道の駅ストーリー

舞天

世紀の大発明

明日はついに発表の日。

私はこの星の資源が枯渇し、あと20年で人間は住めなくなることを突き止めた。

明日は学会でその事実を発表しなければならない。

今や70億人を越える人類の未来を示す、重要な発表だ。

正直、緊張で寝付けそうにない。


そんなときは決まって、アレを使う。

いつものようにシャワーを浴びながら、持ち手にあるボタンを押す。

不安や嫌な記憶を体の汚れとともに洗い流してくれる優れものだ。

正直、今世紀最大の発明と言っても過言ではない。

何よりも洗い流す時の快感が心地よい。

上司に理不尽に怒られた、今日も残業を押し付けられた

様々な記憶を洗い流しながら、思い出しては洗い流していく。

電車で隣に座った女性に少し距離を置かれた記憶

意外に傷つく。

そうしてスッキリして体を拭きながらふと考える。


あれ明日なに発表するんだっけ。

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