モブがモテだしたら、神さまから罰がくだされましたが…わたしは、神さまに負けませんっ‼︎いいですとも、うけてたちますわっ‼︎
猫の集会
いざ、黒歴史開幕です‼︎
春の桜たちに祝福されながらわたしは、この度中学生となりました。
着慣れない制服が、なんだか大人になったみたいで、背筋がピントする。
小学生の頃は、なんか…なんかモブだったんですよ。わたし…
ですが‼︎
なぜか親が中学生になるんだからショートカットにしたら?なんていうから、あ?大人はショートカットなん?それが大人の女性なん?と思い髪を切ったわけなんですわ。
そしたら…なんかさ…モテるのです。
なぜでしょう?
小学校の頃は、まったくモテなかったのに…なぜかモテてるんです。
だから、今まで容姿なんて気にしていなかったのに、めっちゃおしゃれに気をつかうようになったんですよねー。
そして、性格なんですけど…実は人見知りで、馴染んでなかっただけなんですけど、なかなか大人しい凛とした人扱いみたいにされて…
どうなん?って感じで、日常生活迷子なんですわ。
そんななか、訪れた校外学習。
お昼に、みんなだれが好きとかワイヤワイヤしておるんですわ。
いきなり開催される女子会…
で、わたしは…とくに好きな人なんていなかったんですけど…
強いて言えばとなりのクラスの瀬野くんかなーなんて言ったら、そのままわたしの好きな人は、瀬野くんってなりましてね…。
あの…まだ瀬野くんの顔しか知らなくて…性格とか全然知らない…って思ったんですが、どうやら瀬野くんのことを好きな人がたくさんいるってきいて、なんだかわたし燃えてきたんですよね。
負けたくないってね…。
人見知りとか言ってられない‼︎
絶対負けたくない‼︎
というわけで…
誰よりもいち早く告白してしまおう‼︎って思い告白したんですよ。
そしたら、見事にふられました。
ですよねー…。
実は、わたしついこないだまでモブだったし、なんなら…少しモテるくらいで、抜群にかわいいわけでもなかったもんですから…。
あっさりフラれたわたしは、それからは瀬野くんとは、まったく接点もなく過ごしたわけなんですわ。
まぁ、そもそも初めから接点なんてものございませんでしたけどね…。
そんなわたしの黒歴史です。
早く黒歴史を忘れようと、わたしは新しい恋でもしたいなぁ♡なんて思っていたんですが、とくになんの運命も出会いもなく、中学二年生時代へと突入いたしたわけなんです。
そしてクラス名簿をみて、おわた…完全におわた…と、全身の力が抜ける出来事が起きました。
脳内ハプニングです。
なぜ…なぜ瀬野くんと同じクラス…
神さまのイタズラ…ですか?
神さま…イタズラが過ぎます…。
わたしが何をしたというのでしょうか⁉︎
いや、むしろなんの努力もなんのお手伝いもしてこなかったから、罰を与えてくださった?ということなのでしょうか⁇
…
だとしたら、これは必見です‼︎
いや、これは必見でもなんでもありません。
ただ、必見と言いたかっただけです。
もう、脳みそはドロドロに溶けつつあります。
ここで思いっきり踊り散らかして、明日からずっと家でこもり、踊っていようかと思うくらいパニックでした。
でも、そんなに踊りに自信があるわけでもなく…むしろ踊りとか苦手なので、大人しく新しい教室へと一歩足を踏み入れました。
…
かたい教室の床。
あぁ…床ってこんなにかたかったのですね。と、改めて確信いたしました。
…
本日より、黒歴史の開幕です。
イヤだぁ〜…
わたしの黒歴史を…なぜ黒歴史を開幕してしまったのです⁉︎神さまっ‼︎
できればずっと幕は閉じたままがよかった…
それなのに…それなのにっ…まさかの開幕なんて…
…
わたし、反抗期になりますよ?
神様対わたしの戦いがいま、幕をあけました‼︎
そして…早くも神さまのリード‼︎
なんと…なんとわたしの席のお隣が瀬野くんだったのです…。
神さま、ひどっ…
とりあえずわたしは、仕方なく貧相な笑顔で…あ、いや…品のある笑顔で
「おはよう、これから一年間よろしくお願いします。」
と、にっこりした。
笑顔とは裏腹に、脇汗滝でした。
脱水症状になりますよ?ってくらいの汗…
…
これって…冷や汗なんですかね?
たしかに、汗が冷えて寒くなってきました…。
春なのに…寒いです。
もう、閉幕でいいんじゃないでしょうか…?
風邪ひいてしまいます…
ところで、
席替えをいたしたい。
なのでこっそり先生の下駄箱に手紙を添えました。
席替えをどうぞよろしくお願いしますと。
そしたら次の日、誰か先生の下駄箱にラブレター入れてくれたみたいですが、それは受理致しかねます。と、丁重にお断りされてしまいました。
もう少し、この席で慣れてくださいと…。
他の先生方も、名簿通りじゃないと名前が覚えられないそうです…。
へぇ…さようでござんすか…。
ま、別にいいけどねー。
やさぐれたわたしは、えぐれた心で毎日生活していくのである…わけなくなーい⁉︎
もうさ、気にしない‼︎
黒歴史がなんだってんだい‼︎
ってわけで、わたしは毎日瀬野くんに笑顔でおはようって言い続けましたよ。
そして告白したことすら忘れてたぁ!くらいのテンションで気軽に瀬野くんと話したりしてる毎日ですとも‼︎
神さま‼︎わたしの逆転リードです!
