間違った恋愛心理学の使い方

さいだー

プロローグ

 夏休みも終わり、夏の暑さに陰りが見えてきたとある日。


 俺はある事に気がついてしまった。


 それは同級生、滝沢凛たきざわりんについての秘密だ。


 黙っていれば、名を表す通りに凛とした美しいその少女は、あまりに残念すぎた。


 彼女にな奇行が目立った。高校一年生になりながらも突如大声をあげたり、道行く同級生の進路を妨害してみたり、特定の女子生徒にダル絡みをしてみたりと数え上げてみればきりが無い。


 最初は見た目の美しさから、近づこうとした男子生徒も存在したが、入学から半年ほど立った今では滝沢凛に好き好んで近づく生徒は皆無と言ってよい。


 俺も例に倣ってそうなのだけれど、隣の席だからたまたま目に入ってしまった。

 もっと言えば、幼馴染がうちにを置いていかなければ、気がつく事もなかったのだろうけど。


 まあ、今となってはこれで良かったと思っている。


 不器用なボッチ少女を俺の時間を使うだけで救えるかもしれないなんて安いもんだろ?

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