天の川鉄道物語〜旅立ちの日に〜

@nami-tuu-kurayosi

天の川鉄道物語〜旅立ちの日に〜

天の川鉄道物語 

~旅立ちの日に~

 1さらば思い出の河


ここは、某経済大国の大きなドブ川と化した世界で3番目に大きな大河。

この河で2000万年前から暮らしていたある生き物が

苦境に立たされていた。

???(あーあ、ついに僕一人になってしまったよ。

僕が死んだらこの2000万年続いたこの種族も終わりか…

ふわ〜ぁ もうダメだ…もう年だから体力が持たない。

今日は巣穴に戻ろう。

ー僕は、すぐに眠りについた。

しばらく寝ていると、遠くの方から駅の放送と、

電車の走る音が聞こえてきた。

     2 アンタレス国際ステーション

(ここどこ?)

すると、遠くの方から丸い球体のような生き物が泳いできた。

「あなたを迎えに来ました。ステラーガイギュウのマコです。…ヨウスコウカワイルカのヨウさんでよろしいですね。」

(はい。)

「それでは、向かいましょう。惑星ベガへ!!」

その前にこの礼拝所で地球に最後のお礼を言ってください。

(僕たちの種族を作り、守り育ててくれた地球さん、

本当にありがとうございました。

そして、この恩は絶対に忘れません。)

ー二人は、駅のホームへと向かった。

    3 北斗星

【まもなく、7番線に直通:惑星ベガ行きの

0714便:北斗星が参ります。

黄色い線の内側でお待ちください。ホーム中ほどに止まります。】

「もうすぐ来るよ。 心の準備はいい?」

(大丈夫)

ー二人は、北斗星に乗り込んだ。

「B寝台の、7、6と…」

(あった。)

「よく見つけますねぇ…」

「今が11時55分だから…あと5分ほどで発車か。」

ジリリリ…【惑星ベガ行き0714便北斗星発車です。】

「ドアがすべて閉まった。 ここから24時間の長旅が

始まりますよ。」

「12時5分か…食堂車へ、昼食をを食べに行きませんか?」

(はい、行きましょう。)

ー食堂車へ向かう2人。

食堂車に着くと、僕は、川魚定食を頼み、

マコさんは、海藻サラダを食べました。

「13時丁度か…まだ先が長いから、少し仮眠を取りましょう。」

(僕も疲れたので、寝ます。)

      4  惑星ベガへ。

ーそして、23時間後…

【本日もMIRをご利用いただきありがとうございます。

まもなく、終点:惑星ベガでございます

車内にお忘れ物なさいませんようご注意ください。】

ー電車がキレイな緑と青の惑星に入っていった。

電車が止まりドアが開くと…

クリスタルで出来たような、キラキラ輝く透明な駅舎

目に入った。

「私はここで。」

(へ?)

「働きたくなったら、私の職場へおいで。」

ー僕は、マコさんから名刺をもらった。

〖MIR:天の川国際郵便局 国際郵便仕分け係

ステラー・マコ〗

(ふぅーん…)

     5  入国管理センター

???「ここからは、僕が案内します。」

後ろを見ると、キレイなお兄さんが立っていた。

「私は、魚竜の海です。」

「まず、入国管理センターへ行きましょう。」

(ハイ。)

「住民票を発行しましょう。…出ないと不法滞在になりますからね。」

(はぁ。)

「ヨウスコウカワイルカのヨウさま、1番窓口までおこしください。」

(はい。)

「種族確認の為、命日を教えてください。」

(2002年の7月14です。)

「可能でしたら、時間もお願いします」

(午前8時25分ごろです)

「了解しました。」

「次の呼び出しがあるまで、中待合でお待ちください」

(はい。)

数分後「ヨウさま、住民票の発行が完了しましたので、

2番窓口までお越しください。」

(はい。)

ーこれで僕は晴れて惑星ベガの住民になったのである。

(海さん、発行してきました。)

      6  新しい自宅

「次は、区営住宅に行きましょう。」

ーすると海さんは、大きな地図を出した。

「この星の地図です。」

今いるのはココ。

(バンドウ区?)

「そう。バンドウ区ここがこの星の都市部。」

「で、山間部がハクジラ区、区営住宅と商店街のある

区が、ミナミバンドウ区です。」

(と言うことは、ミナミバンドウ区にいくんですね。)

「はい。そうです」

「ここからは区営の路線バスで向かいます。」

(はい。)

ー以外にも、バスはすぐに来た。

「公園前のバス停で降ります。」

バスに揺られる事、数十分。

【次は、公園前、公園前でございます。】

ーすると、海さんが降車ボタンを押した。

「着きましたよ。」

この一軒家の通り全て区営住宅です

「この家です。」

「一通り、必要最低限の家電と、家具はおいてあります。」

「また何かありましたら、ここに電話をかけて下さい。」

「僕は、ここで失礼します」

ギィーバタン

僕は、壁にかけてある時計を見た。

(18時か…)

(明日からどうしよう…?)

