きみのいちばんかわいい香り
@nagi09
第1話 花束
「きゃあぁ〜〜!♡レイ様〜!!」
黄色い歓声がどこからともなく湧き出てくる。
「レイ様〜!!♡」
「あれがレイ様??なんて美しい方…」
顔なんて、よく見えないでしょ…
黄昏れ時、少し寄り道をして城に戻るつもりが、城までの長い花道を作られてしまったから、仕方なく私は歩き始めた。
この国は同性婚が当たり前だ。異性を求めるものは、自然と国の外へ出ていく。
大昔、同性愛者だった一人の女性が、自身が安心して住める国を探そうと巡り歩いたが、そのような国は存在しなかった。
そして彼女は女性しかいないこの国を作り上げた。
この国で育つ全ての人は、他国から来た移民か、孤児だった。
黄昏の歓声を背中に浴びながら、私はこの国から出ることを決意した。
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