“お前の奥さん、オレにくれないか?” と言ってきた俺の親友!

神石水亞宮類

第1話 “お前の奥さん、オレにくれないか?” と言ってきた俺の親友!




“お前の奥さん、オレにくれないか?” と言ってきた俺の親友!



久しぶりに会った、俺の親友にお酒の席でこんな言葉を言われる俺。

正直! その話を聞いて、俺は口が開いたままになってしまう。

“なんなんだ? 急にコイツ、何言ってんだよ!”

なんで俺が自分の女房をコイツにやらなきゃなんないんだ!

コイツ、酔っぱらって冗談で、俺のこんな事を言ったのか?

だから俺は親友にこの後、こう言ったんだ。



『・・・お前? 酔ってんのか?』

『“酔ってねーよ!”』

『じゃあ、なんで俺の嫁をお前にあげなきゃなんないんだよ!』

『“オレさ、本気で伸弥の嫁の事好きになったみたいなんだ!”』

『バカじゃねーの! 絶対にやんねーし! くだらん事、言うな!』

『“な、何? ガチキレてんだよ!”』

『普通! キレるだろう、俺の嫁をお前がくれって言ってんだぞ!』

『・・・まあ、そっか、そうだよな、』

『まさかだけど? 俺の嫁にお前、ちょっかい出してないよな?』

『“今んとこはな!”』

『お前な! いい加減にしろよ!』

『“なんで、俺の嫁なんだよ、”』

『もう、この話はするな! 酒が不味くなる!』

『・・・す、済まん、』

『お前、なんかおかしいぞ! 変なもんでも食ったか?』

『・・・い、いや、』

『“一つだけ約束しろ! 俺の嫁に絶対に手を出すな! いいな!”』

『・・・わ、分かってるよ。』

『信じていいんだよな? お前の事、俺は親友だと想ってるんだ! 

だから俺を裏切るような事だけは絶対にするなよな!』

『・・・あぁ、』

『なら? 仕切り直して! 飲もうぜーい! 気分変えてさ!』

『あぁ、』

【カンパーイ】




・・・俺の嫁は、親友のコイツに誰よりも先に会わせていたんだ!

彼女になる前も、彼女になった後も、それから俺と嫁が同棲を始めた時も、

コイツと3人で会う事も多々あったし、俺はコイツをなにしろ信用していたんだ。

だから気を許していたのもあったのもあった。

でも? まさかこんな事になるとは?




ただコイツと俺の嫁は、“俺が居ない時も二人で会っていたみたいで、”

その時、コイツは俺の嫁を好きになったのかもしれない。

俺も良くないのだけど......。

コイツも俺から嫁を奪おうとしてるなんてもっと良くないだろう!

“俺の嫁だそ!”

普通! 親友の嫁を奪うか?

俺もコイツに、“釘を刺しておいた方が俺との約束を破らないと思って

強めにアイツのは言っておいたのだが、、、。”

そもそも、今でも俺が居ない時に二人で会っているのか?

俺は嫁にも、釘をさす事にした!



『“お前さ、龍太と今でも二人で会ってんの?”』

『えぇ!?』

『い、いや、アイツがさ、俺にお前をくれないかって言ってきたから。』

『はぁ!?』

『“まさかだけど? ふたりはそういう関係じゃないよな?”』

『・・・な、何がよ! そんな事ある訳ないでしょ!』

『でも? 俺が居ない時は二人で会ってたみたいだし......。』

『バカ! 結婚する前でしょ、今はないわよ! その前に、龍太君が

本当にそんな事言ったの? バカじゃない!』

『俺もビックリしたんだよ!』

『確かに、向こうは私に気があるみたいだけど、私はキッパリとないから!』

『えぇ!?』

『“だって! 龍太君バカだし! タイプじゃないから!”』

『・・・そ、そこまで言う? 俺の親友だよ。』

『“じゃあ、私と龍太君が浮気してもいいの?”』

『“ダメに決まってるじゃん!”』

『だったら? 口を挟まないで!』

『・・・ご、ごめん、』

『“それと、もう疑わないで! 本当に何にもないんだから!”』

『・・・ううん、もうこの話はしないよ。』

『じゃあ、私も龍太君とは絶対に二人で会わないって約束するわ!』

『わ、わかった。』




・・・これは! 俺の勘だけど?

アイツが俺の嫁に、ちょっかいをかけていたのは間違いないと思う。

ただ、嫁はアイツがタイプじゃないし、それどころか鬱陶しいとまで

思っているみたいだった。

これなら、“俺が気にする必要はなさそうだな!”

完全に、アイツ! 終わってるみたいだし!

本当に可愛そうな奴だよ、アイツは!

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“お前の奥さん、オレにくれないか?” と言ってきた俺の親友! 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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