第7章 刑務所

荒井注と志村けんが刑務所内で囚人たちを笑わせる活動を続ける中、ある日、運命的な事件が起こった。刑務所の中で一部の囚人たちが、外部から密かに持ち込んだ違法な物品を巡って、激しい争いを始めたのだ。その争いが次第にエスカレートし、暴動にまで発展しそうな気配が漂っていた。


その日、荒井と志村はいつものように運動場で次のコントの構想を練っていた。しかし、突然、彼らの周囲が騒然とし始めた。囚人たちの中には、怒り狂って喧嘩を始める者、怯えて隅に逃げ込む者など、混乱が広がっていく。


「こりゃまずいな…」と荒井が言うと、志村も「これ以上ひどくなると、全員危ないぞ」と同意した。


二人はお互いに目を合わせた。ここで何とかしなければ、ただ笑わせるだけでなく、自分たちの身にも危険が及ぶことは明らかだった。


「志村、お前の得意のやつ、やってみるか?」荒井が提案すると、志村はニヤリと笑い、「分かったよ。任せとけ、何だバカヤロウ!」と叫びながら、すぐに動き始めた。


まず、志村は混乱の中で怒鳴り合っている囚人たちの間に飛び込んで、彼らの注意を引いた。次に、彼は得意のギャグを次々に繰り出し始めた。「おいおい、そんなに怒ることないだろ!こんなに面白い顔をした奴がいるのに、喧嘩なんかしてる場合か?」と、荒井を指差しながら笑わせた。


一瞬、囚人たちは彼の行動に戸惑ったが、すぐにその場の空気が変わり始めた。志村の軽妙なギャグと、荒井の絶妙なタイミングでのツッコミが、次第に囚人たちの注意をそらし、笑いを引き出し始めたのだ。


しかし、暴徒化していた一部の囚人たちは、そんな二人の行動にも屈しなかった。逆に、彼らの行動に苛立ちを覚え、志村と荒井に向かって威嚇しながら近づいてきた。


「やばいな、志村。どうする?」荒井が問いかけると、志村は静かに拳を握りしめた。「仕方ない、やるしかねぇな。」


そして、二人は力を合わせて、次の行動に出た。志村がまず、素早く動いて相手の注意を引き付け、その隙に荒井が相手の懐に飛び込んで反撃を開始した。彼らの動きは、囚人たちが想像していた以上に鋭く、しかも連携が抜群だった。


荒井は、その場の混乱を利用しつつも、巧みに相手の攻撃をかわし、決定的な一撃を加えることに成功した。一方で、志村もその機敏な動きで相手を翻弄し、何とか相手を無力化していった。


二人の意外な戦闘能力に囚人たちは次第に圧倒され、やがて場の興奮は鎮まり始めた。最終的に、刑務所の警備員が駆けつけ、状況は収束に向かった。


「ふぅ、何とかなったな…」荒井が息をつきながら言うと、志村は笑いながら「まったくだ。俺たち、ただの芸人じゃないってことを証明しちまったな、何だバカヤロウ!」と返した。


この事件をきっかけに、二人の名は刑務所内でさらに知られることになり、彼らのユーモアと戦闘力は、囚人たちの間で語り草となっていった。そして、中西も彼らの姿を見て、再び希望を抱き、新たな人生の道を模索する決意を固めるのだった。

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