剣と魔法の世界に転生いえいえここは仮面の世界です!!

蒼野創月

第1話 神様と転生

「おぎゃぁーーーーーーーー」


「はぁはぁ、貴方、生まれたわ…!」


「本当か!!」


人の声がする、一人は女の人で一人は男の人の声だ。何かを喜んでいるように聞き取れる。眩しい。



「本当に転生したんだ…?」



あの神様の言っていたことは本当だったのか!!!…………………………







僕には夢がある。皆も一度は思ったことがあるはずだ。それは異世界に転生すること。そして剣や魔法で無双して、ハーレムを築き、勝ち組の人生を送ること。異世界小説を読むたびに思うのだ。いいなぁ〜と。特に剣と魔法、これ重要。厨二病を患ってたとき、剣の技や魔法の名前をよく考えたものだなぁ。親にバレて恥ずかしくなり黒歴史となったんだが。それでもかっこよくて非日常的で、憧れていた自分がいた。ちなみに今も剣と魔法に憧れ、使えたらどんなに面白いかと渇望しているのはここだけの秘密だ…。


そんなことを考えてる僕の名は佐藤友哉。今年、24歳の立派?な社会人だ。仕事して寝るを繰り返してる社畜っぽいことして人生楽しめてない側の存在。自分で言ったのに…あぁ、涙出てきた…


そんな中今日も仕事は夜11時まであった。上司のせいでもない。上司も青い顔しながら必死こいて働いている。一番の原因は他の会社の嫌がらせと社長が変わってスパルタになってしまったからだ。もう、ご飯の時間過ぎてるし…、しかも定時は6時なのに残業代もろくにでない。時代遅れのブラック企業なわけだよー



出会いなんてもってのほかで恋人無し=年齢っていう感じ。えっ、童貞は?だって?こんな生活を送り続け、恋人無しって言ってるのに無くなっているわけないじゃないか?喧嘩売ってるよね!買うよー。マジデ。はぁ~、虚しくなってきちゃったじゃないか。


今日もそんな感じでカクヨムの異世界物を読みながらビールを飲んでつまみを食べ寝るといういつものサイクルをする予定だったんだ…


ごく普通に帰っていたはずだった。


こんなことになるなんて夢にも思わなかった自分が確かにいたのだ。


自分が住むマンションの前にある横断歩道、信号は明らかに青に光っていた。点滅もしていない。事故などが多発にしているらしくて怖いんだよ〜とそういえば、ご近所さんが話題にしてたっけ?その話をしてたことを急に思い出した…嫌な予感がしたその時だった。


キキーッ      ガシャーン ドンッ


「ゔぁっ」

痛い…焼けるように体が痛い。重い瞼を開けるとそこには、赤くよごれた車が止まっていた。その車の汚れは自分の血だと察した。シャツも真っ赤だ。運転手は呆然として動く気配が感じられない。周りに人は運悪くいない。当たり前だ、もう深夜なのだから。あぁ、ここで死ぬんだとわかってしまった…もう自分は助からない。血を流しすぎた…体が思うように動かせない。死を突きつけられた感覚。悔いはない。嘘です。まだ自分の見ていた小説の終わりを見届けられていないんです!死にたくない死にたくないと思いつつ僕は瞼を閉じた。



「ふむ、このものにしようかのぉ~

きっと面白いことになる気がするのじゃ。」



あれ?ここは?どこなんだ、僕は死んだはずじゃなかったのか?あのとき、確かに引かれて死んだなと分かったのに…


「気づいたかのぉ~」


優しそうなおじいちゃんって感じの声がする。幻聴か?ここは天国か…


「違うわい」


やっぱり、おじいちゃんの声がする。


「ワシは異世界で主神やっとおるものじゃ。名をレボルという、よろしくなのじゃ!」


神様…本当に?このおじいちゃんが……。


ムッ疑っておるのか?


心の声が分かるのか!!マジで!?テンプレや!


そうじゃぞ、ワシは本当に異世界の神なのじゃ。えっへん。


「神様、もしかして私もあの剣と魔法がある異世界に行けるんですか!?」


「うむ…まぁ、それでだいたい合っておる…」


「やったぁ〜」

嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい


言葉じゃ言い表せられないぐらい嬉しい!

あの異世界もうすぐそこに!!夢じゃないんだよな。頬を引っ張って見れば…って死んでたわ自分。


「そういえば、どういう世界にどんな感じでいくのでしょうか神様。」

危ねえ聞いてなかった。あの小説達の主人公みたいに時間切れです転移、転生は勘弁して欲しい。命が何個あっても足りなくなるかもしれないじゃないか。異世界において情報は命に等しい。


「あ〜そうじゃったの、伝えるのを忘れてたおったわ。今回は転生の方じゃ。貴族の生まれにしておく。」


「異世界の情報は?」


「行ってからのお楽しみじゃ。安心せい。特典もつけておいたからの。」


「他は?」


「健闘を祈るのじゃ!いってらっしゃい、さらばじゃ。では、ポッチとな!!」


待ってくれぇぇー神様ァァァ


ブッツン

そこで僕の意識は途切れた…

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