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「ふっ……!ふぅっ……!ふうぅッ……!」



筋トレなう。


背筋をしていた。



届け……届け……届けッ……!



それはまるで活きのいいオットセイの様であったと後に語られる。



感じる……感じるんだ……!



うつ伏せに寝転がった状態で背中に力を込めて海老反りになることを繰り返す。



「足掻け」



太もも裏に柔らかい圧力。歩夢が馬乗りに跨っている。両手が尻を鷲掴みにしており下半身が浮かないよう押さえ付けられている。なんか微妙に揉まれている様な気がするけど、それは今は些細な問題だ。


そんなことよりも。


感じるんだ……背後に”何か”巨大な物体が存在していることを……分かる……分かるんだ。


いや……”何か”なんて曖昧な表現ですっとぼけるのは辞めよう。


おっぱい、だ……大きなおっぱい……歩夢の大きなおっぱいを背後に感じている。


ある……あるはずだ……そこにないわけが無い。確実に実在している。夢や幻なんかじゃない。現実の物としてそれは確かにそこにある。



だのにッ……!



「くぉおおおッ……!」



なんでなんでなんで……!なんで届かない……!なんで触れ合えないんだ……!


感じるのに……!そこにあるのに……!俺の後頭部が接触する気配がないのか……!


必死に必死に背中に力を込めて海老反る。


何度も何度も地に伏しては絶望を噛み締める。


歩夢の大きなおっぱいに後頭部が届かない!後頭部おっぱいタッチしない!なんでだよぉ!畜生ッ!


本当は分かってるんだ……届かないって……いくら頑張っても無理だって……。


でも、それでも……俺は挑戦せずにはいられなかった。


無駄だと分かっていても……ヤラずにいられない……。


だって、おっぱい、なんだもの。Byめぐる



「アオケツ。引き締まって揉みごたえある」


「お”ッ……!」


「オラッ。もっとケツ締めろッ。オラオラッ」


「お”お”お”ッ……!?」



歩夢になんかされてた気がするが、そんなことは気にせず俺は必死に背筋頑張った。




…………。



…………。



…………。




「ふぅーーー………………!ふぅーーー………………!」


「軽く予行練習のつもりだったのに気がつけばガッツリと訓練してしまっているね。まったくアオくんは……ヤレば出来るじゃないか!とってもいいと思うよ! 」


「ふぅーーー………………!!!」


「なんかアオ……目がバッキバキになってね?」


「鼻息荒すぎワロタ」


「いやー、仕上がってるねぇ」



俺は滾る想いを押さえ付ける為に深く息を吐くの繰り返す。


おっぱい。


おっぱいおっぱいおっぱい。


届かない届かない届かない。


おっぱい届かない。


イライラする。すごくイライラする。とてもイライラする。


おっぱい!おっぱい!おっぱい!



全身が煮立つ様に熱を帯びている。


ランニングもスクワットも良かった。それは何故ならおっぱいを感じられていたからだ。


腹筋は微妙だった。膝上おっぱいしていたが顔面おっぱいが届かなかったからだ。


背筋は最悪だった。後頭部おっぱいタッチは出来なかったし、視界にもおっぱいが入らずただ壁を見つめるのみであったからだ。ホント、サイアク。


常日頃から幼なじみ共のおっぱい責めを受けて、俺はもうおっぱいが無いとおっぱいだ。


このようなお預けおっぱい焦らしおっぱいされたのはおっぱいだ。


故に、この時はトランス状態であったのだろう。



「最後は腕立て伏せしようかアオくん。よいしょ……っと。はい。アオくん。僕に覆いかぶさって?」



床にごろりと仰向けに寝転がった泊は、両手を広げて俺を待ち構えた。


寝転がった事で重力により泊のたわわに実った大きな果実がまるで鏡餅の様な形になる。ひと目でそれがとてもとても柔らかく気持ちがいいものだと言うのが視覚から伝わってくる。



俺は何も迷わず、躊躇もせずに、泊に覆いかぶさり、床に手をつけ、腕を立てて、泊の上で腕立てをする格好になった。


それは傍から見たら、どう見ても俺が泊を押し倒しているような体制であったが、その時の俺はそんなことはまるで気にしない。


そっと泊の手が背中に回ってきた。



「それではアオくん。その状態からゆっくりと肘を曲げて……」



泊の言われた通りに行動する。


肘を曲げると身体が下へと下がっていく。


































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