愛の方程式

文実に賭ける

第1話ここに私がいる理由

 日が暮れ始めてきた。私の横に沢山の女性達がいる。男がその前を通る度に視線が飛ぶ。何人かに一回男が女性に声をかける。声をかけられた女性は男に肩を持たれ出かけて行く。行き先は決まっている。ここにいる女性は居場所がない居場所を求めた時、最後に行き着くのがここなのだ。DVや虐待様々な事情で家を出た少女も多い。私もその一人だ。毎晩毎晩母の彼氏に行為を求められる、それが嫌で家を出た。家を出た私は金を稼げなかった。そこで行き着いたのがこの仕事だ。毎日違う男に抱かれ時には危険な人もいる。だけどこの仕事に私は何も抵抗を覚えなかった。慣れは怖いものだ。18からこの仕事をして2年が経ったある日いつものように立っていると一人の男が声をかけてきた。いつも通りにホテルに行きいつものように仕事をこなすはずだった。行為をしていつものように帰る支度をしていた頃男が「あ」と言った。男の手の上にあるゴムを見ると中身が入っていなかった。瞬時に私は状況を理解した。男は土下座をして謝った。私は感情の収集がつかなくなって涙を流した。男はすかさず駆け寄ってきて肩を摩ってきた。男は「病院に行こう」と言ったが私にはお金も保険証もない。私は病院に行くことを拒否した。私は走ってホテルを飛び出した。そこから2週間が経ち来るはずのものが来なかった。私は察しが付いたが病院に行くことができなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

愛の方程式 文実に賭ける @sineitai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る