第34話 恋模様

 宇宙船開発という壮大なプロジェクトの裏で、僕とヒロインたちの関係は次第に深まっていった。


 表向きは研究者としての真剣な取り組みや、アラタ王国を守るという使命感で進んでいたけれど、その一方で僕自身も彼女たちに対する感情を抑えきれずにいた。


 その始まりを迎えたのはリンとの関係だった。


 リンは常に僕の側にいて研究の手伝いをしてくれる。彼女は僕と長い時間を共に過ごし、研究を支え続けてくれた。

 彼女の知識と情熱に触れながら、いつの間にか僕たちの距離は縮まっていた。


 僕自身、体の成長と共に気持ちの成長も感じるようになり、近くにいる異性へ気持ちを保つようになる。


「カイ様、研究が終わったら…少しだけ、休憩しませんか?」


 リンがそう言って、僕に近づいた時、僕は彼女の瞳に秘められた感情に気づいた。


 彼女はただの研究パートナーではなく、僕に対して深い愛情を抱いていることが分かった。それは何年も前から感じていたが、僕の体はやっと彼女を受け入れられる年齢になったんだ。


 その夜、僕たちは研究室を離れ、静かな時間を共有した。


 リンは初めてその思いを口にし、僕もまた彼女に応えた。研究者として共に過ごしてきた時間が、僕たちを恋人としても結びつけていた。



 だが、男として、そして、貞操逆転世界で一人だけの女性を愛するということは認められていない。いや、それは言い訳なのだろう。


 僕は、部屋に戻って献身的に世話してくれるミカとの甘いひとときにも甘えてしまっていた


 僕の忠実なメイドであるミカも、僕に対する特別な思いを抱いていたことは知っている。


 彼女はいつも僕の世話を焼いてくれて、どんな時も僕を支えてくれた。

 その献身的な姿勢が、次第に僕の心を動かしていた。


 ある夜、長い研究が終わり、疲れ切って僕が部屋に戻ると、ミカが僕のために食事を準備して待っていてくれた。


「カイ様、今日もお疲れ様です。どうぞ召し上がってください」


 彼女の笑顔に癒されながら、僕はふとミカの手を取り、その柔らかさに驚いた。

 彼女の頑張りに感謝しながらも、その時、僕たちの間に新たな感情が芽生え始めていた。


「ミカ、君は本当に優しいね。いつもありがとう」


 その言葉を口にした時、僕は彼女の顔が赤く染まるのを見た。僕は理性が崩壊していくのを感じた。まるで獣のように女性を求める。


 思考を働かせている間は、全くその気になんらないのに、一旦休憩をして、疲れがピークになると僕は気持ちを抑えられない。


 彼女はそれをわかっていたのか、優しく受け止めてくれた。



 二人の女性から愛情を受け取ったことで、僕の歯止めはどこかで壊れた。


 パイロットであるライラ、エリス、フェイもまた、僕に対する特別な思いを抱いていた。


 彼女たちは常に僕を守り、戦場で共に戦ってきた仲間だったが、次第に僕に対する感情が恋愛感情へと変わっていく。


 個性が違う三人に少なからず、僕も好意を抱いている。


 特にライラは、いつも積極的に僕にアピールしてきた。


「カイ様、今日の訓練で私が一番だったでしょ? 褒めてよ!」


 彼女は勝気で行動的だが、その強さの裏には僕に対する純粋な愛情が隠されていた。僕もそんな彼女に惹かれていた。


 一方、エリスはクールで冷静な性格だが、僕に対してだけは少しだけ表情を和らげることがあった。


「カイ様、いつも私たちを守ってくれてありがとうございます。私は、あなたに尽くしたいと思っています」


 彼女の控えめな愛情表現に、僕もまた心を動かされていた。


 そしてフェイは恥ずかしがり屋で、僕に対してなかなか積極的に接することができなかったが、彼女の純粋さは僕にとっても特別なものだった。


「カイ様、私…その…好きです…」


 彼女が勇気を振り絞って告白してくれた時、僕は彼女の思いに応えるべく、優しく彼女を抱きしめた。


 三人の魅力を僕は受け入れる。重なっていく逢瀬に僕は研究で頭を使い。

 彼女たちを求めることで、体を使う。



 宇宙船が形をなしてくると、シオンとクレアと接することが増えていく。


 艦長のシオンと副艦長のクレアと過ごした時間は他の者たちに比べれば短いが、僕に対する特別な感情を抱いてくれたのは自覚している。


 シオンは冷静で理知的な女性だったが、彼女もまた僕に対して少しずつ心を開き始めていた。


「カイ様、あなたには私たち全員を守る力がある。私はあなたを信頼しています」


 彼女の真剣な言葉に、僕は彼女に対する感謝と愛情を感じていた。


 クレアは明るく社交的で、いつも僕を元気づけてくれる存在だった。


「カイ様、私、あなたと一緒にもっと楽しい時間を過ごしたいわ」


 彼女の言葉にはいつも暖かさがあり、僕は彼女の存在に心から感謝していた。


 宇宙船のテストを行うたびに会う時間は増えていき、二人の指示を聞きながら、二人は欠陥をこちらに教えてくれる。

 次第に解明していく宇宙船の相談をするうちに二人との距離は近づいていった。



 そして、オリヴィア・セリーヌ・ヴァンガード。かつて敵だった彼女も、今や僕に対する深い愛情を抱いていた。


「カイ王子、あなたのそばにいられることが、私にとって最大の幸せです」


 彼女の言葉は誇り高く、しかし同時に僕に対する信頼と愛情が込められていた。彼女の強さと美しさに、僕も惹かれていた。


 時の流れとは凄い物だ。


 僕は、自分がここまで絶倫な男だと知らなかった。


 八人の女性をすべてを嫁に迎えることになるなんて思ってもいなかった。


 僕はそれぞれの女性たちと深い絆を築いていった。


 彼女たちは僕にとってかけがえのない存在であり、僕は彼女たち全員を大切に思っていた。結果的に、僕は全員を嫁として迎えることになった。


「カイ様、私たち全員を受け入れてくれてありがとう」


 リンを代表に、全員が僕に感謝と愛情を示してくれた。僕も彼女たちに対して深い感謝の気持ちを抱き、全力で彼女たちを守り抜くと誓った。


 こうして僕は、宇宙船開発という大きなプロジェクトを進めながら、愛する女性たちとの生活も同時に楽しむことになった。


 彼女たちの支えがあってこそ、僕の研究は成功に向けて進んでいる。そして、僕たちの未来は、明るいものに違いない。


 愛する妻たちと共に、アラタの未来を守り、さらに発展させていく。研究者としての僕と、夫としての僕、どちらも全力で進んでいこうと決意した。

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