ラムネちゃんと花火くんの恋愛事情

月桜 兎

第1話


 私の朝の登校は、いつも幼なじみと一緒に出かける。なぜなら、私の両親と幼なじみの両親で、お互いの事を見たいらしく、今日は彼が私の家の前までやってくる。



「涼夏、焔くん来たわよ〜」


「はーい」



 そんなこんなで彼が来たらしい。私は、髪を結っていて、ちょうど最後の仕上げに入るところだった。私の瞳と同じ色の水色の大きなバレッタを留める。そして、荷物を持って玄関に移動した。


 大きめのショルダーバッグを肩にかけて2階の自分の部屋から、1階に降りた。廊下をまっすぐ進めば、玄関なので、階段を降りている途中から、お母さんと幼なじみ……花塚焔の話し声が聞こえる。



「涼夏、焔くんに迷惑かけないようにね。焔くん、涼夏をよろしくお願い」


「もう、お母さんの中で、私は一体何歳なのよ!もう私も高校生でしょ?そろそろ子離れしてほしいよ」


「涼夏、おばさんにとっては、大事な娘だからじゃないのか?あまりツンツンしてやらない方がいいんじゃないか?」


「それもそうだけど!いつまでも子供扱いされたくない!」



 私の幼なじみの焔は花火みたいに燃えているような赤い瞳を持つ。私はラムネみたいな透き通った水色の瞳を持っているが、2人とも日本人の両親から生まれた。


 私達の周りにはそこまで目の色が変わる人はいなかったが、今も昔も、私達の瞳をからかう人はいない。そのためか、私達はひねくれて育つことはなかった。


 1つ、問題があるとするならば、最近焔の事を幼なじみとして見る事が出来ないくらい。最近の私は、焔の事を恋愛対象として見ている。でも、焔にとっては、私は幼なじみなんだろうとは思っている。



「そういえば、涼夏、今日髪型違うね?なんて言う髪型なん、それ?」


「ああ、これ?ハーフアップだよ。髪を半分上下に分けて、上の髪をくくるの。新しく買ってもらったバレッタでまとめてみたけど、どうかな?」


「すごく似合ってる。買ってもらったって、おばさんに?母さんに?」


「おば様に買ってもらったかな。可愛いって言われて断りきれなくて」


「母さんが言っていたからね。『涼夏ちゃんに合う髪留め買ってあげたの』って言ってたから、そうかなって」


「なるほどね」


「それに、僕いつものポニーテールも好きだけど、ハーフアップの方が好きだな」


「え?なんで?」


「それはね……」



 焔と何気ない会話をしていると、焔は急に私の結んでいない髪の毛を手に取った。



「えっと?」


「涼夏のサラサラの髪を、こうやって触れるから」


「……えっと……ありがとう」



 私は、その時下を向いていたから分からなかったが、焔はこの時顔が真っ赤になっていた。私は、焔も私の事が好きなのかな?と思いながら、学校に着いた。

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