草いきれの中で

進藤 進

憎むべきは

蘇我入鹿。

馬子の孫が世を欲しいままにしている。


我が父。

厩戸皇子が生きていたなら。


これほどまでの。

横暴は許さなかっただろうに。


憎い。

恨めしい。


幼い頃は。

共に遊んだ仲なのに。


どうして。

殺されようとしているのか。


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