知己戦線レンガ

@ten_P0412

知己戦線レンガ第一期

第1話 聞き込みから始まる非日常

ーーとある記憶ーー

ーー数年前の出来事、もしくはたった数時間前の話なのかもしれないーー


燃え盛る炎ー焼け落ちる建物ー目の前には影のような真っ黒な色をした人物ーその人物が飛びかかってきてーーーー


ーーー思わず声が出た。

「この記憶ーーいつのーーいや、」


「誰の?」


そこで目が覚めた。

思い出してみる。黒い正方形の体に三角の手の1等身、そしてーーーーー

ーー雷型が3つ連なった形の仮面がついているーー

(※画像を参照)


名前ーーーレンガ。

出身地ーーーーここで止まる。

どこから来たのか、なぜここにいるのか全くわからない。

だから次に周囲を探索することにした。

木々に囲まれた小さな村。

住民は見かけていないが人の気配ーーといってもこの世界の人、つまりは正方形の1等身であるーーだけはある。

恐らく探せば誰かしらには会えるだろう。


ーーだが記憶のヒントはなかった。

考えて、考えて、考えーーー…わずか1分も経たず決まった。

レンガは意を決し住民に聞き込みをしてみることにした。


ーーと、そこに斧を担いで通りかかった人を見つけた。

左目に眼帯を巻いていて斧を持っていたり森に行こうとしていることから木こりだろう。


レンガは聞いてーー嫌どう聞くべきか迷ってーー

ーーー焦ってよくわからない質問をしてしまった。


「僕って誰かわかりますか?」


ー結局家に招いてもらった。

どうやら彼の名前はユタ、見立て通り木こりらしい。

そしてこの村『ラダ村』は割と山奥にあり、大都市なんてものは近くにはないそうだ。


「ところでお前さんはどっから来たんだい?」

ーーレンガは事情を説明し、何か知っていることがあってくれと祈ったーー

「なるほどな…だが悪ぃ、俺は心当たりはない。」

だがそう上手くはいかなかったーー

「とはいえこの先の提案くらいならしてやれる。

ここであったのも何かの縁だ」

「………なら教えてください…お願いします…!」


「実はこの森を抜けた先の地形を誰もまだ知らないんだ」

「………」

「だが毎年冒険だと数名乗り込んでいくものがいる」

「………」

「だがな、みんなボロボロになって帰ってくるんだ」

「………!!」

「そこで、だ。お前さん、見たところ仮面があるなら能力だって使えるんじゃねぇか?

案の1つにでもしてくれればなんだがそのーーー」

「………皆を痛ぶってるやつを倒してこい、と…?」

「まぁ…そんなところだ」

「もし倒せればお前さんは村の英雄だ。もちろんどこかで働かせてくれと言ったら即採用されるだろう。

一生この村で不自由なく暮らせる。

そしてもしも倒した時、冒険がしたくなったらこの村から離れて冒険に行く手段も取れる。

どうだ、お願い聞いてくれねぇか…?」

ーーー初めは断るつもりだった…………けど

ーーここまで熱心に言われちゃしょうがない。

「わかりました…挑戦だけでもしてみます!!」

ーーでもどうしても聞かないといけないこと。

「それで、なんですが…『能力』とか『仮面』とか…

それってなんなんですか?」

「……………!?」

「お前さん、そんな事も知らねぇで引き受けてくれたのかい…能力、ってのはなーーーー……………」



ーーー時を同じくして。

村のはずれ、森の中。

レンガと歳が同じくらいの少年が1人立っていた。

彼の名前はダイヤーー冒険者。

レンガの存在にいち早く気づいた彼はーー…

「ここにきて相棒追加来たか!?最高っしょ!!」

独り言のように呟いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る