幼馴染。
Rotten flower
第1話
君の家は隣にある。漫画のように僕の部屋と君の部屋は窓を介して話せる程度に近い。
小学校のころから窓を介して色んな話をした。今日の課題のことや学校の愚痴、世間話など色々したのを思い出す。大きな声を上げると聞こえるから小声で常に恥ずかしがりながら生活してたっけ。
中学になってもある程度の期間だけお話をした。小学校みたいに続くかと思ったのに、所謂思春期辺りから互いに恥ずかしくなって話す機会がなくなったんだっけか。
高校は別々の公立になった。実家の母は常に大学について聞いてくるが父は働けと言ってくる。どちらを信じればよいのか。
君も君で色々あったようでベッドに腰を落としてはそのまま倒れ込む音が聞こえた夜も、一人すすりなく声が聞こえるようなこともあった。窓が閉まっていなかったからよく聞こえたよ。
それが二年ほど続いて僕はいつの間にか3年生になった。母はあのとき以上に将来を聞いてきた。父も大学に進むように勧めてきて、乗るしかないだろう。
夜、帰ってきた君はカバンを下ろすと誰かと話している声が聞こえた。ベッドに倒れ込むような音が鳴るとそのままベッドが軋む音と君が喘ぐ音が聞こえた。
そうか。君もそんなふうになって、僕よりも進んでいる。高校で告白されて「はい。」と返した年下の彼女と僕は初心な関係が1年ほど続いている。
君の方はもっと、もっと先に行っていた。どんどん音が激しくなってふて寝するように眠った。枕が軽く濡れた
次の日の朝、昨晩よりも大きな音で目が覚めた。窓から君の部屋を見てもカーテンがかかっている。何かあったのだろうかとじっと眺めていると、ふとカーテンが靡いた。
綺麗な肌を服も着ずに曝け出している。腹部には赤く染まった包丁がグッサリと刺さっていた。
幼馴染。 Rotten flower @Rotten_flower
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