曖昧模糊

不確かで不鮮明

君は確かに存在するのに

とてもじゃないけど届かない人


そんなことは最初からわかっていたのに


僕たちの縁というものは切ろうと思えば

ハサミか何かで簡単に切ってしまえるようで

積み重ねた思い出は消えなくとも

君の面影は短期間に消えてしまうだろうし

それが酷く私の心を寂しくさせた


刹那的な恋でしかないのかと思えば

それはそれでまた切なかった


君はその時々で冷たかったり温かかったりした

その感情を感じる度に波打つ私の心


その動きに少しずつ疲れも出てきた頃

君はとても遠い場所へ行ってしまった

やっぱり届かなかったと

虚しさが残って

ほんのり涙が滲む


私らしくない恋心だったのだと言えば

その通りなのかもしれない

無くしてしまえる感情だったなら

こんなに苦しくはなかったのかな


それでも後悔だけはしていなくて

ほんの少しだけ残る温かさを

まだあと少しだけ手離したくないと思った


1人で抱えても構わないから

あと少しだけ君のこと考えてもいいかな


そんなことをまたぼんやりと思っている

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刺繍【詩】 ひかり @hiina-book

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