スイーツ阿修羅の感動ノート
スイーツ阿修羅
映画「ブルーピリオド」
ブルーピリオド観ました。創作家は全員観るべき! こんなに過酷なんですね。藝大受験。何もかもがリアルでした。普通の受験と違うのは、自分の一番大好きな事で戦うこと。
学力勝負で負けるより、自分が大好きで得意な事で負けるのは、一番悔しくて自分が全否定されたような感覚に陥るハズです。
私はこんなレベルの高い戦いをした事がありません。私の戦いは常に自分との戦い。ベッドの中での鬱病との戦いでした。
高校野球も何もかも、僕は鬱病で体調が整えにくくて、勝負の土俵にすら上がれなかった人間だから、
せめて一生懸命やろう。せめて全身全霊やろう。
身体に無理を感じたら休みつつ、楽しめる範囲でベストを尽くそうって。
その程度の努力しかしてこなかったから。
勝つ努力なんてした事がない。一番になる努力なんかした事ない。普通の人になる努力をこの10年間必死に続けてきた人間だから。
私には想像も出来ない世界です。
私は頑張りすぎると壊れてしまいます。
魂が震えました。何か大事な事が沢山詰まっていた気がします。一回見ただけじゃとてもじゃないけど消化しきれない熱がそこにはありました。原作マンガも買ってみたいなと思いました。
やはり絵って良いですね。私の描く絵はただのお遊びですが、絵ってこんなにも奥深いのだと、映画を見て気付かされました。
私にはここまで深く世界を観察して、絵や景色から感じ取る力はないんだなと感じました。
私の作家としての長所は、自分の心に対する理解度だけです。
最近、他人の心に対する飲み込むような理解の必要性に気が付いたのですが、その応用で、"世界を見る力"。細部の向こうにある何かを見る力。
美術を学ぶ事で、小説の表現の幅も大きく広がるんじゃないかと可能性を感じました。
私は今まで美術の成績はずっと5(最高評価)でした。工作や絵のセンスを褒められて、自分は絵の才能があるのだと思っていましたが、
そんな僕も、この主人公の熱中と努力の前では、トラクターに当たられたカエルのように吹き飛ばされてしまうでしょう。
また絵を描きたくなりました。
私の絵なんて下手くそでいつも吐きそうになりますが、それでも……
もっと絵が上手くなりたい。自分の気持ちを表現したい。何か大切なものを伝えたい。
絵って、可愛い女の子を描くだけじゃないんですね。
私はこの数年、
いや、漫画家を目指し始めた小学生の頃から、個性的なキャラクターの絵ばかりを練習していました。
幼稚園の頃はむしろ自然風景や動物や恐竜の絵が好きだったんですけどね。
背景なんて適当でも読んでもらえる。そう思いながら。
そして背景を描くのが辛くて、僕は漫画家を目指すのをやめました。
人の顔がうまく描けなくて、表情が納得いかなくて、色を重ねても全然立体感が出てくれなくて、服の皺とか勉強するのが面倒くさくて、
書くのがめんどくさくって、労力に見合わなくって。
たぶん私は、"物語"を書く事が好きなんだと思います。
漫画や絵という表現技法は、物語を書きたいだけの私にとって、あまりに労力が見合いませんでした。
結局は、過程を熱中できる人こそが、芸術を描けるのだと思います。
「読みたいことを書きなさい」という本は、こう言っています。
「趣味とは、手段が目的となったもの」
であると。
小説を書いたり、絵を描くというのは、本来何かを伝えるための手段です。
基本的に"手段"というのは、"目標達成に必要なこと"であり、それ自体は本来喜びや充足感を産むものではないのですが。
絵を描いている時間が楽しい。漫画を描いている時間が楽しい。小説を時間が楽しい。
こんな風に、手段を楽しめるようになったのならば、
それは最早手段ではなく、「楽しむため」という目的になり得るのです。
この主人公は、描きたいだけじゃなかったハズ。描いている過程も含めて絵を描くことに熱中したはずです。
すると、本来は努力や制作過程といった、時間が掛かって面倒くさくて苦しいことが、全て喜びや楽しさへと変換する、魔法みたいな事が起こるんです。
私が過程を楽しめたのは、絵ではなくて、物語と文章でした。
絵の勉強は嫌気がさしてしまったけれど、文章や小説家の勉強は何も辛くありません。書けば書くほど知れば知るほど楽しい世界です。
私はまだ、小説を専業にするほどの覚悟はありません。
毎日24時間小説を書くことも出来ません。そんな事したら小説が嫌いになってしまう気がします。
小説を永遠に書き続けたら辛くなってしまいます。
小説を書くのは人生のほんの一部分で良い。他の時間は別のことに熱中していたいのなす。
それに、小説に疲れて別の事を楽しんでいると、不思議な事にまた小説が書きたくなるんですよね。
今は夏休みですが、実際に小説を書けているのは、二日に一回五時間程度です。
もちろん、小説の事をぼんやり考えている時間は、毎日七時間はあると思いますが。
考える時間だけなら多いかもしれません。気づけばずっと考えてしまいます。
今は、私は、これで良い。
でも、いつかはこの主人公みたいに、全てを小説に捧げる専業なりたいとも思ったり……
まだ覚悟はありませんが……
人生の全てを一つの事に捧げられることは、羨ましくもあり、少し憧れてしまいます。
まぁ、他にも色んな人生経験も積みたいし、一度きりの人生を楽しみたいので。
私は副業小説書きで良いのかなって思います。
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