本当はあなたが大好きなんです!冷たい二人の心中は。

月橋りら

第1話 あれは……俺の彼女!!??

「レポート見せて」


本当は嫌なんだけど…とぶつくさ文句を言いながら俺は彼女である碧に頼む。

だけど、返答は………………。


「は?話しかけないでよ」


わぁー、冷たーい。

これでも見せてくれるあたりまだ可能性はあるのかなぁ?


それでも突き返される冷たい声色………………。


「ちょっと、歩くのおっそい!蓮ってこんなに体力に無かったっけ。マジでだっさいわ」

「は?お前が化け物なだけだろ。俺は至って「」ですけど?」


それはお前が早足だからじゃないかぁーーーーー!なんなら走ってる時もあったじゃないかぁーーーーー!

ただ大学に一緒に行くだけでこれだ。


それなのに、こんな俺たちだけど、なんで別れてないんだろう?

なんで?

本当に、なんでだろう?


碧は知らないが、こんな冷たく返してる俺には別れたくない理由がある。それは………。


本当は大好きなんだーーーーー!ええ、それはもう、碧に殺されたっていい!ああそうだ、死ぬ時は俺を殺してくれと懇願したい!!!!それくらい、大好きなんだぁーーーー!


と思っているからです。


だけど、碧はもう俺の事なんて好きじゃないかもしれない…………………………。

そうだ!


「ねぇ、今度ご飯行かない?」

「わぁ、行きましょ!」


名付けて「嫉妬させよう作戦」!

他の女の子を誘って嫉妬させてやるぅーー!


「今日、夜いないから」

「あぁ……私も」


なんにも動揺してないし、むしろこっちが動揺させられてるんですけどっ!?

はぁー誰と行くかくらい聞いてくれよぉ、彼女さん。


「夕凪さん、ここのご飯、美味しいですね!」

「うん」


女の子が美味しそうに頬張る姿は、俺たち男の子にとってご褒美と言っていいくらい貴重だ、が……。ごめんな、俺はもう碧以外ときめかないっ!!!!世界一可愛いのは碧だぁーー!


多分今、全世界の女子を敵に回したんだろうなぁと覚悟している。


「えっ♡奢ってくれるんですかぁ?」

「うん、誘ったのは俺だからね」


何となく、碧にざまぁと思ってしまった自分がいた。


…………………………………ん????

あの女の子、碧に似てないかあぁぁ?


いやいや。

気のせいだよな。


「どうしかしました?」

「あぁ、なんでもないよ」


見れば見るほど、ますます碧に見えてくる。

もし、そうであるなら……


と、となりにいるのはっ……男!!!???

嘘だろ、嘘だろ!?


おいおい……

なんでだよぉーー!もう新しい男ができちまったのかよぉ!?


なんか、俺の方が嫉妬させられているっ……。悔しい……!


俺はその後、家にすぐに帰ってベッドに突っ伏して泣いた。











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