第5話 不完全な楽園

現在の時刻は11時だったので、スーパーでご飯の材料を買って、家に向かいすぐに家に着くとご飯を作ってすぐに食べ終えた。


「ここにくる前も、よく1人だったので慣れてはいたものの、寂しいな。やっぱり。」僕は家の中を整理して、広い場所を作った。そして、左目の眼帯をとって部屋の真ん中にあぐらをかいて座り、右手の人差し指を立てて能力を発動させる。


すると、指の上には一つの小さい立方体が現れて、ぐるぐると回り続けている。


「さて、始めるか...」


気がつくと、もう夕方になっていた。なぜか僕は布団で横たわっていて、ユキノが心配そうに僕のことを見ている。


「そんなに寂しかったか?」と笑いながら言うと、「違うに決まってるじゃないですか! あなたが心配で見に来たら倒れてたんですよ、あなたは!」と言われた。


「そうか。僕は倒れてたのか。」眼帯をとろうと体を起こそうとしたが、全く動かなかった。それを見たユキノは、「今日は私が面倒見るので大人しくしててくださいね。」と言って、眼帯を渡してくれた。


「ありがとう。でもお前って本当に寂しがり屋だよな。」というと、「違いますから!」と怒られて、そんな会話をしばらくして、ご飯を食べた後に僕は再び眠りについた。


その夜、僕は夢を見ていた。そこでは一面が炎で燃えていた。そして、僕の前にいる少女が泣いていた。しかし、僕は彼女に何も言わなかった。だって僕の目からも涙が出ていたから。そして、彼女の体には…。


朝起きると全身が汗だくだった。この夢を見るのはいつぶりだろうか、久しく見ていなかった気がする。


前にも言ったが、僕は朝に弱い。だから普段は遅く起きるのだが、リビングからの異質な音と臭いでぱっちり目が覚めてしまった。急いでリビングに向かうと、ユキノが鼻歌を歌ってなにか黒いものを作っていた。


彼女は僕をみると、「おはようございます。今フレンチトーストを作ってますよ。」と自慢げに話した。そのあとはいろいろと大変だったが、結局僕がフレンチトーストを作って終わったのだった。


今日は軍の訓練の初日なので、前に行った場所に向かう。集合時間も集合場所も厳格に決まっていて、学校らしさみたいなのを感じて、結構楽しみにしていた。それと同時に、前の学校のことを思い出して虚しくなった。


施設に着き、Eクラスの教室に向かった。そこは山奥にある小さな教室だった。こんな場所に教室があるのはE組だけらしい。集合時間が近づくにつれて人が増えて、合計で30人ほどが集まった。しかし、時間になっても教師は来なくて、10分後にようやく現れた。


その男はそこにいる生徒を一列に並ばせた。そして突然、僕に向かって殴りかかってきた。


「早い...!!」


人間とは思えないスピードでこちらに迫ってくる。僕はかろうじてその拳を受け止めたが、吹き飛ばされた。後から腕に痛みがじりじりとやってくる。


「俺の拳を受け止めるとはな。なんでお前みたいなやつがこんなクラスにいるんだ?」彼はそう言うと、再び攻撃を続ける。対話する余裕はない。ていうかこの雰囲気...どこかでも感じたことのあるような...。


「お前はここにいるべきじゃない。Aクラスにいるようなやつがここにいる必要はないからな。俺はそうやって自分を弱く見せているやつが嫌いなんだよ。」


重いパンチを腕で受け止める。何度も体が壁に当たって痛い。とにかく、この状況から抜け出さなければ。


「なかなかやるじゃないか眼帯野郎。ではこっちも本気で行かせてもらおうか。」


その瞬間、彼の姿は僕の視界から消えた。そして、後ろを向くと…

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