第11話《動く屏風絵》
※※※この映像をご視聴した方はくれぐれも自己責任でお願いします。この番組終了後にあなたの画面に映るものが変わるかもしれません。
―――ここで視聴をするのを止めるか続けるかはあなた次第です。※※※
◆◆◇◇◆◆
東京都◯◯市内にある古い寺「△△△寺」。この寺には、江戸時代に処刑された侍の首が描かれた呪われた屏風絵があるという。噂では、屏風絵に描かれた生首が時折動き出し、見る者に災いをもたらすと囁かれていた。
心霊特集を組んだテレビ局は、この噂の真相を探るために調査を決行。現場には、アナウンサーのA、歴史研究家のB教授、そしてレポーターとして参加した芸人のCが集結する。彼らは収録を進めるが、次第に異常な現象が起こり始める。
アナウンサーAが静かにカメラに向かって話しかける。
A:「今日は、古くから呪われていると言われる△△△寺に来ています。この屏風絵には、江戸時代に処刑された侍の首が描かれ、見る者に災いが降りかかるとのことです。果たして本当なのでしょうか?」
カメラが屏風絵に寄ると、侍の首が描かれた部分に焦点が合う。生気のない目が、どこか不気味に感じられる。
B教授:「この侍は、江戸時代に罪を犯し、晒し首にされた人物です。処刑された後、その怨念がこの屏風に宿ったとされています。時には、首が動き出すとも伝えられていますが…」
C(冗談っぽく):「まあまあ、そんなこと言われても、正直信じられませんよ!屏風の中の絵が動くなんて、アニメじゃあるまいし!」
笑いを誘うCの軽いトーン。しかし、次の瞬間、異変が起こる。
屏風絵に描かれた侍の生首が、ほんの一瞬だが目を動かした。誰もが息を飲む。静寂が場を支配する中、Aが震える声でカメラに語りかける。
A:「今…目が…動いた?まさか…そんな…でも、確かに今、あの侍の目がこちらを見た…!」
B教授(驚愕して):「いや、こんなことはあり得ない…だが、確かに見えた!これは…本当に…呪われているのか…?」
C(慌てて):「冗談だろ?俺、今のは見間違いだって言ってくれよ!こんな現場、聞いてないよ!マジで…逃げたほうがいいんじゃないか…?」
緊迫感が高まる中、カメラマンが急に叫び声を上げた。
カメラマン:「ちょ、ちょっと待って!今、カメラに…何か映ってる!おい、これ、ヤバいぞ!」
カメラのモニターに映し出されたのは、侍の生首が画面越しに不気味に微笑み、目をさらに大きく見開いている映像だった。そして、次の瞬間、生首がゆっくりと屏風絵の中から抜け出し始めた。
A(叫び声混じりに):「いや…!こ、これは…何なの…!絵が動くなんて、こんなこと、現実じゃない…!」
侍の首が画面から抜け出し、現実の空間に侵入しようとする。その場にいた全員が恐怖に凍りつき、カメラは揺れながら逃げ惑う様子を捉える。屏風絵の中から聞こえる低い唸り声とともに、画面にノイズが混じり、突然映像が途切れた。
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