第33話 ゼゼムル

 私は聖女ナターシャ。セシル様の配下です。国境の町、ゼゼムルに到着しました。ゼゼムルは城壁が高く、なかなか越えられるものではないと思いました。怪我人が多いですね。私たちが来るまで頑張っていたのでしょう。ここは回復魔法をつかいます!


「エリアハイヒール!」


 緑の光が私を中心にしてゼゼムルを包み込む。怪我を癒していく。


「おおっ!怪我が治った!」

「俺の怪我もだ!」

「腰の持病が治った!」

「聖女様だ!」

「おお!聖女様!」


 私に気づいたのか、聖女コールが始まりました。兵力は20000といったところでしょうか。


「俺が総大将を受けたアモンだ!よろしく頼む!」

「アモンだぁ?聞いたことないな。総大将はピエール様ことこの俺だ!」


 何やら面倒なことになっている様子。


「どっちが強いか決めるか?」

「おう!望むところよ!」


 アモンとピエールは対峙する。ピエールが先手のようです。


「行くぞ!でええい!」


 ピエールはハルバードを振り回す。戦場では役立つでしょう。だが。


「遅いな。今度はこちらから行くぞ!」


 アモンは目にも止まらぬ速さで槍を突いていく。首の前にピタリと槍を止めました。


「ま、参った。俺の負けだ…」

「これで俺が総大将だ。ピエール、期待してるぞ」


 アモンが勝ちました。アベル程では無いにしてもアモンもなかなかのものです。

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