第57話 ブルータス、お前もか

 表題の言葉は、ユリウス・カエサルが裏切りに遭い、殺される間際に言ったとされる言葉です。たぶん有名ですよね、あたしが知ってるくらいですから(歴史は赤点)。


 ただね、ずっと気になってた言葉でもあるんですよ。なので、気になったことはGPTさんに聞いてみるに限ります。


 へい!GPT。


『いつも気になっていた、「ブルータス、お前もか」、という歴史上の有名な言葉。

ですがこれ、裏切られて死ぬ間際の人が言ったとされる言葉ですよね? つまり、その言葉を聞いてた人が、敢えて世に喧伝しなければ残ってないと思うのですがw 

つまりこれ、殺したブルータス本人が「彼、そんなこと言ってましたよ」と言って伝わったという事でしょうか?』



ChatGPT:回答


 いい視点ですね! まさにその通りで、「死の間際に言った言葉」が後世に伝わるためには、誰かがそれを聞いて、覚えていて、記録して、広めたというプロセスが必要になります。特に、「ブルータス、お前もか(Et tu, Brute?)」のような劇的なセリフの場合、実際に言ったかどうかには疑問が残ることも多いです。


 では、実際に「ブルータス、お前もか」はどうやって伝わったのか?

 まず事実関係から。


🏛️ 歴史的事実としてのカエサル暗殺

 ユリウス・カエサルは紀元前44年、ローマ元老院で暗殺されました。暗殺にはブルートゥス(Brutus)を含む多くの元老院議員が関わっていました。


📜 では「Et tu, Brute?」の出典は?

 実はこのセリフ、歴史的な一次資料には


✅ 1. スエトニウス(『ローマ皇帝伝』より)

 スエトニウスによれば、カエサルがブルートゥスを見てギリシャ語で「カイ・スー・テクノン?(Καὶ σὺ, τέκνον;)」=「お前もか、子よ?」と言ったとされます。


 「τέκνον(テクノン)」は「子供、息子」の意味。


 これは、ブルートゥスがカエサルの庇護下で育った(または私生児説もある)という背景を示唆しています。


✅ 2. シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』

「Et tu, Brute?」という有名なラテン語のセリフは、実はシェイクスピアの創作です(1600年ごろ)。


"Et tu, Brute? Then fall, Caesar!"


これは文学的な演出で、歴史的事実というより劇的効果のために使われたものです。


🤔 じゃあ誰が「言った」と広めたの?

 おそらくブルートゥス本人ではありませんね(笑)。以下のような経路が考えられます。


 暗殺の現場にいた人が「カエサルは最後にこう言った」と回想や証言。

 それを後の歴史家(スエトニウスやプルタルコスなど)が書き残した。

 後世の作家(シェイクスピアなど)がそれを脚色して劇中のセリフにした。


✅ 結論

「ブルータス、お前もか」はシェイクスピアの創作。


実際にカエサルが死の間際に何を言ったかははっきりしない。


仮に何か言っていたとしても、それが伝わるには他者が記録して広めた必要がある。


つまり、ブルートゥス本人が「カエサル、こう言ってたよ」と言いふらしたとは考えにくい(笑)。


 歴史と文学の交差点にある有名なセリフって、たいていは「事実」よりも「物語」として広まることが多いですね。


 もし他にも気になる有名セリフがあれば、ぜひ聞いてください!



 なーんだ、シェイクスピアだったのか、納得。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る