天使し天使し
yas
天使し天使し
晴れた青空、豊かな自然。都会から離れ田舎の方に来ていた。
僕は都会のサラリーマン。毎日あくせくと仕事をしている。妻も子供もいないのでただひたすら仕事一筋だ。そんな中ようやくの休暇が取れた。喜んで都会の喧騒を離れ静かな田舎の方へバカンスに行った。
安らぎに泊まりの宿から海まで行こうと歩いていると、突然赤い天使が見えた。僕は、空に燃える熾天使(セラフィム)を見た。大空へと登っていく。
田舎なので自然豊かな道の中海への道を遮るものがなかった。そんな中で空にセラフィム。
「あれは確か、熾天使とかいう存在だった気がする。どうして僕に見えるんだろう」
あまり気にしないで散歩していると、今度は熾天使が増え始めて円を囲んで綺麗に並んだ。そうするとその中から神様のようなものが現れた。僕は現れる神様を見て呆然とした。
「わたしの姿を見たな。こっちへ来なさい」
現れた神様はそう言うと、僕は体ごと突如現れた謎の空間に吸い込まれた。
プワワワワワワワワ………。
気がつくと白い光に包まれ、神殿の立ち並ぶ異次元のような空間に移動していた。そして古代ギリシャのような服を着て、沢山の羽の生えた人間があちらこちら飛び回っている。
「ここは?」
「ここは天界。人間、少しばかり働いていきなさい」
そうすると、何故か神様から殴られる。そして僕の背中から突然羽が生え始めた。ニョキニョキと生え、痛みは無かった。
「君は天使になった。さあ、周りのものと同じく働きなさい。」
働くといっても…。
僕が悩んでいると周りにいる羽の生えた人間達が仕事のやり方を教えてくれた。僕の手を取って天界のあちこちへと連れていってくれた。僕と同じ天使のようだ。
「貴方は熾天使様を見たから特別扱いされています」
「今貴方は天使ですが、このまま熾天使になるまで天界にいたらどうですか?」
なに?熾天使になるまで?それは困る。僕にだって仕事がある。
「元の世界に帰ります」
僕がそう言うと天使は悲しそうな顔をした。
「そうですか」
「それでは私たちで元の世界に帰しましょう」
天使は沢山集まってきて力を合わせると異次元の扉を出現させ、僕を元の世界へと送った。
プワワワワワワワワ………。
僕は気がつくと泊まりの宿から海へと行く道の途中寝ていた。しかし、まだ羽が生えたままだ。そして相変わらず空の上には熾天使が飛んでいた。
天使熾天使視。
天使し天使し yas @yas0223
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