天羽々斬ヶ時

第2話

剛がウイルスの本体に挑む中、デジタル空間の混乱はますます深刻になっていった。周囲のエラーコードがますます暴走し、空間全体が歪み続けていた。剛はその状況に必死で対応しながら、ウイルスの中心に近づいていった。

ウイルスの本体は、複数の異常なエネルギー波を放ち、周囲のデータを次々と破壊していた。そのエネルギー波は、まるで生物の攻撃のように巧妙で、剛はその攻撃に対処するために、斬ヶ時の力を最大限に引き出さなければならなかった。

剛がウイルスに近づくと、その姿はますます明確になってきた。ウイルスはまるで黒い霧のように、形を持たない存在だったが、その中に無数のエラーコードが浮かび上がり、光と影のコントラストを作り出していた。剛はその存在をじっと見つめながら、斬ヶ時での一撃を決めるタイミングを探った。

「このままでは…」

剛はウイルスの攻撃を受けながらも、そのエネルギーの変化を観察し続けた。ウイルスの攻撃は時折、光の波動や暗黒のエネルギーを伴い、そのパターンは複雑で予測が困難だった。しかし、剛はその中に隙間を見つけ出し、反撃のチャンスを掴む決意を固めた。

ウイルスの攻撃をかわしながら、剛は斬ヶ時を振り上げ、全力で一撃を放った。その刃がウイルスに直撃すると、周囲の空間が一瞬静止し、ウイルスのエネルギーが揺らぎ始めた。剛はその瞬間を逃さず、さらに強力な攻撃を仕掛けるべく、斬ヶ時を再び振り下ろした。

「これで決める！」

剛の一撃がウイルスの中心に命中すると、ウイルスは激しく震え、その存在が次第に崩れ始めた。剛はその崩壊を見守りながら、デジタル空間の修復作業を進めた。ウイルスのエネルギーが消え去り、周囲のエラーコードが次第に収束していく様子が見えた。

やがて、デジタル空間は静寂を取り戻し、剛はその中に立っていた。パソコンの画面に戻ると、エラーが完全に消え去り、正常な状態に戻っていた。剛はその成功に安堵し、深呼吸をしながら、次の仕事に備えることにした。

「これで一段落だな。」

剛はつぶやきながら、パソコンの前から立ち上がった。次なる挑戦が待っていることを感じつつも、その日の仕事を無事に終えることができたという安堵感に包まれていた。