子供の価値

「これからあなたに使うお金は4000万円よ」


子供の運動能力や知能などを数値化し、査定を行う、こども査定センター。

その帰り道に、母はそう言った。


私には4000万円の価値があるのだ。


しかし20歳になった私は査定結果を見て驚いた。

査定額は1億円だったのだ。

思わず母に尋ねる。


「なんで4000万円って言ったの?!」

母は答えた。

「残りの6000万円は努力で掴んで欲しかった」


そんなことを思い出しながら、こども査定センターの帰り道、息子に言った。

「これからあなたに使うお金は8000万円よ」


2000万円の査定結果を握りしめて。

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