熱血創作者になろう!
臆病虚弱
始め
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はじめに書かねばならないことがある。
私、臆病虚弱は5月以降この8月末に到るまで毎日更新していた小説を書くことを止めていた。また、他にも『連載中』となっている作品はいくつかあり、カクヨムだけでもその様子が簡単に確認できる。これは私の一身上の都合が原因であるが、どんな原因にしろ作品が完結を迎える前、途中で作品の更新が止まるということは読者の皆さまにとっては歯がゆく、残念なことであることには変わりない。
そのような状況に対してなんの説明もなくただ漫然と更新を再開することは私が許せない。他の創作者の方々はそうした対応をとっても仕方ないことはわかるが、こと私に関してはそうした対応を取るのは良くない。だからこそこの文をしたためている。
だが、この文の目的にはもう一つ、もっと個人的で情けない理由がある。
それは燃え尽きた情熱を再び点火すると言うものだ。
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私の小説への情熱は、多忙の中でも燃え続けていた。6月、7月の忙しく精神の不調が身体に影響を与える中でも新しい作品のアイディアをメモすることや現在連載中の作品に関する作業を合間に続けていた。
『今あるものを正しく終わらせ、次作るものを構想する』
その作業には確かな情熱があり、意味があった。
『長い休みに入れば、きっと逆転できる』
根拠の無い希望的観測を胸に僅かな作業を積み重ねていた。
そして休みに入った。
何も無くなった。
休暇でやる事は外を歩くこと、家族と居ること。もちろんそれは良いことだ。一人で家に居れば私はきっと何人かに分裂して喧嘩し始めていた。
でも、それまで忙しさを誤魔化すためにしていたゲームも読書も何も手につかない。どれだけ続けても心のどこかで興味を失っている。
何も要らない。特に何も欲しくない。何もしたくはない。
明日も明後日も何も無い。
『そう思うことで忙しさを思い出すことや忙しさに呑まれることから逃げている』
私は自分で思っている以上に疲れていた。
自分の芯を貫く情熱さえも失ってしまうほどに。
『書きたい』
空っぽになった私の中でただただエンジンだけが空転するように、その想いが心の底に沈んでいた。
理由も、熱も、意味も、その言葉にはなく、ただただ言葉だけが頭に上っていた。
『そんな言葉に踊らされても何も書けはしない』
そんな諦めの思いがその言葉の感想として私の脳髄にあった。
私は知っている、この諦めは爆破しなくてはならない。情熱と言う大爆発で吹き飛ばし、しばらく顔を見せなくさせねばならないと。
――だからこそ、今私はこの文を書いている。いまの私には情熱が無い。諦めへと流れる惰弱を吹き飛ばす様な情熱が。
なぜこの文でそれを得ることができるのか、読まれている方は疑問に思うかもしれない。たしかに論理的には『書くために必要な情熱が文を書くことで得られる』と言う構造は明らかに間違っている。循環参照で一生情熱は見つからず、書くことも永久にない。だが私は今書いている。
そう、正にそれが大事なのだ。ゴチャゴチャと論理を検証し循環参照で諦めのスパイラルに陥っていても、『だが、書いている』と吹き飛ばす。これが情熱による跳躍。つまりは、情熱の持つ力だ。
では今もう私は完全に情熱を回復しているのか?
否。
まだまだ足りない。
私の情熱はまだまだこんなものではない。
だからこれから、私は私の情熱を語り尽くし、私の冷めかけた血を沸き立たせ、熱血を得る。
読者の皆様にはその過程をここにご覧に入れよう。そしてこの情熱に浮かされて、ぜひ皆様もご一緒にアツくなろう。
(続く)
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