隕石

隕石が見つかった。


空から降るわけでもなく、突然街中に現れた。

大きさは直径約50cm。

分析をしようにも重すぎて動かず、硬すぎて地球の技術では欠片すら得られない。


ニュースでも大きく取りあげられ、宇宙人の侵略、地球から生えた、誰かの忘れ物などさまざまな憶測がなされたが、どれひとつとして正解はなかった。


やがて、みんなはこれが隕石だということも忘れられ、待ち合わせ場所となっていた。

もたれかかっている学生までいる。


ピキ。


そのとき、隕石にヒビが入った。

中から光を漏らしながら、ヒビは大きくなっていく。


近くにいる人はカメラを向けながら、息を呑んで見ている。


やがてヒビはつながり、中から新たな隕石が出てきた。


人々はガッカリし、何事も無かったかのように歩き出した。


隕石は少し、大きくなっていた。

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