第9話 地上げ屋

 次の日、僕は早速ガチャを使うことにした。


「ガチャ発動!」

【デイリーボーナス!ユグドラシルの杖を召喚!】


 強そうな杖だ。メロディ用だな。朝飯だ。スープに肉が入るようなった。ありがたい。アベルのおかげだ。


「セシル様、ただいま戻りました。昨日は金貨12枚稼いできましたよ!」

「ありがとう、アベル。メアリーさんに半分渡して」

「メアリーさん、金貨6枚です。受け取ってください」

「まあ、アベルさん。こんなにありがとうございます。これで子供たちに美味しいものを食べさせてあげられます」


 ちょうどそのとき、玄関から大きな音が聞こえてきた。


「おうおう!まだいるのかい!」

「さっさと立ち退きな!」


 メアリーがアベルの方を見て言った。


「地上げ屋よ…最近よく来るの」

「メアリーさんよ、さっさと領主様の側室になっちまえよ」

「そうだぜ、こんな薄汚れた場所なんておさらばしちまえ!」

「私には子供たちがいるの!そんなところには行けないわ!」

「そうか、こんな場所は壊しちまえばいいな!」

「そうだ!住めなくしてしまえば出ていくだろう!」


 地上げ屋がハンマーで孤児院を壊そうとすると。


「やめろ、俺が相手になってやる」

「なんだぁ?てめぇ!ここのもんじゃないな!」

「こいつからやってしまいましょう!」


 アベルが前に出た。アベルってどれぐらい強いんだろう。


「せいっ!」


 アベルがパンチを繰り出す。地上げ屋Aは孤児院の外に吹っ飛ぶ。


「がはっ!」

「やったな!この野郎!」


 地上げ屋Bがアベルにハンマーで殴りかかる。アベルはガードしてパンチで殴る。


「ぐえっ!」


 地上げ屋Bは孤児院の外に吹っ飛んだ。


「今日はこれぐらいにしておいてやる。次また来たら容赦しない」

「ひいっ!」

「ひぃぃ!」


 地上げ屋は逃げていった。


「アベルさん、ありがとう!でも奴らが諦めるとは思えないわ!」

「しばらくは俺も孤児院にいた方がいいな」


 アベルの孤児院への滞在が決まった。

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