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「アオちゃん。アオちゃん」
「どうした歩夢?」
「これシタい」
言いながら歩夢は俺に自分のスマホの画面を見せてくる。何じゃろな?と歩夢のスマホの画面を見てみる。
歩夢のスマホの画面にはゴリッゴリのエロ漫画のワンシーンが表示されていた……。
ーーとある日……。
その日はたまたま紅と泊が不在で歩夢と2人で遊んでいた。そこで歩夢が不意にそんなことを言い始めたのである。
歩夢のスマホに表示された画面……どっから画像を見つけてきたのか、何処からどう見てもそれはエロ漫画。裸の男の子と女の子が合体ダブルフィニッシュをキメて結合部から謎の液体が吹き出している見開きページであったそうな。
明らかにモザイクが掛けられて見せられないヤーツ。ダメですよこんなの。健全が売りの本作においてこんなの見せられませんって(すっとぼけ)
「そうかー。歩夢はこれがしたいんかー」
「ヤリたい」
一旦……落ち着こうか?
これは非常にシンプルかつシンプルな話のシンプルに結合のお誘いってワケね?
はいはい。
よし来たセ〇クスじゃああああああああっ!!!
いや、待て。
待って、待って、待って。
「あのー……歩夢さん?これなんだかご存知で?」
「ご存知。コレは子作りセッ(ピー)」
あっ、はい。
ご存知なんですね。
「ナマ中出し。バチクソ気持ちいいらしい」
おいおいおい。
発言がナマナマしすぎるんですが?ナマだけに。いや、なんも上手くねぇなコレ。
「歩夢……一旦、冷静になろ?」
「冷静なう」
冷静らしい。冷静に行動した結果でナマ中出し子作りセッ〇スのお誘いってワケね。なるほどなぁ。つまり合意に基づいてるワケだからナニも問題ないワケね。
いやいやいやいやいやいや。流石にアカンよね?コレあきまへんよね? むしろ冷静じゃなくなってきてるの俺の方デス。
「えっと、その、あの、えっと……これすると赤ちゃんとか出来ちゃうよ?」
「不可抗力。やむ無し」
もはや覚悟は出来ている……ということか……。
いやダメでしょ!せめてするならゴムつけようよ!赤ちゃん出来ちゃったら大変だよ!
「人類は快楽に抗えない」
まったく持ってその通りだと思います!
これは不味い。反論の余地が無い。普段、幼なじみ達をオカズにして背徳プレイに溺れて、快楽に全面降伏している俺。歩夢の意見に反論出来る材料がナニひとつ無い……!
だがしかし!ここで流されるワケにはいかないでしょう!
「えっとね。歩夢。それは俺たちにはまだ早いかなって思うんだよね」
「なんで?」
シンプルなんで。
確かに……なんでだろう……。
歩夢は子作りセ〇クスがしたい。そして俺も歩夢に種付けプレスがしたいか、したくないかで言えばそんなのはヤリたい一択だ。そりゃね。イマジナリー歩夢の事をこれまで何度も孕ませたりしましたからね。数え切れないよね。
お互いにヤリたいと思っているわけで、それはならばヤラない理由など無いように思える。
そこでふと紅と泊の顔が頭に浮かんだ。
『なになに?アオとクロで子作りセ〇クスすんの?そうかー。それなら次はオレともヤろうぜ!』
『ふふっ。2人とも気持ちよくなれるように僕がサポートしてあげるよ!それで次は僕ともしようねアオくん』
くっそ!イマジナリー体が出てきた!どっちも何も気にした様子とか一切ねぇ!みんなで遊ぶ延長線上みたいな軽いノリじゃねぇか!
違う違う。
イマジナリー体じゃなくてね。
実際の紅と泊カモン!
『子作りセ〇クス?なんだそれ?へぇ。気持ちいいのか。んじゃオレもヤルわ!』
『ふむ。それは僕も興味あるね。物は試しにというし、とりあえずみんなでヤッてみようか!』
なんか流れが然程変わってない!そうだよね!なんかよくわかんなくても、とりあえずみんなで試してガッテンみたいな感じになるよね!そうだねオマエらみんなそんな感じだよね!知ってた!
これは困った。
非常に困った。
どうやって断ろうか。
いや、そもそも断る必要はあるのか。
もうなんかこのままヤッちゃってもいいんじゃね?
歩夢は合意。
紅と泊にしても2人とも「何か問題ある?」みたいな感じになりそうだし。
いや、なんかノリが軽すぎる……。
つーか、歩夢とはもう息止め勝負だとかベロ相撲だとかでキスはしまくってるでしょ?それに一緒にお風呂とか入って裸も見てるし、なんなら体を洗ってあげたこともある。
となれば次のステップで子作りセ〇クスに発展しても、何ら問題は無いどころか、そうなることが当然とさえ思える。
それにここで仮に欲望に身を任せて歩夢と子作りセ〇クスをしちゃったと考えよう。
それで俺達の関係性が変化するのか?
……しなそう。
しなそう……だなぁ……。
だって等の歩夢のノリがだいぶ軽いもん。
もう「カードゲームしようぜ!」みたいなノリと大差無いもん。
でも。
だからこそちゃんと考えよう。
そんな軽いノリで子作りセ〇クスしてしまってもいいのか?と。
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