第8話 緊急ミーティング
円形の机の中心にカムイがおり、それを囲うように魔法少女が座っている。
魔法少女は変身した状態で、赤いドレスに後ろ髪をリボンのように結んだ女の子と、青いドレスに長く真っ直ぐに整った髪の女の子と、黄色っぽいオレンジ色のドレスに短髪で無気力そうな顔をしている女の子がいた。
それぞれ、スカーレット、コバルト、オレンジと言う名前の魔法少女だ。
そんな魔法少女たちが情報共有する時間として、月に一度ミーティングをするのだが、今回は緊急の集合だった。
「今回の議題だが、
「仇なすもの?」
「姿は我々と似ており、ペンギンのマスコットのような見た目をしている。また、我々と同じように魔法少女を生み出す能力を有しており、自身の勢力を拡大しようと企んでいるようだ」
「魔法少女を生み出す…」
コバルトが呟くと、カムイは無言で頷いた。
「先日、スカーレットが見回りの日、不審なマナを捉えた。すぐにスカーレットに見にいくよう頼んだのだが、周りには不審なもの何もなかったらしい」
「実際に魔力の痕跡はなくなっていたから、追跡することもできなかった」
カムイに同調するように、スカーレットが話す。
「同日の夜に、鬼型クリーチャーが出現した。スカーレットが現場に向かったが、突如魔力の塊が放出され、鬼型クリーチャーは消滅した。魔力を見るに、すでに魔法少女生み出し、勢力を拡大しているようだ」
「なるほど」
「私たちはこれから、その何者かを見つけ出せば良いんですね」
「そうだ。世界を守る魔法少女に仇なすものはあってはならない。そのため、我々は、ペンギンのマスコットを
「マギア・レブル…」
「
「了解しました」
「了解」
「わかりました」
各々返事をして、会議は終了となった。
カムイはそそくさと退出していった。オレンジもまた気だるげに二人に手を振って帰っていった。
「
「どうしたの
「貴方は、
「どういうこと?」
「不穏なマナを感知した日に、見回りをしていた貴方は不審なヤツを見ているんじゃないかって。それに、翌日に急に話すようになった
「何でそうなるのよ。私が誰と仲良くしたって良いでしょ」
「そうだけど、もしかしたら関係があるのかもと思ってね」
「私の友だちに何かしないでよね」
「魔法少女として、調査するなら別におかしな事じゃないでしょ。今日から私が見回り当番だし」
そう言い残して、コバルトは部屋を出ていった。
一人残されたスカーレットは顔を強張らせて、手を強く握った。
(夜空くんのことがバレたら夜空くんがどうなるか分からない。葵ちゃんが勘づいてるのは、私が迂闊過ぎたせいだ。私が守らなきゃいけないんだ、私が…。)
スカーレットは呼吸を落ち着かせてから、会議室を後にした。
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