皆が異世界で活躍してしまっていた世界。でジジイが活躍する話
倉ぼっこ
プロローグ
病院の中———。
ベットに横たわっている。一人のじいさんが苦しがっている。
御年百歳になった源次は
見送っているものは、婆さんと源次の息子———長男とその妻と孫。源次の娘———長女。次女とその夫——そして孫の二人。弟の息子夫妻と孫も来ていた。
弟とは源次と居酒屋で飲んでいくくらい仲が良く。入院したときでも顔を合わしてくれていたが弟も病気のために今は別の病院で入院している。
息子のほうと孫たちが何やら叫んでいたが、源次の力では聞こえなかった。
なので最後の力を振り絞って源次はしゃべった。
「わしはもう長くない。後は頼むぞ——」
そして目で婆さんのほうを向けて言い続けた。
「ばあさんー。今までありがとうー」
そう言うとメーターが止まり始めて、医師が確認して腕時計を見た。
10月24日。午前9時48分36秒————。
佐藤源次は、この世からいなくなった。
皆が悲しみに包まれているのは少しわかる。
もう聞こえなくなった———。仕方あるまい。
地獄———。
源次は空を降っているような感覚がして目が覚めた。最初は三途の川じゃないのか。
その時、誰かの声がしてきたのだ。
「市川源次よ——。貴様に用がある」
わしより図体がでかく。小太りであごひげを生やしている大男が、怖い顔をして、顎をさすった。
「あ、あなたは!」
「ここの地獄の指揮官、
閻魔大王が顔を近づかせで威圧した。が源次はびくりともせずに睨み返して言った。
「何じゃ!」
「私が大事にしていた禁断の書を探してほしいんだ」
「禁断の書!」
源次は驚いた。すると、閻魔大王は後ろを振り返り奥にある自分の席に座った。
「そうだ!わしが大切に管理していたがどこかに行ったのだ。、たぶん何者かに盗まれたのであろう」
「うん、うん。わしは分かるぞ、たぶんその禁断の書とやらはエロ本だろう!」
源次が指を刺した。閻魔大王は口を閉じ、目を横にそらしたら、黙ってしまった。
「何じゃ、図星かー」
「そ、そんなんじゃねー。‥‥さぁ、わしのマンガコレクションが何者かに盗まれた…だ、だから百歳を超えているじーさんに力になってほしいと───」
閻魔大王があたふたしていると源次が何かを理解してしゃべった。
「なんだと!エロ本コレクションだとー。分かった。エロ本の一つ二つ取ってやるからなー」
「エ、エロ本ではないわ!マンガコレクション!……まぁ、その間に挟まっているわしが描いた18禁のエロ同人誌があるけど……」
閻魔はゴホンと言って説明した。
「では、おぬしを異世界に連れて行く」
「そうかー。異世界なら知っているぞ」
源次が腕を組んでうなづいていたのを閻魔大王が驚いた。
「ナニ!知っているのか」
「あぁ、孫が良くしゃべってていたからなー」
源次が言うには—————。孫の影響で異世界マンガにや小説にドはまりして孫が飽きていても死ぬまでに読みまくったのだ。
「だからどこに飛ばされても生きていけるぞ」
源次は、腰を立てて、ハゲた頭でポンと叩いて願いを聞いた。
「では行くがいい。異世界。あっちにあるドアがあるからそこを開ければ異世界だー」
閻魔はドアをほうを指をさして言ったのだ。
「どこ〇もドアみたいだな」
「アレよりかは便利だぞ」
閻魔がニコニコしながら話すと源次はドアノブを触ったのだ。
「そうだ!今行く異世界では金儲けとかはやめておけよ。源次のほかに他の人たちも異世界に召喚や転生して行ったからでたらめになってもやっていったからもう遅いからね」
「そうなのか‥‥ちなみに何人ぐらい」
「数えてないが、一万人は超えてると思うぞ」
源次がそうか。と考えていると何か振って切っていくことに決めたのだ。
「まぁいいや。行ってくるぞ」
「くれぐれもたれにも見せないようにな」
閻魔が手を振って見送り、源次がドアを開けた。
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