6月のある日、1つの種を見つけた。


豆粒ほどの小さな種だが、青や赤、緑の色が入り乱れる綺麗な種だ。

だが、調べても何の情報も出てこず、男は手探りで育てることにした。

土に植えて水をやり、日当たりの良い場所に置いた。


だが1ヶ月経っても芽が出ない。


7月になり、炎天下の下で男は土に肥料を混ぜていた。

温暖化のせいか、年を追うごとに夏は厳しい暑さが続く。

土には汗が数的落ちていた。


芽が出た。


男は肥料を混ぜることで芽が出たと考え、それから毎日汗をかきながら肥料を混ぜた。

芽に汗が落ちる度に大きくなり、花を咲かせて実をつけた。

冬になると綿毛をつけ、種は風に乗って世界中に広がっていった。




美しい花は人間の天敵となった。

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