と、神さまにマウントをとりましたとも。
マウントなのか、定かではございませんが…
そんなわたしは、実は…いまだにモテつつあります。
髪型こそ、もうショートカットではなく…なんならロングなのですが…
なぜモテるのか疑問です。
ひとつ思い当たるとしたら、たぶん…いつも笑顔でいるからでしょうか?
あと…
あまり嫌な顔とかせずに、誰とでも楽しく過ごすし、困った人がいれば積極的に助けているというのがモテる要因なのかな?と思われます。
もちろんゴミだって積極的に拾います‼︎
学校以外でも、家のことやってますっ‼︎‼︎‼︎
…
だって…また、神さまに罰を与えられたらイヤですから。
でも、そんな日々を送っていたら、まさかのことが起こりました。
席替えです。
普通…ですね。
みんなにとったら普通です。
でも、わたしにとったらこれはもう閉幕に近づいていると言っても過言ではありませんっ‼︎
席替えと聞いて、めっちゃ拍手喝采でしたよ?
まぁ、音を立てずにですけど…
しかもこっそり机の下でさ…。
そして、ついに ついに‼︎
瀬野くんとのさよならのお時間です。
瀬野くんは、とてもいい人でした。
一年生のわたしがうっかり顔で好きになったわけなのですが、とてもよいお人でよかったです。
「それじゃあ、今までありがとうね!」
と、笑顔でさよならしたわけですよ。
そしたら瀬野くんは、こちらこそって普通言いますよね?
ですが瀬野くんは…まさかの…
放課後話ある
だったのです‼︎
なんじゃ⁉︎
えっ?
どういうことでしょうね?
はなし、とは⁇
…
わたしは、また天罰がくだるのですか⁇
なにか…瀬野くんにしてしまったのでしょうか?
それとも…
まだオレに未練タラタラなんだね?って言われてしまうのでしょうか?
毎朝瀬野くんにおはよう運動していたから…
気軽に話しかけたりしてたから…
…
放課後までずっとそんなことばかり考えておりました。
まだ二年生始まって半分も経っていないのに…これから同じ教室でわたしは、どう過ごしたら良いのでしょうか…。
気まずい…
非常に気まずいですね。
そして放課後…
教室には、誰もいなくなりました。
えぇ…まさかの瀬野くんまでもが‼︎
あれれ?
空耳だったのかな⁇
一応耳を引っ張ってみた。
うん…のびーるって‼︎遊んでる場合じゃなくない⁉︎
…
…帰ろ。
部活休みだし、帰って昼寝しよ。
あ、もう夕方だから昼寝って言わないや。と、耳を引っ張りながら歩いて教室を出ようとしたら、まさかの瀬野くん…
やば…耳引っ張ったままだし、気まず…
「あの…忘れ物かな?」
と瀬野くんに聞くと
「うん。瀬川さんに言い忘れた」
と言ったんです。
あぁ、空耳じゃなかったんですね。
「ごめんね、オレトイレ行ってて…緊張してさ…」
と、瀬野くんは恥ずかしそうに言いました。
「あー、そうなんだ。わたし…話あるっての空耳かと思って帰ろうとしちゃった」
と、笑って見せた。
そしたら瀬野くんは、わたしの腕を掴んで
「帰ろう。これからずっと一緒に」
と言い出したんです。
…
えと、帰り道一緒だっけな⁇
怖がりさんなん⁉︎
と、わたしは…なんにもない空っぽの頭で一瞬懸命考えましたよね。
…
「え?」
わたしは、思わず聞いてしまった。
そしたら瀬野くんは、
「好きになりました。オレと付き合ってください」
と、このわたしに言ってくださったんです。
え…
わたしは、力が抜けて持っていたバッグを床に落としたよね…。
だって…わたしだよ⁇
一度フラれたんだよ⁇
だから…だからもう、好きにならないように諦めるの必死で…ずっと作り笑顔で…何度も諦めよう、わたしはフラれたんだからって…心にブレーキかけてきたのに…なのにいきなり付き合おうって…頭追いつかないんですけど…?
こんなわたしに瀬野くんは、
「なんで泣いてるの?ごめん…オレのこともう嫌い?」
と、優しく問いかけてくださいました。
あぁ、わたし泣いてるの?
自分じゃ気づかなかったけど…涙が自然と止まらなかったみたい。
「…あの、こんなわたしでいいの?」
「うん、オレバカだったわー。見る目なくてさ、あの頃…瀬川さんのこと全然知らなくてね。ほんと後悔してた。」
と、言ってくれた。
「ありがとう。わたし…わたしも、わたしも瀬野くんの優しいところ大好き!」
と、笑顔でこたえた。
神さま‼︎
ありがとうございます‼︎
そして神さまに、ご報告です。
この度わたくし瀬川は、黒歴史を恋愛歴史にバージョンアップいたします♡
お許しくださいな♡
おしまい。
モブがモテだしたら、神さまから罰がくだされましたが…わたしは、神さまに負けませんっ‼︎いいですとも、うけてたちますわっ‼︎ 猫の集会 @2066-
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます