波乱漫遊、安倍春樹の千年扉

川崎ヒロト

第1話波乱漫遊、安倍春樹の千年扉

波乱漫遊、、安倍春樹の千年扉






復活、千年扉、、、、





春樹、大学4年の夏休み、、、



春樹は、、夏休みになっても、おばあちゃんの家にいた、、、


「ああ、、、俺、、就職活動しないと、いけないけど、、何をするの、、全然、わからない、、、」


「実家に帰っても、、親父に、就職は決まったのかと言われるし、このまま夏休み、おばあちゃんの家にいるかな、、、大学の友達はみんな帰省したし、、暇だけど、、」



春樹は、キッチンに向かった、、、


「ええと、、、昨日買った、、パンと牛乳があったな、、、これで朝飯は良いだろう」



春樹は朝飯を済ますと、、大広間で、テレビを見ていた、、、



すると、廊下の方からガヤガヤと、声が聞こえた、、、


「えっ、、俺、以外、誰もいないけど、、、お手伝いさんはもういないし、、、隣の山田さん、、、イヤ、、勝手に入ってこないだろう、、、」


春樹は、身構えた、、、


「泥棒なら、、陰陽道、妖術で退治してやるぞ、、、」



大広間の襖が開いて、、、


「あ~、、、春樹、、いた~、、」


「えっ、、焔、、、どうして、、」


「春樹、、4年ぶりだな、、、」


「幻、、、なのか、、」


「おう~い、、春樹、、遊ぶぞ、、」


「鶴瓶か、、、みんな、どうして、、、」


春樹は、みんなの、顔を見て、驚いた、、



焔は、春樹に近ずくと、、、、


「清明様が、、お役目御免と、封印を解いて、春樹の元に行けと、言ってくれたのよ」


「えっ、、、じゃあ、、封印の間の、、掛け軸も、、千年扉も、復活したの」



焔も、幻も、鶴瓶、うんうんと、、


「そうなのよ、、、また、千年扉を使って色んな時代に行けるのよ」



幻が、、、

「ところで、、春樹、妖術は使えるだろうな、、、」


「そうだぞ、、、妖力が無いと、千年扉は使えないし、、行く先で、妖術無しじゃ危ないぞ、、」



春樹は、困惑して、、、


「あのね、、、前は、目的があったから千年扉を使って色んな時代に行ったけど、、、、今度は行く理由があるの、、」



幻と鶴瓶は、、、


「えっ、、、理由が無いと、ダメなのか」


「春樹、、、面白いぞ、、色んな体験が出来るんだぞ、、、」


春樹は、困った顔で、、、


「あのね、、、今、それどころじゃないの、、就職先を決めないといけないの、、、遊んでいられないの、、、」



すると、焔が、、、


「あら、、理由はあるわ、、」


「何だよ、、、焔、、先読みの妖術か、、、でも、それは、行かないとわからないはずだろう、、、」



焔は、笑って、、、


「如月様が、予言したのよ、、、春樹の生涯のパートナーが関わっているって」


「ええと、、、千年扉は、未来にも行けるのか、、、確か、如月様は、千年扉を使わなくても好きな時代に行けるって、言ってたけど、、、」



焔は、、困って、、


「う~ん、、、千年扉で、未来に行った人はいないみたいだけど、、行けるかどうかわからないわ、、、妖力次第かな」


「じゃあ、未来に行けないなら、俺の奥さんに会うことは無いじゃないか、、、」



焔は思い出した様に、、、


「でも、、如月様が、、春樹は今回の千年扉で生涯のパートナーに逢うと予言していたわよ、、、」


「本当かな、、、」


「あら、、如月様は、春樹が千年扉を使って清明様を助けて鬼退治する事も、予言したのよ、、、」


「、、、、俺の、、奥さんに、なる人って少し前の時代に行けばわかるのかな、、」


「それは違うみたいよ、、、如月様が、、行けばわかるから、自分で見つけてねと、言ってたわ、、、」



「教えてくれれば良いのに、、、えっ、待てよ、、、昔の時代の人と俺は結婚するの、、無理だよ、、俺はこの時代にいたいもの、、まさか、、その女性をこの、平成時代に連れてくるの、、、大丈夫なのその人、、」


焔は、笑って、、、


「春樹、、正解よ、、如月様がそう言っていたわよ、、、」


「じゃあ、色んな時代に行って探すの、、、無理だよ、、、就職活動だってあるのに」


「あら、、、如月様が、、たぶん千年扉がすぐに会わせると、言ってたわ、、まあ、、その後も、、何回か行くことになるけどね」


「何だよ、、その言い方、、、焔、、、、、お前、、その女性を知ってるのか」


「さあ、、、どうでしょう、、、」


「絶対、、知ってる素振りだな、、、、、、良いよ、、千年扉で探しに行くから」


「知らないけど、、その女の人と、、春樹は結婚する、運命なのよ、、、良かったわね、千年扉を使う、理由が出来て、、、」



春樹は、忘れていた、記憶が甦った、、


「、、、、確か、、平安時代に行く、前の晩、、未来から来た、焔が、、俺の孫を連れて来たな、、凄いかわいい子で、、確か、、夢夢ちゃんと言っていたな、、、あれは、、幻じゃなかったのか、、、」



春樹は、妄想した、、、


「じゃあ、、俺の奥さんになる人も、、凄い美人と言うわけだな、、、どうする、、、、春樹、、、」


焔は、もう一度春樹に聞いた、、


「春樹、、どうするの、、、行くの、、」


「、、、、わかったよ、、、行くよ、、」






久しぶりの千年扉、、、どこに行く、、






封印の間、、、



春樹達は、封印の間にいた、、、、


「ええと、、、焔、、ただ、千年扉に入れば良いのか、、、」


「そうよ、、今度は、春樹が行きたい、時代に行けるけど、、何も司令を出さないと、、千年扉が、勝手に行き先を決めるわ」


「へえ~、、行きたい所に行けるんだ、、

前より便利じゃないか、、」


「じゃあ、、どの時代に行くの、、」


春樹は、、さっきの事が気になって、、


「、、、、俺の、、、、相手が見たい」


焔は、わざとらしく、、、


「え~、、聞こえないわよ、、、男でしょう、はっきりと言って、、、」


「わかったよ、、、俺の、奥さんになる人がいる時代だよ、、、」


焔は、、、、


「千年扉、、、春樹はそう言っているよ」


「さあ、、春樹、、千年扉に、、命令してね、、、、」


「ええと、、、ええと、、俺の奥さんになる人がいる、時代だ、、千年扉、、そこに、、案内してくれ、、、」


春樹の体から、淡い光りが広がると、、、、


千年扉の右側の入り口が開いた、、、


「春樹、、どう、、千年扉が、反応したでしょう、、これで、その人がいる時代に行けるわよ」


春樹達は、千年扉に入って行った



江戸時代、、、長崎、、、



大きな建物の隠れた所に、千年扉の屏風が現れ、、、

左側の出口から、春樹達が出てきた、、、


春樹達、全員が千年扉から出ると、千年扉の屏風は消えた、、、



「ええと、、ここは、何時代なんだ、、、」


「春樹、、江戸時代の長崎よ、、」


「確かに、、この陰陽師の格好は覚えているぞ、、、焔、、なぜ、長崎に現れたのを、知ってるんだ、、やっぱり、全部先読みで、わかっているのか、、、」


焔は、ニコッと笑って、、、


「そんな事良いじゃない、、歴史や未来は変わるのよ、、私の先読みも外れる事もあるのよ、、後は、春樹次第ね、、、」


待ちきれなくなった、鶴瓶が、、、


「春樹、、早く、行こうよ、、何か面白い事が起こるかもしれないぞ、、」


「、、、あのね、鶴瓶、以前と違って、鬼退治の試練とかないの、、必ず事件が起こるわけないだろう」


すると、幻も、、、


「いや、、春樹、、あながち鶴瓶の言う事も一理あるぞ、、、千年扉が平凡な、所に連れていくはずはない、、何かしら、、、試練を与えるはずだ、、、」


「えっ、そうなの、、俺の嫁さんになる人を見るために来ただけなのに、、、」


春樹達は、建物の影から広い場所に出た、、


そこには、歴史の教科書で見た、風景が、、


「あ~、、あれはもしかして、長崎の出島じゃないのか、、、」


「あら、、春樹、、よくわかるじゃない」


「あのね、、あれから歴史の事をずいぶん勉強したんだ、、もしかしたらまた千年扉が使える様になるんじゃないかと思って、、」


「良かったね、、勉強が役にたちそうで」



春樹は、出島を見て、、、


「焔、、まさかあそこに、、俺の結婚する相手がいるのか、、、」


焔は、また、ニコッと笑って、、、


「あら、、どうかしら、、、」


「知ってるくせに、、、えっ、待てよ、、、出島は、確かポルトガル人や、オランダ人が基本住んでいるはずだぞ」


春樹は、困惑した、、、


「俺の、結婚する相手は、外国人なの」


焔はニコッと笑っていたが、、幻と鶴瓶は困惑していた、、、


「焔、、おいら達は、如月様から何も聞いていないぞ、、、」


「鶴瓶、、良いじゃないか、、俺達には、春樹の嫁は誰で有ろうと、ご主人様だからな」



「春樹、、出島の中には、日本人も働いているのよ、、、」


春樹は、ホッとして、、、


「じゃあ、、良かったよ、、俺はポルトガル語もオランダ語も知らないし、、、」


「あら、、大丈夫よ、、千年扉が、すべてわかるように、日本語でも通用するわよ」


「あっ、、、そうなの、良かった、、、、、おい、焔、、それじゃあやっぱり外国人じゃないか、、」

「さあ、、行ってからの、お楽しみよ」







出島で起きた異変、、、







春樹達が、出島の入り口に向かって歩こうとした時、、、春樹が、、、



「あっ、焔、、そう言えば、勝手に、出島に入る事は出来ないだろう、、ほら、、出島の入り口に、、、長崎奉行のお役人、数名がいるぞ、、」


「あら、、、それなら大丈夫よ、、私達、、他の人間には見えないもの、、、」


春樹は、、困惑して、、、


「あのね、、焔達は見えないから良いけど、、俺は見えるだろう、、絶対、あそこで止められて、、下手したら捕まるかも知れないぞ、、、」


すると、幻が、、、


「春樹も、、妖術で姿を消せば良いだろう」


「あのね、、、姿を消したら出島で、、女の人を見つけても話が出来ないし、、姿を現したら、、大騒ぎになって、、やっぱり役人に捕まるのだろう、、、」


すると、焔が笑って、、、


「あっ、、、春樹は堂々と、あそこを通れるわよ、、千年扉がそう、設定したから」


「、、、、、焔、、、また先読みの能力か」


「これも、如月様が、言っていたわ、、」


春樹は、不思議そうに、焔に聞いた、、


「じゃあ、どう言う設定なんだよ、、」


「今、、出島では不可解な現象が起きているわ、、、」


「それが、、設定と何の関係があるんだ」


焔は、怒った口調で、、、


「もう、最後まで説明を聞いてよ、、、どうも妖怪の仕業じゃないかと噂されているわ」


「だから、、、」


「妖怪なら、陰陽師の出番でしょう、、、、春樹、、あなたは、長崎奉行の依頼で、、、江戸幕府、将軍、徳川家斉様の命を受けて、出島で妖怪退治をするのよ」



春樹は疑問に思った、、、


「なんか、、、ずいぶん上手い話だな、、、本当に悪さをする妖怪がいるのか、、」


「あら、、いるわよ、、夜な夜な徘徊して人を襲う妖怪がね、、、」


春樹は心配そうにした、、、


「俺の、奥さんになる人はそんな、危ない所にいるのか、、、」


「あら、、春樹、、もう心配なの、、、、、大丈夫よ、、春樹の奥さんになる女性もかなり強いから、、、」


春樹は、訳がわからない様子だった


「えっ、、焔、、どう言う事だよ、、、」


「強いから、強いと言っているのよ、、」


「じゃあ、、俺と同じ陰陽師なのか」


焔は、含みを込めて、ニコッと笑った

「う~ん、それとはちょっと違うわね」


「、、、さっぱり、訳がわからない」


すると、幻と鶴瓶は待ちきれなくて、、


「焔、春樹、、出島に入るぞ」


「出島に現れる妖怪ってどんなやつなんだろう、、バカだな、、平安で鬼の大将、酒呑童子と茨木童子を倒した春樹だぞ、、敵うわけないだろう、、、」


幻は、鶴瓶を戒めた、、、


「鶴瓶、、油断は禁物だぞ、、なめてかかると足元をすくわれるぞ」


焔と春樹は、ニコッと笑った、、、


「さあ、春樹、幻も鶴瓶も待ちきれないみたいよ、、さっそく出島に入るわよ」


春樹達は、出島の入り口、、長崎奉行所が管理する関所に近ずくと、、、


春樹の姿を見た、、長崎奉行所の武士達が警戒をした、、、


「おい、、お前、、出島にどんな用だ、、、通行証を持っているのか、、、」


春樹は、心配そうに焔を見ると、、焔が、、


「春樹、、胸元を見て、、江戸幕府からの依頼書があるはずよ」

「えっ、、、そうなの、、」


春樹は、胸元に手を当てると、、願書の様な物があった、、、春樹は、長崎奉行所の武士にそれを渡すと、、一番偉い武士が、頭を下げて、、、、


「申し訳ございません、、江戸幕府からの依頼書、、、あなたが、、将軍、、徳川家斉様の命を受けていただいた、陰陽師様とは知らず、、御無礼をしました、、、どうぞ、お通り下さい、、、」

「、、、ありがとうございます、、、」


1番偉い、武士が、、春樹に、、


「陰陽師様、、、出島の、一番大きな、オランダ屋敷の、、主人から、詳しい内容を聞いて下さい、、、」


「はい、、、わかりました、、、」


「陰陽師様、、私達も出島での異変はどう対処すれば良いかわかりません、、何せ相手は妖怪ですから、、よろしく、お頼み申し上げます、、、」


武士達は、春樹にひれ伏した、、、





春樹、、、出島に入る、、、





春樹は、無事に、出島に入ることが出来た


出島を見渡した春樹は、、ごちゃごちゃと家が立ち並び、、オランダ屋敷と言うより、日本家屋に見えた、、、


町行く人は、外人だけではなく、日本人も多いと感じた、、、


すると、鶴瓶が、、、

「春樹、、こんな昼間から、妖怪が現れるのか、、、」


「あのね、、鶴瓶、、俺が知るわけないだろう、、、物知りで、たくさん知ってる、焔に聞いたら」


春樹は、先ほどからの焔の、知ってる素振りにいらだちを覚えた、、、


それを感じた焔は、、、春樹に向かって


「春樹、、予言したとおりにはならない事もあるのよ、、、わかったの」


「、、、少しぐらい、教えてくれても良いのに、、、どうせ、、その、現れる、妖怪も知ってるんだろう、、、」


焔は仕方なく、春樹に教えた、、、

「もう、、先読みは外れるかも知れないのよ、、パラレルワールドみたいに歴史は、入り交じっているの、少しの事で変わるの、、まあ、教えてあげるけど、、土蜘蛛と言う妖怪よ、、、変わるかも知れないけど」


「土蜘蛛だと、、、まあまあの妖怪だな」

幻もポツリと呟いた、、

春樹達は、長崎奉行所の武士から聞いた、、出島で一番大きなお屋敷を探した


出島で一番大きなお屋敷、、、


それを見て、、、春樹は、、呟いた

「、、、全然、オランダ屋敷じゃないな、、大きいけど、、日本家屋だな」、、春樹は、想像と違う出島のオランダ屋敷をずっと見ていた


幻は、、いつまでも屋敷を見ている春樹に向かって、、、「さあ、、春樹、情報収集だぞ、、オランダ屋敷の主人に聞かないと」


春樹達は、入り口らしき扉をノックした


すると、屋敷の使用人らしき女の人が扉を開けた、、、「ええと、どちら様で、、」


春樹は日本人だと思って、少し安心して、、「ええと、、長崎奉行所の方に、この屋敷で、今、出島で起きている異変の情報を聞いて下さいと言われまして」


使用人らしき女の人は、不審そうに、、、、

「ええと、、、何か、身分のわかるものが無いと、ご主人様に会わす事は出来ません」


「ええと、、確か、、」、、、春樹は懐から先程の江戸幕府からの依頼書をだした


それを見た、使用人は驚いて、、、

「失礼しました、、、どうぞ、、お屋敷にお入り下さい、、」


春樹達は、、、、お屋敷の奥の部屋に、通された、、、春樹達がテーブル席に座ると、、使用人は、この屋敷の主人を呼んでくると部屋から出て行った


部屋を見ると、、明らかに屋敷の外観と違う中の様子に驚いた、、


「えっ、、、中は、ヨーロッパ中世の感じじゃないか、、家具や美術品は、オランダから持って来た物か、、、」


すると、焔が、、、「春樹、、この時代の日本人は、ヨーロッパの事をあまり知らないのよ、、だから、オランダ屋敷と言っても日本家屋なのよ、、オランダ人は、せめて中身だけはオランダ風にしたのよ」


「、、、お屋敷を作った大工は、想像だけでオランダ風にしたつもりなのか、、、まあ、わからないから当然か」、、、春樹は納得した、、、





出島で起こった異変、、、





そこに、このオランダ屋敷の主人と、若い女の人が来て、主人らしき男はテーブル席に座った、、、主人の横に立っている、女の人を見た、春樹はどことなく見覚えがあった、


「、、、えっ、、この人、どこかで見た事が有るような気がる、、、」、、、焔は春樹の事を、ニコッと笑って見ていた、、、


「えっ、、、焔のやつ、また知ってるみたいだぞ、、まさか、このかわいい女性が、俺の、、、いや、、違うだろう、、外国人だぞ、、、」


すると、オランダ屋敷の、主人と呼ばれる男が、、「ええと、、私は、バーグと言います、、あなたは、、、」


春樹は、日本語の様に聞こえた、、、「えっ、、わかるぞ、、これも千年扉の能力なのか、、、、、ええと、、春樹、阿倍です、、江戸幕府からの命により、来ました」


「確か、長崎奉行所のお役人が江戸幕府に依頼して、魔物退治出来る、者を差し向けると言っていましたが、、あなたですね」


「ええ、、陰陽師をやっています、、」


「それは、良かった、、オランダ人や日本人、、、もう3人も犠牲になっている」


すると、幻が、、「春樹、、情報だ、魔物が出る場所とか時間とか、、」


「どうせ、、夜中だろう、、」、、鶴瓶は退屈そうに言った


「ええと、バーグさん、、魔物の情報とかわからないですか」


すると、バーグは、、、連れの女性を指さすと、、、「ええと、、、彼女は、、私の秘書でルーナと言いますが、、彼女が、その怪物を目撃したみたいだ、、彼女に詳しい事を聞いてくれ、、、」


「ルーナ、、このお方に、、その時の事を話してくれ、、」、、、そう言うとバーグは席を立った、、


ルーナは、春樹達の前に立つと、、「ええと、、私はルーナです、、よろしくお願いいたします、、」、、、ルーナはテーブル席に座ると、春樹に、、ニコッと笑いかけた、、


「わあ~、、凄くかわいい、、、でも、、、本当にどこかで見た事がある、顔だぞ」


すると、ルーナがおかしな事を言った、、

「春樹様は、さすが陰陽師ですね、、式神を3人も従えて、、」、、、ルーナはニコッと笑って春樹を見た、、、


春樹は、少し警戒をして、、、「えっ、、ルーナさんは、焔達が見えるのか、、」


「はい、、焔さん達も、テーブル席にお座り下さい、、」


3人は、テーブル席に座った、、


「へえ~、、姉ちゃん、凄いね、おいら達が見えるのか、、、、姉ちゃん、おいらは鶴瓶と言うんだ」、、、鶴瓶は不思議そうにルーナをみていた


「、、、誰もいないのにテーブル席が動くのは不味いと思って座らなかったけど、、本当に俺達が見えるの、、、、、幻だ、よろしく」、、、幻も警戒した


「ルーナ、、よろしくね、、焔よ、」、、、相変わらず焔だけはニコッと笑っていた



ルーナは、春樹の顔をずっと見ていた、、、

「ええと、、、ルーナさん、、俺の、、いや、私の顔がどうかしましたか」


ルーナは、恥ずかしそうに、、「えっ、、ごめんなさい、、、、そんなつもりじゃ、無いわ、、」


「ええと、ルーナさん、、色々と聞かせて下さい」


「あっ、、、そうでした、、、」、、ルーナは出島で起きた異変について話し始めた、、


ルーナの話しによると、、10日ぐらい前から数回その怪物が目撃され、、3日前にはとうとう犠牲者が出たそうだ、、、


春樹はルーナに、、、「ルーナさん、、あなたはその、怪物を見たのですか」


「ええ、10日前、最初にみたのは私です」


すると鶴瓶が、、、「姉ちゃん、、そいつは土蜘蛛か、、、」


「ええと、、土蜘蛛は、知りませんが、、大きな蜘蛛の様に見えました」


「、、あんた、、襲われなかったのか」、、幻は、、不思議そうに言った


「、、、うふふ、、、これでも私、術師なんですよ、、とりあえず回避はしました」


鶴瓶も驚き、、、「えっ、、、姉ちゃんも、陰陽師なのか、、」


ルーナは、ニコニコと笑って、、「西洋に陰陽師はいないわよ、、まあ、、少し似たような者だけど」


春樹は思った、、、「こんなにかわいい子が、術師なの、、、、本当にこの顔、、どこかで見た事がある、、、、、、う~ん、思い出せない、、」、、、春樹が、ルーナの顔をじっと見ていると、、その横で焔は涼しい顔をしていた、、、


ルーナは、険しい顔で、、、「3日前に犠牲者が出てからは、毎晩現れるわ、、」


「ルーナさん、、、現れる、場所は決まっているのですか、、」


「ええ、、出島の外れにある、、崩れかけた屋敷よ、、、」


鶴瓶は不満そうに、、、、、、「場所まで、わかっているなら、なぜ、長崎奉行所の奴ら討伐しないんだ、、、」


「鶴瓶さん、、、その、蜘蛛みたいな大きな怪物は、地面の中に簡単に潜れるのよ、、刀じゃ太刀打ち出来ないわ、、ところで、春樹様は強いの、、」、、ルーナは、ニコッと笑って春樹に聞いた、、


「えっ、、、さあ、、」、、すると、春樹の言葉を遮る様に焔が言った、、「ルーナ、、春樹は、平安の有名な陰陽師、安倍晴明の子孫よ、、とてつもない妖力を持っているわ、、私達以外の巨大な式神もね、、」


「凄い、、、春樹って強いんだね」、、ルーナはまた、春樹をじっと見た


すると、鶴瓶がルーナに、、、「姉ちゃんは、、どんな術が使えるんだ」


「ええとね、、一番得意な術は、チャームかな、、、」


「なんだ、それ、、、」、、、鶴瓶は焔に聞いた、、、


「、、、鶴瓶、、魅惑とか、、相手を誘惑して、戦意喪失させるのよ、、」


「そんな、能力、怪物に通用するのか」


「さあ、、わからないわよ、、」





妖怪、土蜘蛛現わる、、、





その日の夜、、、、


春樹達は、ルーナが、妖怪が現れるだろうと言われている場所に向かうため、屋敷を出た


「あっ、、春樹様、、どうぞ、、こちらの方です、、、」、、、ルーナはさりげなく春樹の手をつかんだ、、、


「えっ、、、ルーナさん、、手を、、つかまなくても、、、」、、、ニコッと笑い返すルーナを見て、春樹は照れていた、、


「なんだ、、春樹、、モテモテだな、、」

鶴瓶は、、春樹をからかった、、、


「、、、そんなんじゃないよ、、」、、春樹は照れくさそうにしていた、、そんな春樹を見て、、、、焔は意味ありげに微笑んだ、、


朽ち果てた出島外れの、お屋敷跡の近く、、


「春樹様、、あそこに見える、壊れかけたお屋敷、、、あそこにいつも現れるのよ」


すると、幻が、、「蜘蛛は待ち伏せして餌を捕らえるから、、あそこが土蜘蛛の巣かも知れないな、、、」、、春樹に向かってそう言った、、、


春樹は辺りを見て、、、「焔は、妖力思念を感じとる事が出来るんだろう、、」


「ええ、、そうだけど、、」、、焔は目を閉じ、妖力を高めて、、妖術を唱えた、、

「、、、、残っているわよ、、やっぱり妖怪の正体は土蜘蛛ね、、」


「そうか、、、で、、ここの地下に潜んでいるのか、、、、」


「、、、う~ん、、、地下深くにいるのか、それとも、妖力を消しているのか、、春樹の妖力を感じて警戒してるんじゃないの」


「、、、俺って、そんなに妖力が強いのか」


「あら、、鶴瓶じゃあるまいに、、自分の妖力の大きさがわからないの、、ねえ、ルーナさん、、、あなたはわかるよね、、」


「えっ、、、焔さん、、どうして、、」


「ふふふ、、焔は、あなたの正体がわかるのよ、、、」、、焔はルーナの耳元で呟いた


「ええと、、焔さん、、春樹には言わないで下さい」、、、ルーナも小さな声で言った


すると、、、その壊れかけたお屋敷の前を1人の男が、横切ろうとした時、、春樹達は妖気を感じた、、、


「おい、、そこのあんた、、逃げろ、、」


春樹の声に、驚き、男は走って逃げた、、その時、、壊れかけたお屋敷の前の地面が崩れ、、、、巨大な土蜘蛛が現れた、、、


「わあ~、、大きいぞ、、幻、、土蜘蛛ってあんなに大きかったか、、、」、、鶴瓶は、驚いて、春樹の後ろに隠れた、、、


「いや、、本当に土蜘蛛か、、」


すると、、焔が、、「春樹、回りに被害が出ない様に、結界を張って、、、」


「ああ、、、陰陽道、妖術、、空間閉鎖、」


崩れかけたお屋敷と、春樹達を囲むように結界が現れた、、、


「ええと、、ルーナさん、、俺から離れないように、、、」、、ルーナは、ニコッと笑って、、「はい、、春樹様、、」


玄は、、雷撃の術で土蜘蛛に攻撃した、、

それを避けると、土蜘蛛は、、毒霧の様な物を吐き出し対抗し始めた、、、


「春樹、、あれを吸ったらまずいわよ、、私たちは大丈夫だけど、あなたとルーナは、危ないわよ、、」、、焔は春樹達に注意した


「ああ、、、わかっている、、ルーナ、俺から離れるな、今、妖術をかけるから、、」

、、、ルーナは、嬉しそうに、、「はい、、あっ、今、ルーナと呼んでくれたわ、、嬉しい、、、」


「陰陽道、妖術、、空間無効化、、」、春樹の体から淡い光が漂うと、土蜘蛛が吐いた毒霧が消えてしまった、、、


鶴瓶は驚き、、、「春樹は、、平安時代の鬼退治の時よりも強くなったんじゃないのか」

焔はニコッと笑って、、「バカね、、妖力を見ればそのぐらいわかるわよ、、、」


「なんだ、、、焔、、おいらが、妖力を探れないのを知っているくせに、、、」

、、、鶴瓶は不満そうに言った


すると、土蜘蛛が、毒の糸をルーナに向かった吐いた、、、春樹は瞬間的に動いてルーナの盾になった、、、「、、、えっ、、、春樹様、、血が、、、ごめんなさい、、私をかばって、、、」


「ああ、、これくらい大した事はない、、防御の術をかけるのを忘れたよ」


すると、ルーナが、春樹の傷に手をかざし、、「回復魔法、、レジリエンス」、、と唱えると、春樹の怪我が、きれいになくなった、、、


「えっ、、、ルーナ、、凄いね、、」


「これくらい、、普通です、、」、、この様子を、、、横で焔はニコッと含み笑顔で見ていた、、


「春樹、、、こんなやつ、さっさと倒して終わらせようぜ、、」、、何もしないのに口出す鶴瓶に幻が、、、「鶴瓶、、お前も、何か出して攻撃しろ、、」、、と、強い口調で言った


「いや、、おいらは、防御専門だから、、」


「じゃあ、、何で、防御の術をかけなかったんだ、、春樹が怪我をしたんだぞ、、式神として失格だぞ、、」

「、、、春樹が、かけたと思ったんだ」


「まあまあ、、春樹そろそろ終わりにしたら、、あんた全力じゃないでしょう」、と、焔は、ささやいた、、、


「えっ、、、春樹様は、まだ、全力で戦っていなかったの、、」、、ルーナは驚いた


春樹は、妖力を高めて、、空に五芒星を描いて妖術を唱えた、、、「陰陽道、妖術、、烈火の炎、、、」、、激しい火の塊が土蜘蛛めがけて、降り注いだ、、、激しい爆風が広がり、、、舞い上がった煙が消えると、そこには土蜘蛛の姿はなかった、、、






思わぬ、失敗、、ルーナの運命は、、、



「春樹様、、やりましたね、、、ありがとうございます、、」、、ルーナは、ニコッと笑って言った、、


幻は、辺りを見て、、「いや~、結界は凄いな、、あれだけの爆音でも、誰1人気がつかないぞ、、」


「さてと、、、土蜘蛛は、いなくなったから帰るか、、」、と、目的を忘れた鶴瓶が言うと、、ルーナが、、「お願いがあります、、春樹様、、私も、春樹様達と一緒に旅がしたいです、、ダメですか」、、ルーナは必死に訴えた、、、


「う~ん、、、難しいな、、ルーナ、君にだって家族がいるだろう、、俺達は言えないけど遠いところから来てるんだよ、」


「あっ、それは大丈夫です、、私に家族はいません、、」


「えっ、、、あの、屋敷の主人は、、」


「私は、身寄りはいません、、彼は秘書として私の雇い人です、、だから、春樹様と行くのは、大丈夫です、、」


「そうなの、、1人なんだ、、、」


すると、、横で見ていた焔が、、「春樹、、もう、わかったでしょう、、ルーナさんが、あなたの、結婚する相手よ、、」


「やっぱりそうか、、、思い出したよ、、俺の孫だと言う、未来の千年扉を使って焔が連れてきた夢夢ちゃんと似てると、今、気がついたよ、、、」


ルーナは、キョトンとして、、「えっ、どうして焔さんは、知っているの、、、私は春樹の奥さんになるの、、、好きになった事どうしてわかったの、、」


「あのね、、話せば長いけど、、私達は未来から来たの、、春樹の花嫁になるルーナを探すためにね、、、」


「えっ、、、そうなの、、じゃあ、私は未来で春樹と結婚出来るの、、嬉しい、、」、、ルーナは満面の笑みで言った


「ええと、、ルーナ、、そんなに簡単に決めて良いの、、まだ、初対面だよ」、、春樹は照れくさそうに言った


「実は、、私少しだけ予知夢と言う、能力があるの、、夢で未来から私のパートナーが現れるって、、だから、初めて会った時から春樹がそのパートナーだって思ったわ」


それから、焔は、詳しい事をルーナに話して聞かせた、、、

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