夏の終わりに思い出す

夜空 叶ト

あれから、一年が経った

 高校二年の夏、僕は振られた。

 振られた理由?簡単だ。


「友達としては好きだけど、、、」


 そう言われたよ。

 まあ、この時は俺も友達として好きならまだ可能性なんてあるしこれからゆっくりと時間をかけて惚れさせていけばいいとそう思っていた。

 それはそうとして、振られた翌日にオープンキャンパスっていうのは憂鬱すぎるだろ!?


「はぁ。行きたくない」


 そう言いつつも予約してしまったからには仕方がない。

 ぱっとみて帰ろう。

 そう思って大学に入ったんだけどさ、カップルがわんさかいるわけ!

 え!?当てつけなの?

 もしかして前日に振られた俺に対する当てつけなの!?


「本当、片方だけ大学落ちればいいのに」


 両方落ちたら違う大学でイチャイチャするし両方受かったら言わずもがなであろう。

 それゆえの片方なのだ。

 まあ、そんな悪態をつきながら俺は自分の行きたいと思う学科を見て回ったよ。

 30分で終わったけどね。

 もっと言うとそのまま帰ったよ。

 到底オープンキャンパスを楽しめるような気分ではない。


 ◇


「で、なんでこいつら喧嘩してるの?」


 俺がいつも一緒にいた小学校から仲のいいグループが喧嘩していた。

 喧嘩の発端は花火だ。

 ちなみにグループの人数は俺含めて4人で男子3人女子1人だ。

 そのうちの女子が二回ほど花火を予定した日に病気にかかったり怪我をしてこれなくなったらしい。

 それが原因で喧嘩をしていたらしい。

 この時俺は振られた俺がいる花火なんてしたくないのかなと思ったけど考えないようにした。

 だって、そんなこと考えても誰も幸せになんないからね。


「で、なんで俺に相談が来るわけ?」


 なぜかその女の子が俺に相談してきたのだ。

 いや、なんで?

 まあ、男子二人は双子だから相談しにくいのはわかるんだけどさ。

 結局相談に乗って俺は何とか三人の中を取り持ったよ。

 結果的に三人は良い感じに仲直りをしていた。


「なんとかなるもんだな~」


 その時の俺はほっとしていた。

 だって、最初らへんはしばらく距離を置こうと思うとか、もう会わないとか言ってたのに何とか丸く収まったことに安心してたよ。

 事件が起きたのはそれから一週間くらいたってからだった。


「ははっ、何だこれ」


 女の子のインスタに花火をしている写真が上がっていた。

 数日前に俺たちと仲直りで花火をしていたのにまた花火をしているなんてこの時の俺はそう素直に思ってた。

 問題はここからだ。

 インスタに貼ってあったメンションをタップしてしまった。

 そこにはグループのメンバーともう一人の女子のアカウントが紐づいていた。

 正直酷い気分だった。

 でも、涙なんか出てこなかった。

 出てきた感想は


「そうかそうか。君たちはそういう奴だったんだね」


 という感想のみ。

 そして、俺は都合よく利用されただけなのだと思った。

 この時に俺は友達という言葉を信用できなくなった。

 それに加えて女性不信にもなった。

 何にも信用できなかった。

 小学校のころから友達だと思ってた。

 でも、彼らからすればそんなことは無かったんだ。


「最初から俺は笑いものにされてたってこと?」


 女の子に告白をする前にメッセージアプリで会話をしていた。

 その時に


「じゃあ、私達付き合う?」


 というメッセージが来た。

 まあ、すぐに送信取り消しされたけど。

 この時俺は脈ありだと疑いもせずに告白をしたさ。

 結果は前述のとおり。

 この時から俺ははめられたのかもしれない。


「おかげで俺は人間不信と女性不信の併発だ」


 友達という言葉を使えなくなった。

 だって俺が友達だと思っていても相手はそう思っていないんだから。

 だから俺には友達なんて一人しかいない。

 小学校から付き合いのある女の子。

 他には、

 幼馴染

 親友

 この三人が俺の交友関係だ。


「なんでこんな話をしているかって?それはこの事件があってからちょうど一年が過ぎたからだよ」


 ちょうど一年。

 未だに女性不信は治ってない。

 でも、それでもいいと思っている。

 今の俺には推しがいるから。


「だからはこの話を読んでくれたあなたたちに問いたい。この時のはどういう選択をするのが正しかったのか」


 どうか未熟な私にこの答えを教えてほしい。

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