ」


 護るのが幸せ? いつもの冗談だろうか。


 この離宮に、ずっと?


 畏れ多いし、落ち着かない。王宮というと、普通は喜ぶのかもしれない。でも、ここはきっと夢の世界じゃない。


 それに、わたしは外の世界でやりたいことがある。外で大好きなもふもふを……。

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