【ボイスドラマ】気品なお嬢様は工芸部! ガラス細工/音のソノリティ
BB ミ・ラ・イ
プロローグ
謎の少女
(学園内に響くチャイム音)
午前授業終了、昼休みだ。
「ふぁ〜あ。 ─── さて、 今日はどこで食べるとすっかなぁ」
俺の名前は
地元の公立高校『
「それにしても、偏差値がそれほど高くないっつうのに、無駄に広い学園なこって」
この学園はバカみたいに広く、無駄に竹林に囲まれていた。
だから、一人というのは変わらんが、
「あ! そういや……校舎裏に使われてなさそうな建物が見えたっけか」
適当に校舎内を歩き回っていた俺は、以前、偶然にも見かけたボロい建物が校舎裏にあったことを思い出した。
「よし。そんじゃま、今日はそこで
階段を降り、昇降口で外履きに履き替え、校舎裏に向かう。
「おっ、鍵かかってないじゃん。ラッキー!」
そこには、一見すると小さなボロい建物。扉には鍵がかかっておらず、わずかに開いていた。
その建物は、三階校舎から見たときは小さいと思っていた。だが、実際には近づいてみると一階建てだが縦に長かった。ほんで、ほとんど竹林で隠れ、昭和の校舎と同じ木造作りだったようだ。
「これは、もしかしたら穴場スポットか?」
俺に宿る少年の心とやらが
そして、その疼きに背中押されるよう、わずかに開いていた扉の隙間に手をかけ、ゆっくりと引いてみた。
扉は、多少ばかり軋む音を立てながら開き、その音に俺は一瞬足を止めたが、意を決して建物の中に足を踏み入れることにした。
「おお、木の温もりの匂い……」
屋内からは、木の温もりの匂いが漂っていた。
「くうーっ。俺、こういう匂い好きなんだよなぁ……。なんつうか、自然独特の香りつうか、木が持つ本来の香りつうか。ああ、いい。すごくいい」
俺の心は益々、この建物に吸い寄せられ、そのまま中へと歩みを進めた。歩くとやはり建物がボロいせいか、少し
と言っても、内部は意外と整備されていた。廊下には特に物が置かれておらず、どこか落ち着く感じがした。飯を食う建物としては申し分ない。
古風な作りだが、どちらかと言えば昔に建てられた建物が、今現在は使われていないために古くなっている、といった感じの印象だ。
そんなことを思いながら、俺は良さげな場所を探して歩き回った。だが、どの教室も鍵がかかっていて入れなかった。
「うげっ、ここも施錠されてんのか。チッ、不用心なのは入口だけってか……」
それでも俺は焦りながらも、めげずに一つ一つ教室のドアを確認しながら歩き回っていた。
「あれ?」
視線の先にあった教室に違和感を感じた。
なぜか、少し離れた教室の、廊下と教室を区切る腰窓が開放されていた。
「お! ラッキー! あの教室だけ、窓が開いてんじゃん」
すると、廊下の先から微かに何かを削る音が聞こえた。
「ん? なんだ、この音……?」
その音がする教室は正しくその教室からだった。俺は恐る恐る教室まで近づいてみた。そして、開いていた腰窓から中を覗いてみた。そこには、窓際のテーブルに座り、何かをしている女子生徒がいた。
「ん? 誰だあの子は? それに、一人で何してんだ?」
その女子生徒は背が低く、椅子に座っている足が床に届かず、ぶらぶらと揺れていた。彼女の作業内容は分からなかったが、その姿に興味を惹かれ、そのまま様子を伺うことにした。
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