      7  就職?

ーふと、マコさんのことを思いだした。

(そうだ! 働きに出よう。)

ー僕はマコさんの名刺を見た。

国際郵便局の電話番号が書いてあった。

僕は、すぐに電話をかけた。

【はい、こちらMIR総合コールセンターでございます。】

(MIR天の川国際郵便局の求人課の担当者につないでください。)

「しばらくお待ちください。」

数分後、【お電話変わりました。求人課のドーです。】

(働きたいです。)

【では明日、面接に来てください。】

(分かりました。)

次の日

(ここがMIR国際郵便局か…大きいなぁ。)

ー中へ入って受付に行くと、

「お待ちしておりました。ヨウスコウカワイルカのヨウさんですね。」

(はい。)

「こちらへどうぞ。」

(はい。)

すると僕は、広い部屋に通された。

そして、面接を受けました。

結果、明日から国際郵便仕訳係として

働ける事になりました。

帰宅すると、家電に留守電が入っているではありませんか!

8 海からの連絡

慌てて再生すると…「入国管理センターの海です。

ヨウスコウカワイルカのヨウさんのご自宅で間違えないでしょうか?

大至急、大事なご相談がございます。

ご都合のよろしいときに、入国管理センターに、折り返し下さい。よろしくお願いします。

失礼します。」

僕は急いでかけ直したが、営業時間外の為繋がりませんでした。

(仕方が無い今日は、寝よう。)

*********次の日*************

MIR国際郵便局に初出勤しようと、自宅を出たその時。

ルルルル…

電話が鳴っているぞ?

鍵閉めたばっかりなのに…

玄関を開け、電話に出ると…

「お忙しい所失礼します。 例の連絡今日が締切でして、今ご相談していただかないと、ダメなのですが、

今お時間よろしいでしょうか?」

(今日中なら、仕方がない。

なんの御用でしょうか?)

「惑星ベガに、新しい仲間が来るのです。

その仲間を、ヨウさん宅で受け入れてもらえないでしょうか?」

(全然、構いませんが。)

「それならよかった。」

(で、お名前と、種族は、どのようでしょうか?)

「種族が、マッコウクジラ。名前がヨドさんです。

よろしくお願いします」

(わかりました。 また何かありましたらご連絡ください。)

「では、失礼します。」

9 ヨウさんの初出勤

―僕は急いで惑星ベガ中央ステーションのMIR関係者専用乗車口に走った。

僕が電車に乗り込むと、直ぐに発車した。

MIR国際郵便局に着くと、急いで更衣室で作業着に着替えて、淡々と郵便の仕訳をしていると、

かなり遠くの方に見慣れた顔の方が作業しているではありませんか。

(目が悪いからよく見えないけど、あれは多分マコさんだな。)

僕は、壁掛けの時計を見た。

(11時15分か…)

壁に掲げている予定表と照らし合わせてみると…

(残り45分か… 昼休みになったらマコさんに、

話しかけてみよう。)

―そして45分後の12時のお昼休憩の時間。

僕は、たくさんの社員の中から、マコさんを探し当てる

事が出来なかった。

―その日は、マコさんに近づくことの出来ないまま、

定時を迎えてしまった。

モヤモヤしながら帰宅すると、

ポストに、電報が入っていた。

「イマスグ、アンタレスコクサイステーションに、

ムカッテクダサイ カイ」

あゝ、ヨドさんが駅に着いたんだ…

このまま、迎えに行こう。

―すると僕は、惑星ベガ中央ステーションに走りました。


天の川鉄道物語 旅立ちの日に~

    終わり

あと書き


この小説の登場人物たちは全てかつて地球で、

暮らしていた地球の仲間たちです。

著者の私はとある本を読みました。

その本にこのように書かれていました。

(死は2回ある。1回目は体が無くなった時。

2回目は誰からも忘れて去られた時。)

本小説に登場する動物たちも、

皆がその存在を忘れてしまったら…

天国からも消える訳です。

だから私は、絶滅動物・お亡くなりになっしまった

動物達を残して行こうとこの小説を書いているのであります。

ー移動中の路線バスに揺られて…namiiーtuuーkurayosi



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