第5話 商業

 冒険者ギルドでは、冒険者か商業者になることができるらしい。

 恩恵があるとはいえど、後者になろうと決心していた。

「どうしますか?」受付嬢に訊かれた。

 今後の選択がここで決まってしまう。

「商業者になろうと思います」

「では、これを書いてください」

 白紙の紙を渡された。

 その紙に記せる範囲は書いて渡した。



〔名前〕越田光比呂

〔職業〕教師

〔魔法〕神の恩恵



 紙を見た瞬間、受付嬢はイルさんにも見せた。

「承諾をした」


翌日、商業について教えてもらいに、冒険者ギルドを訪れると昨日とは違ってお客様がいなかった。そして、暗い。

「あのー」

「はい。どちらさま……はっ!?」

 私の顔を見た瞬間、驚いた表情を見せる。

「商業のことについて教えてほしいのですが」

「わかりました。ではとちらに」

 案内された先は、学習室と呼べるほどの広さだ。机が1つ、椅子が2脚しかない。

 資料どおりに説明をしてくれる受付嬢。


「わかりました。ありがとうございます」

「1つよろしいでしょうか?」

「ええ。構いません」

 返事をもらったので、今したいことを説明した。

「できないわけでは、ないのですが……」

 心配した表情とともに声を震えている。

「何かあるのですか?」

「……いや、なんでもないです。わかりました」

 ギルド長がその後、部屋に訪れた。

「話は聞いた。了承しよう」

「ありがとうございます」

 飛び跳ねる勢いで冒険者ギルドを出た。

 これで、教室が完成する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る