モンスターとの田舎生活はどうですか?

角煮 食う

友達と出会いそして暮らし

 俺はニル・カーター。モンスターを飼育して販売したり、ペットの育成を生業にしている田舎者だ。


「ドラゴーン朝の餌だぞ。スネークもほら。最後はグリフォーンお前だぞ。」


 俺は今ドラゴン、アナコンダ、グリフォンの飼育をしている。アナコンダは基本的に大人しいんだがドラゴンとグリフォンがかなり世話の焼けるやつでしょっちゅう飼育小屋を壊す。でもその分報酬は田舎者にしては凄まじく俺の住んでる村の人たちにも手伝ってもらいその分を報酬として払っている。


「村長おはようございます。」


「おはようニル君。3匹の調子はどうかな?」


「とてもいい感じですよこのままいけば何の問題もなく飼い主の方にお返しできますよ。」


 今回の3匹は大富豪のペットで別の大陸に旅行に行くからその間預かっていて欲しいとの事だ。


「今日は何をすればいいのかな?」


「朝の餌やりも終わったんで飼育小屋の掃除をお願いします。睡眠魔法は俺がやりますんで。」


 モンスター飼育はとても危険でベテランの冒険者や魔法使い以外はやれないそれ以外でやってるやつは相当腕の立つやつかバカなやつだ。


 俺は冒険者や魔法使いではないが魔法を独学で学んで睡眠魔法と調教魔法そして火と水魔法をほんの少しだけできるのだ。


「いつも手伝ってもらってるのに報酬をくれてありがとうね。」


「いえいえお互い助け合いの精神でいきましょうよ。」


「それでは睡眠魔法をかけるので20分程経ったら終わっていなくても出てきてくださいね。」


「睡眠魔法には慣れたりという事はないのか?慣れて睡眠時間が短くなったりというのは。」


 考えた事もなかったが今までそんなことはなかったからわからないとしか言えない。


「その辺りは俺もわからないんで少しでもモンスターが動いたりしたら出てきてください。」


「わかった。」


 村長は覚悟が決まった目をしていた。


「ふぅ。なんとか大丈夫じゃったな。」


 村長は少し急ぎ目に掃除を終わらせていた。


「今報酬を待ってきますんで家で待っていてください。」


 俺は報酬を取りに行った。


「今回の報酬です。一応今日の事は村の掲示板でも告知しておいてくださいもしかしたらって事もありますんで。」


「わかった。」


 一言だけいい村長は帰って行った。


「ドドドドド…」


 馬が走っている音がする。


「ニル殿!ドラゴン、アナコンダ、グリフォンの返却に参った。」


 契約満期よりもはやく返却の者が訪れた。


「え?!今日ですか?まだ調教魔法解けてないので俺の言う事しか聞きませんよ。」


「領主様の命令だはやく返してもらおうか!」


 もう少し話のわかる者をよこして欲しいもんだ。


「調教魔法はそういうものなんで俺にも解けないんですよ。」


「わかった今日の事を領主様に説明する。調教魔法が解けるのはいつだ?」


「4日後です。具体的には3日後に迎えに来てもらって俺が命令して領主様の所に帰るように伝え翌日に調教魔法が解けるという寸法です。」


「わかったそれも領主様に伝えておく。」


 今日のところはなんとか帰ってもらえたが明日にも来そうなのがこわいところだ。


 ドラゴンたちに夜の餌を与え俺は寝ることにした。


「ニルさん!ニルさん!」


 外から声が聞こえ俺は目が覚めた。


「静かにしろ!ドラゴンたちの機嫌が悪くなる。」


 俺は少しキツめに言った。


「違うの!ドラゴンが傷を負ってるの!」


 俺はすぐにドラゴンのもとに行った。


「大丈夫かドラゴーン?」


 村に回復魔法を使える者はいない。ドラゴン用の傷薬もないドラゴンに傷を負わせれる者は大陸にも数えるほどしかいないからだ。


「傷は深くないが数が多い。」


「キイナとりあえず村から人間用のでいいから傷薬と消毒液を持ってきてくれ。」


 村長の娘のキイナにお使いを頼んでいる間に他のモンスターの容態も調べた。


「スネーク、グリフォーンお前らは大丈夫だな良かった。」


 外傷は無いが何かに怯えている様だった。


「大丈夫俺がついてる。」


 2匹を落ち着かせようとしたが全くダメだった。


「ニルさん持ってきたよ!」


 キイナは飼育小屋の外から声をかけてきてこんな時でもモンスターに近づかないように徹底していて関心した。


「ありがとう。キイナは家に隠れていてくれ。」


「ニルさんも気をつけてね」


 俺はその言葉に答えるようにドラゴンの処置に当たった。


「大丈夫だ。お前は強いからこんな傷じゃ負けない。ゆっくり呼吸をしろ落ち着くんだ。」


 俺は絶えず言葉をかけ続け処置を終えた。その頃にはスネークとグリフォーンの2匹も落ち着いたようだった。


「ところで誰がこんな事をしたんだ?」


 俺は今回の一件を領主に手紙を出した。


 翌日に領主が来た。


「私のベイビーたちは大丈夫なんだよな?」


 いつもは冷静な領主が慌てていたから俺は今の状況を事細かく説明したら領主も落ち着いた。


「今回の犯人に目星はついているのか?」


「一切ありません。そもそもドラゴンに傷をつけられる者がどれだけいるのかもわからないのにアナコンダもグリフォンも怯えていたんです。」


「メンタルケアでもう少し其方にこの子らを預けてもいいか?ドラゴンを傷つけた者がもう一度来るかもしれんから監視も兼ねてでどうかな?」


 俺は少し考えて返事をした。


「わかりました。ですが俺にも害が出るかも知れないので報酬は上乗せしてもらいますが良いですか?」


「わかった。それではドラゴンたちの容態が良くなったら迎えに来るから手紙をくれ。私は其方を信用しておるからな。」


 領主はその一言だけを言い残しドラゴンたちを少し見て帰った。


 これから先どんな苦労、困難が待っているかわからないがこれから先の未来には必ずモンスターとの生活があるのだからきっと乗り越えて行ける。






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