執筆練習のための日記

朝日 めぐ

8月30日

 小説を書こうと思ってパソコンを買ってみたはいいものの、タイピングが下手すぎてスマホ執筆しています。真面目に言って馬鹿だと思います。そのうちに絵を描くのが楽しくなって、気がついたら二年ほど執筆から離れていました。

 小説を書こうと思ったのは小学生のとき、ノートが一冊余ったからでした。小さい頃から寝付きが悪く、読んでいた絵本や小説、夢の続きを寝る前に妄想するのが習慣になっていました。そのうちに主人公を自分にして遊び、世界を作り上げて妄想して遊んでいました。

 小学生とはいえ、十二年も生きていると無駄に知識も知恵もついてしまうもので、その頃にはもう小説というにはお粗末な物語の素みたいなものが頭にたくさんありました。それの保存用として、寝る前に余ったノートに書いていました。

 小説を初めて書いた感想は、あやふやですが多分、思ったのと違う、だったと思います。原型がない。あんなに楽しかったのに、読んでみると全く何が書かれているかわからない。

 今の私なら途方に暮れて投げ出してしまうものですが、当時は娯楽が少なく、また小説家になんてなれないと思っていたので、ノートに文章を付けたして、それでもまだ足りなくて。その繰り返しをしているうちに、一年、二年、五年、八年が経ちました。

 思い返してみると、負けず嫌いなのか、ただ楽しかったのかわかりません。でも、当時何もないことに悩んでいた私でしたが、今では表現という何物にも変えられないものを手に入れました。美談のように聞こえますが、こんなものがあったとしても、認めてくれる人がいなければ何も良いことはないです。だから、小説家になりたいなんて思うのはやめた方がいいです。

 高校生になったときにスマホを買ってもらい、それ以来、スマホで執筆しています。二年ほど執筆なんてしてなかったですが。

 私は日本語が好きです。まったりとした発音も、情緒的な表現も、漢字と平仮名とカタカナがあることも。日本という国に生まれて、日本人として育ったからかもしれないですが、私は日本語の小説に触れることができて良かったと思っています。

 長らく小説を読んできたからか、私は文体を捉えて読むのが好きです。例えば、住野よる先生の文体はたんぽぽの綿毛のようで、春の暖かい日に川の土手で四葉のクローバーを探したことを思い出します。これは読んだ本の話ではなく、あくまで住野よる先生の文章から連想される風景です。

 この話を読書家の友達に話しても、みんなよくわからないと言いました。それよりも、図書室のあの本面白かったとか、最近売れてる本とても良かったよ、今度映画化するんだってとか言われて、この話は誰にも理解されないんだと中学のときに思いました。

 その時には小説もある程度書けるようにはなっていて、自分の文章を読んでもそうゆうポエムのような感想が返ってこないのかと思ったら、誰にも読んでもらう気が失せました。

 それから、高校生のとき、ここに一つの短編小説を載せたきり、人には読ませていません。人に見せるのが怖かったものあります。ですがそれよりも、私の表現をちゃんと認めてほしいという思いが強すぎて拗らせていました。

 今読み返すのは恥ずかしいので、大層なことを高校生のときに考えていたんだなぁ、くらいにしか思っていません。今はそうですね、伝わればいいや、くらいにしか考えていないです。そう思って書いていたら、何か足りない、何か楽しくないと思いました。それでですね、高校生のときに書いた小説を読んでみたら、そのときの文章が綺麗すぎて過去の自分に戻りたくなって、今ここに至るという訳です。

 長い回想でした。WASD移動のゲームには少しずつ慣れていますが、パソコンのタイピングは未だに慣れません。

 パソコンの電源を毎日つける、を目標にして一週間達成しても、ゲームしかしてないので何もタイピングが上手くなりません。多分、寿司打を毎日やる目標に切り替える時だろうと思っています。

 何事も少しずつ、八年も小説を孤独に書いてきた自分ならできるだろうと、根拠のない自信を持っています。

 次に日記を書くときは、パソコンから投稿したいですね。

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