第62話 新しい魔道具を作りましょう

レイジがシグルートの街に戻った4日目。


レイジは頭を抱え込んでいた。


原因は、大量に採掘されたアダマンタイトとオリハルコンのインゴット。


ルナとエリスが製作場ファクトリーで錬成し直したアダマンタイトとオリハルコン。


アダマンタイト。約5トン超え。


オリハルコン。約3トン弱。


その他、数々の鉱石類と宝石類の原石。


もう、国家予算の10年分に匹敵する。


マジで、国にバレたら、国家反逆罪にされそうだ。


と言うか。これを使って錬金して武器防具を作ったら、国家転覆も可能になってしまう。


ちなみにルナ達も、トン単位でアダマンタイトとオリハルコンをくすねて居る。


流石に量が多すぎて、「要らない。」と言って、レイジに丸投げしたのだ。


「はあ……。」


溜め息しか出ないレイジ。


「資金が潤沢に在ると思って諦めるしかないか……。」



クラウス公爵には、トンネルが開通した事を知らせてあるので。


国王陛下の耳に入るのは確定だ。


その際に、トンネルを開通したルナとエリスの事も書いて、報酬として採掘した鉱石類を渡したとも伝えている。(種類と量は書いていない。)


トンネルの拡張工事は、国を挙げての計画として丸投げにしたい事。


自分たちは、自領の方面からの街道の整備と、トンネルを抜けた先での宿場町の設立を立てている事。


とにかく、思いつく限りの手は打っておいた。


自分の胃の平穏のために。



* * * *



その頃。ルナは、コランダム鉱石の錬成に精を出し。


エリスは、新魔道具の制作を行っていた。


どうも、上級錬金術は、基本素材の制作は一緒だが。


錬金可能な魔道具に関しては、別な物が多いみたいだ。


未だ、スキルボードもスキルブックも、未開放が多い為に謎が多いが。


くすねて来たアダマンタイトとオリハルコンは、床下の収納場所に保管。


床下の収納場所は、ドワーフ達に頼んで掘って貰った。


流石に、トン単位で床上に置いておくと床が抜けてしまうので。


エリスがスキルブックを開いて確認する。


(あ、これなら作れそう。)


新しい魔道具の制作方法が書かれていた。


【遠視鏡】

効果:対になる鏡を通して、離れた距離の相手の顔を見ながら話が出来る。


必要素材

 ミスリルインゴット

 上級研磨剤

 上級中和剤黄

 トパーズ

 清浄な水

 水晶

 魔力

 

「ルナ~!」


「うん?」


「新しい魔道具作りたいんだけど。」


「新しいスキルが生えたんだ!?」


「うん。で、ちょっと出かけて、アンネさん達を呼んできていいかな?」


「良いよぉ~。いってら~。」


「いってきま~す。」


と軽いノリで、剣美の血盟クランハウスに向かうエリス。

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