学生探索者なんだが、スキルがチートすぎる

矢見山空御

第1話 休み欲ちぃ

 20XX年、地球上の各地で未知の建造物が発見された。

 内部を調査したところ、まるでファンタジーの世界に来たのか、今まで見たことのない生物を確認。

 事態を重く見た各国は、未知の建造物をダンジョン、生物をモンスターと定義し、さらに調査を進める。すると、モンスターを殺した際に落とした石から未知のエネルギーを確認。調査すると、現在使われている化石燃料などの代わりになることが判明。また、ダンジョン内から金属などの資源が入手出来ることが判明。、魔物が落とす石を魔石と称し、それぞれの国がダンジョン攻略に力を入れ始めた。それにより生まれた新たな職業。それが探索者だ。

 探索者は探索者協会にて情報などが管理されている。またランク制度があり、S〜Eランクで表される。ちなみにEやDがいわゆる初心者、C、Bが中堅、Aがプロとなっている。Sに関しては人外と呼ばれている。Sランクの探索者は人数がとても少なく、日本だけだと5人しかいない。

 探索者は国家試験があり、それを突破しないとなることが出来ない。

 探索者になればダンジョンに挑むことができ、ダンジョンで入手したものは全て探索者の好きにできる。また、魔石は探索者協会が買い取ってくれる。いわゆる大盤振る舞いだ。その代わりに、普段は起こらないことが起こるイレギュラーやダンジョンからモンスターが外に出てくる大氾濫スタンピードが起こった際は、解決に協力する義務がある。しかし、その義務があるのはランクがある程度高い探索者だけなので、初心者が無茶な依頼をされることはない。そのため、探索者を副業としている人が増えている。あと、学生や会社員などの、探索者を専業としていない人は義務の対象外である。


 もう一度言うが、対象外である。




—————————————————




「……依頼だぁ?」


 現在、俺こと神楽櫂かぐらかいは高校の空き教室で探索者をまとめる探索者協会の川越支部の支部長と電話をしている。


『ああ、うちのダンジョンでイレギュラーが確認されたんだ。だからその調査を君に依頼したい』

「理由はわかるが……だからと言って学校にいる間に電話してくんな。あと何回も言うが俺は学生だから依頼を受ける義務が無いんだよ」

『それはわかっているんだが、いかんせん人材が足りていなくてね。頼むから受けてくれよ櫂君』

「とりあえず学校が終わったらそっちに顔をだすから。それまで待ってろ」


 そう言って電話を切る。最近、依頼が多くて胃がキリキリする。

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