何かの間違い
僕は彼女がいるはずの教室へと向かっていた
断られると分かっていて呼び出すのは馬鹿らしいと思うがそうでもしないと夢を終わらせることができないのだ
だからはっきりと彼女からの言葉で夢から覚めるために呼び出した
僕は教室のドア前に立ち一度深呼吸をしてドアを開く
彼女は僕に気づいてこちらを向く
その瞬間すべてを吸い込んで飲み込んでしまいそうな黒髪を揺らし彼女はこちらを向く
現実味がなく表現しようも無い彼女の黒い目が僕を捕える
その瞬間蛇に睨まれた蛙のように僕は動けなくなってしまう
そんな様子に耐えかねたのか彼女は口を開く「君が...手紙をくれた人だよね?それで...話って何かな?」
一言一言がまるで耳元で話しかけられているかのように鮮明に耳に入ってくる
僕はなんとか口を開き
「僕と...付き合ってください」
言った。言ってしまった
僕の夢を終わらせる発言を自分で言ったのだ
沈黙が流れる
彼女は何も言わないが答えは決まりきっている
答えはーーーー「良いよ」
そう彼女は平然と答える
「え?」思わずそんな声が出る
どうやら何かの間違いか僕の夢はまだ続くようだ
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