梅花が連れて行く百鬼夜行

平山剛大

襲撃、襲撃!

 時は戦国時代。

 切って、切られ、騙しだまし騙さだまされて、その中一人女の子がただずんでいた。

 「ここ?どこなの?」女の子は侍女を探す為、雨が降り頻る中真っ暗をペタッペタッ杖を退いて座り手探りで探りをする。

 「オゥオゥ、これか?」山賊はポイと投げ捨てた。

 (ハッ、ハッ)女の子は雨の中、冷や汗をかきながら手探りで探した。

 「あっ、あっっ、ああぁぁ〜」首が侍女と形が一緒だった時崩れ落ち、だが決して侍女の日々を忘れない為に頭部を離さなかった。

 「あったか?オィ、あったてよ?ガハハハ!」山賊達は笑う。

 すると「オィ、何を喜んでる?」お頭は馬に乗ってやってきた。

 「オィ、なんだそれは?」お頭は女の子を見て言う。

 「へぇ、女の子でして。どうやら盲目みたいで」

 「お嬢さん。ちょっとええ所へ行こか?」お頭はブルブル震える女の子をしりめに山賊達は笑う。

 「オィ。よく見たら別嬪べっびんだな」お頭は(グイッ)っと女の子のあごを持ち上げた。

 「離してください!」すぐに振り解き

 「贓物ぞうぶつの匂いがします」女の子は匂いでわかった。すると山賊達は笑い

 「よ〜く見な!あ、見えなんだったな?すまん、すまん。」山賊のお頭達は笑い女の子の顔を力強く持ち

 「お前の村の人間は皆んな殺すか、犯すかだ!よ〜く覚えときな!この村はたった一人、楽しみだ〜」お頭はペロッと女の子の顔を舐め回して、女の子は泣かずに居た。

 「撤退だ!」お頭は静かに女の子の顔を離す。

 「こいつは連れて行け!最初はまずは俺でな!」山賊のお頭はゲラゲラと笑う。

「へぇ」

 「お頭のでっかいのは鳴き叫ぶぞ!」山賊達は笑う。

 「オィ!」お頭は山賊達に呼ぶ。

 「へぇ」山賊達は何事なと思ってたが

 「丁寧にな。飽きたらお前のもんだ!ガハハハ。」お頭はゲラゲラと笑う。

 「へぇ!お頭が飽きたら次は俺たちだ!」山賊達は女の子を

 「キャッ!降ろしてください。」女の子はジタバタするが

 「よっこらせぇっと。」

 山賊はおかまえなしに肩に担いで馬に乗せた。

 「お前はお頭への貢物みつぎものだ。」山賊達は笑う。

 「イヤです!離してください!」女の子がジタバタしたが

 (トゴォーン)と山賊達と女の子は一瞬、止まる。

 すると物音を立ちながら鼻息を荒く(フシュー!)巨大な白い狸が現れた。その狸は右側の目だけ真っ白だった。山賊達は唖然としたが狸はまた一匹、また一匹と最終的には三匹(フシュー!)と怒っているのか「臓腑の匂いがするな?」大将だろうか、匂いがすることで怒ってる。

 「喰ってやりましょうか?」狸達は戦闘モードで言う。

 「お頭⁈」山賊達はお頭を頼った。

 「何者だ!」お頭は問うたが

 「何者じゃと〜、この野郎!見て気づけ!」見て気づけは無理があると山賊達は思ったが

 「見やんかっても気づけ!」それはそうだろうと山賊達は思う。

 「このお方を誰じゃと思うとるんじゃ、妖怪共を束ねる大妖怪、隠神刑部いぬがみぎょうぶ様だぞ!」二匹は隠神刑部と名乗って来た。

 「えぇ〜⁈妖怪⁈」山賊達は思わず声に出る。

 「なんだと⁈妖怪⁈オィ、妖怪、俺たちは帰るんだそこを開けろ!」お頭は隠神刑部達を前に出る。

 (フシュー!)「何を言っているんだ?臓腑の匂いがするをすると言ってるんだ、お前達の山賊如きが」隠神刑部はニヤッとした。

 山賊達はビビったが「クッソ!妖怪めが。かかれ〜!」山賊のお頭は吠えるが

 (フシュー!)「フン、人間どもめ。畏れが多いのに。」隠神刑部は「かかれ。」低い声で狸達は一斉にかかっていく。

 (ガブッ、ギャャャ、ブーーン)狸達は噛みちぎり、投げ飛ばし、山賊達は慌てて混乱する。

 それもそのはず、隠神刑部達と思っておったはずが、首無し、ろくろ首、天狗やら次々と出てきた。

 「なんだよ、この数⁈次々と出てくるぞ⁈」山賊達は怯えて

 「斬っても、斬っても襲ってくるっす!お頭、退きましょう⁈」山賊達はお頭に言う。

 「クッソ!ビビる気がないのか⁈」お頭は悔しそうに下唇を噛み「撤退だ!」お頭は言ったが

 「お頭!女は?」山賊達が尋ねるたずねる

 「捨てろ!女はいくらでも取りぁいい!」お頭は山賊達に吠えた。

 「それぁ、そうですね。」山賊は女の子を物のように(ポイッ)捨てた。

 「キャァッ!」女の子は(ズサー)と捨てられて

 「ごめんなぁ〜、用済みだ。ガハハハ。」山賊達は笑いながら去っていく。

 「行くぞ。中央突破だ。」お頭は中央突破を見せたが

 (フシュー!)隠が行手を遮った。

 「オィ、餌はどこへ行こうとしてる?」隠の前に山賊達は身動きが出来なかった。

 すると(ブッシュッ〜)と尻尾を使って隠は簡単に首を落としていく。

 「オィ、こっちは終わった。綺麗に片付けてこいよ」隠は言ったが

 玉と太郎は不思議と眺めて「こいつ、死んでるんか?」玉は聞き

 「気が失ってるだけじゃと思うが、どうしますか?」太郎は隠に聞く。

 隠は(ドスッン、ドスッン)と大きな音でも目が覚めてない女の子を叩いて「オィ、娘。こっちを見よ!」力強くは言う。

 すると(ハッ)「ここは何処ですか?」ジタバタして隠の股の下で女の子は聞く。

 「山賊は消したぞ。次はお前の・・・」隠は股の下から持ち上げて喰おうとしたが

 「ありがとうございます!」女の子は吊るされながら笑顔で言った。

 「隠神刑部様。もしかして目が見えないとか。」太郎はボソボソと聞く。

 「何⁈オィ、お前、目が見えないのか?」隠神刑部はビックリした。

 「ハイ!多少不便はありますが心は見えるのです。隠神刑部様って言うのですね?武士の人かしら?」女の子は言う。本当に目が見えてないらしい、妖怪が見えないから。

 「オィ、お前はなんて名前を言うんじゃ?」隠神刑部は聞く。

 「食べるのじゃないのですか?」玉は驚くが隠に叩く。

 「えっ⁈どうして⁈」玉はズボッと出てきて驚く。

 「つい」隠神刑部は申し訳なさそうに言った。

 「食べる?どう言う意味ですか?」

 「間違いだ。なんて名前じゃ?」女の子はまさか妖怪に食べられようとしてるなんて口が裂けても言えない。

 「私はウメと言います。隠神刑部様?顔を見ていいですか?」ウメは笑顔で言う。

 「見えんだろ?」隠神刑部は言ったが

 「見えるのです。ここで。」ウメは胸に手を当ててニコッと笑い妖怪達は一瞬で(か、かわいぃ〜)心を射抜かれた。

 (ん?)ウメは妖怪達のことが何故かわいいのか不思議に思った。そう、視力がない代わりに思っている気持ち、地形が手に取るようにわかるのだ。

 当然、隠神刑部には黙ってるが、隠神刑部自身も一瞬キョトンとした。

 「ガハハハ!面白い、やってみろ!驚愕するぞ」隠神刑部はスーと顔を寄せてウメの手を当たるようにした。

 「ハッ!」ウメはビックリした。

 「な?」隠神刑部はニヤニヤしたが

 「大きな犬ですか」ウメはしっかりと頷く。

 「化け狸だよ!」狸達は突っ込んだ。

 「フフフ。隠神刑部様はあったかいですね。ただし、人を殺めあやめてはいけませんね。他の化け狸達も。ね」ウメは正論で説き伏せてしまった。

 「化け狸って言うこと事態ダメですね?そうだ、化けってつくからおかしいですね?狸さん」ウメは狐に頬っぺた、むしろ狸に頬っぺたをつねってもらったと言うか。

 「ガハハハ!狸さんってか⁈山賊に殺されそうになりながらか、人間を殺さないっとは!」隠神刑部は笑う。

 そしたら「隠神刑部様。一つお願いを聞いてもらえませんか?」ウメは懇願した。

 「何だ?」隠神刑部は驚く。

 「遺体を供養したいのです」ウメは答えた。

 「遺体って、お前を殺そうとした奴までもか?」隠神刑部は驚く。

 「当然です。生まれながら悪い人はいないのです。何かをキッカケに悪いことをするのです」ウメは答えた。

 隠神刑部達はポカーンとしたら

 「もういいです。一人でやります」ウメは(ムスー)と顔をしたが

 「へぇへぇ、やりますよ」隠神刑部は返事をする。

 「隠神刑部様⁈」玉は驚いているが太郎はせっせと運んだ。

 「太郎。なんで?」玉は驚いたが

 「なんでって、ウメさんは運んでほしいって。あー忙しい」太郎は狸達とわんさか運んで行う。

 供養を済み、「ありがとうございます、皆さん」ウメはお礼を言う。

 隠神刑部達は驚く。意味嫌われ者として妖怪は存在するが、人間に感謝されることはないからだ。

 「これからどうする?」隠神刑部いぬがみぎょうぶはウメに聞く。

 「ん〜、なんとかなるでしょう。それとも隠神刑部様がなんとかして来るのですか?」ウメはニヤニヤする。

 それをキョトンとして「アホか?目が見えないから生かしてやるだけだ。じゃあな」隠神刑部達は去っていた。

 「隠神刑部様。本当にウメさんを見捨て大丈夫ですか?」玉は聞く。

 「行けると言っていた。そんな世の中甘くないって知るだろ」隠神刑部は山を飛びながら走る。

 「大丈夫ですか?見に行かなくて?」太郎も言う。

 「大丈夫だろう?」隠神刑部は小走りに走って行く。

 「〜っ」隠神刑部は玉と太郎はボソボソといった。

 「隠神刑部。見に行くべきだと思うぞ」天狗の高林坊こうりんぼうは飛びながら隠神刑部にさとした。

 隠神刑部を諭せるんも高林坊だけ。

 「チッ。ちょっと物を忘れた。取ってくる。先へ行っとれ」隠神刑部は玉と太郎はニヤニヤと

 「ハイハイ」玉はニヤニヤと言い

 「ハイハイ。さっきの場所ですね?」太郎もニヤニヤと言う。

 「どうして女の子を連れて行くと言わないじゃ?」高林坊は隠神刑部を見送って、(やれやれ)と玉と太郎と高林坊はいった。

 隠神刑部は猛ダッシュで戻った。がそこにはいない。

 「どこへ行った?」隠神刑部は探した。

 すると(カァーカァー)と群れとなって烏が何かを襲う。

 「やめてください!」ウメは烏の群れの中で襲われていく。

 (ヴーーー)「お前らはそれほど早くに死にたいのか?」隠神刑部はこれほど怒ったのは久しぶりだった。

 隠神刑部を怒った姿を見て烏は距離をとる。

 「何故、人間を守る?化け狸?この世は弱肉強食だ、この人間は弱者だ!だから狙う。邪魔しないで頂こう」烏達はいつのまにか何十、何百と増えていく。

 隠神刑部はウメを覆い被さり

 「別に守ってはない。だが、人間よりも烏の方が美味そうだなっと思ってな?」隠神刑部はギロッと睨み効かせた。

 見た先は「あいつ達は」目が沢山あり

 「食っちまえ!」隠神刑部は妖怪達に命令する。

 一斉に妖怪達は烏を襲いに行き、高林坊だけ隠神刑部の下に降りて背中だけウメに見せた。

 「大丈夫か?」

 「大丈夫だ」

 「お前が丈夫なのは知ってるわぁ!ウメは大丈夫かっと聞いているのだ」高林坊は聞いてきて

 「ウメ。大丈夫か?」隠神刑部はウメに聞くと

 「大丈夫だから烏は殺さないで?」ウメは大丈夫だから烏を殺さないでと隠神刑部を掴んだ。

 「お前はアホか!今まさに烏達は殺そうとしてたんだぞ!」隠神刑部は言うと

 「アホ?」ウメは捕まえて

 「アホってなんですか!無闇に殺す方がアホです!」ウメは隠神刑部に居るのに果敢かかんで行く。

 これを高林坊はケラケラと笑う。

 「あぁあ、ウメさん可哀想に」玉は言い

 「僕達は隠神刑部様が言うから殺そうとしたのです。逆に殺そうとしなければ絶対に殺そうとしなかったです」太郎も(うん、うん)と言う。

 高林坊はゲラゲラと笑う。

 「お前ら〜」隠神刑部は歯を噛み締められながら玉と太郎はウメに隠れた。

 ウメは凛と前に出て、玉と太郎はニヤッと笑う。

 「はぁ〜。もういいわ」隠神刑部いぬがみぎょうぶは諦めるし、高林坊は笑う。

 「あの〜、どうして襲われてるのがわかったのですか?」ウメは聞く。

 「それは、、、」隠神刑部は詰まる。

 「ウメさんに渡す物があるそうなのです」玉はニヤニヤと言った。

 「えっ⁈あ、そうだ」隠神刑部は首にぶら下げてたのを外して、渡した。笛を。

 「これは狸笛って言うんだ。狸を鳴らすと十キロ鳴らせる」隠神刑部は高林坊を使って「失礼するぞ?」ウメの首に掛けた。

 「何それ。これは何ですか?」ウメは高林坊に聞くと

 「狸笛じゃ。これで隠神刑部を呼ぶ事になる」高林坊はウメに言う。

 ただ、ウメからすれば目が見えない狸を想像して

 「えっ。狸の笛ってそのままじゃない。ありがとうございます」(フフフ)ウメは笑い礼を高林坊に言う。

 「礼なら隠神刑部に言いなさい」と高林坊はウメの手を持ち隠神刑部に「ありがとうございます」とウメは隠神刑部に言った。

 「オゥ。それと、なんだ、心配だから着いてこい」隠神刑部は言った。驚きのあまり妖怪は唖然としてた。玉と太郎はニヤニヤとし。

 「ありがとうございます」ウメは玉と太郎を手に取り、隠神刑部いぬがみぎょうぶをしゃがみながら乗せた。

 「行くぞ?」隠神刑部いぬがみぎょうぶは立ち上がったら

 「熱あるの?」ウメは心配したが

 「はぁ〜⁈熱なんかねーよ!」隠神刑部いぬがみぎょうぶは焦ってたが

 「ウメさん。狸だって照れることはあるんですよ。」玉はニヤニヤした。

 「え〜、隠神刑部様が照れてるんですか?」ウメも隠神刑部の鼻に着くぐらいニヤニヤと笑う。

 「振り落とすぞ!」隠神刑部は怒ったが

 「ごめん、ごめん。いぬさん。」ウメは笑う。

 これを二匹は見逃すはずがなかった。

 「お前・・・」隠神刑部は怒ろうとしたが

 「それ、いいですね?じゃ僕は玉ちゃんで!」隠神刑部の前で玉は言い

 「僕は太郎ちゃんで!」さらに前で太郎も突っ込む。

 「オィ!お前ら!」隠神刑部は吠えるが

 「ごめん、ごめん。隠さん。」三人で笑う。

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