普通の高校生が異世界で勇者に!? でも、オレの力は寝坊だけ!
🦞🦞ロブスターパニック🦞🦞
第1話「「俺、勇者ってマジですか!?寝坊から始まる異世界生活」
中野大輔(なかのだいすけ)は、目をこすりながら時計を見た。
「やっべぇ!また寝坊じゃん!」
彼は急いで制服を着て、細長いスナックパンを口にくわえながら玄関を飛び出した。普段なら、学校まで走ることも苦にならないが、今日は特別にだるい。昨晩、夜更かししてしまったのが原因かもしれない。
走りながら、ふと、周囲が妙に静かなことに気づいた。
「ん?こんなに人が少ないはずないのに…」
大輔が足を止めて周囲を見渡すと、突然、眩しい光が彼を包み込んだ。
「え、何これ!?」
叫んだ直後、大輔は意識を失った。
次に目を覚ますと、そこは見知らぬ大広間だった。天井には美しいステンドグラスがあり、壁には豪華な絵画が飾られている。目の前には金髪の壮年の男性が座っており、その周りには甲冑を身につけた騎士たちが並んでいた。
「お目覚めになられたか、勇者様。」
「え?俺、勇者?何言ってんの?」大輔は混乱していた。
「あなたは、我々の世界を救うために召喚された勇者様です。」金髪の男性が説明を始めた。「この世界は、邪悪な魔王によって滅びの危機に瀕しています。あなたが持つ特別な力で、魔王を倒していただきたいのです。」
「特別な力?」大輔は呆然としたまま、相手の話を聞いていた。
「はい、あなたに授けられた力は…『寝坊』です。」
その瞬間、大輔は思わず自分の耳を疑った。「え、待って。俺、今『寝坊』って聞いた?勇者の力が『寝坊』って…冗談だろ?」
しかし、冗談ではなかった。彼が持つ力は、確かに「寝坊」だった。
王と騎士たちは真剣な表情で、大輔に期待を寄せている。しかし、彼自身はこの状況をどう受け止めればいいのか全くわからない。寝坊で世界を救う?そんなことが可能なのか?
大輔は、頭を抱えつつも、この新しい世界での生活が始まってしまったことを理解した。これからどうなるのか、彼自身にも見当がつかないが、少なくともすぐに家に帰ることはできそうにない。
「まぁ…とりあえず、寝るか。」彼はそう呟いて、その場に座り込んだ。これが彼の異世界冒険の始まりだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます