第34話 酒蔵と味噌蔵 その3

酒蔵を出ると次は味噌蔵へ。

味噌蔵は名前の通り、味噌を作っている所。

そして、酒蔵と同じ古い街並みにあり酒蔵からも近かった。


「味噌がたくさんあるよ」

「味噌蔵だからp味噌があるのは当たり前でしょ」

「そうだけど、味噌屋さんって来る事ないしね」

「そうね、お味噌屋さんに来るのはあたしも初めてだわ」

「わたしもだよ~」


味噌はスーパーで買うから、味噌蔵に来ること自体が初めてだけど温海も夕も初めだった。

温海の家はいい味噌を使ってそうだけど、多分定期宅配とかなんだろうなぁ。

夕の家はうちと同じみそ汁の味がしたから、多分同じ味噌を使っているはず。


味噌蔵の中は普通のお店になっており、味噌が売られているけど

スーパーで売っているようなパックもあるけど、味噌の量り売りもしていて

お店の人は畳の上で座りながら接客をしてて珍しいかも。


「量り売りも気になるけど、パックでいいかな」

「量り売りなら自分で量を選べるわよ」

「そうだけど……やっぱり、普段使っているパックでいいかな」


わたしは量り売りも気にはなかったけど、パックの方が持ち帰りも気にしなくてもよさそうだからパック売りにする。

そして、味噌も色が濃い味噌といつも使っているのと同じ味噌がある。


「色が濃い目の味噌といつも使っているのと同じ色の味噌があるんだ」

「味噌も材料で違うわよ」

「そうなんだ」

「濃い色は~豆味噌で~大豆のお味噌だよ~」

「へー、そうなんですね」

「この辺りの地方だと豆味噌も使うけど、白味噌と赤味噌を合わせた合わせみそのお味噌しるがおいしいよ~」

「そうなんですね。味を見たいけど……味噌汁の試飲ができるんだ」


店の中には味噌汁の試飲があるので飲んでみるけど、いつもの味噌と味が違う。

だし自体がおいしいけど、風味も何時もよりあるかな。

あと、色もちょっと濃い


「なんか、何時もと味噌汁の色が違うなぁ」

「これは合わせ味噌かな、赤味噌と白味噌を合わせたものだよ~」

「だから色が違うんですね。普段飲んでいる味噌汁よる風味があるけど、色の割に濃くはないですね」

「わたしの母方の出身地も合わせ味噌を使う地域だから、お味噌汁っていったらこれだよ~」

「そうなんですね」

「おばさんの所へ行くと~お味噌汁の色が違ったから~初めは驚いたよ~」

「赤味噌を使う地域じゃないと、知らないと驚くよね。わたしは逆に色が白いほうが驚いた~」


夕と空さんは味噌汁の色の違いを言うけど、子供の頃だと色が違うと驚くかな。

わたしの親戚は近くに住んでるから、味の濃さの違いはあるけどみそ汁の色は一緒だから面白いな。


「白味噌だけのもあるから飲んでみるかな」


今度は白味噌だけの味噌汁を飲むけど、これはいつも味噌汁。


「うん、飲みなれたって味って感じだけど、味噌自体が美味しいかも」

「そうね、味噌が違うのはわかるわ」

「なんていうか、味が濃いけどしょっぱい訳じゃないよね」

「そうね、あたしも同じだわ。赤味噌もいいけど、こっちの方が口にあってるよね」

「確かに、飲みなれてるって感じだよね」


温海もわたしも白味噌だけの味噌汁が口に合っているみたい。

なので、わたしは500グラムの白味噌を買う事にした。


「ここはお味噌だけでなく、お醤油もあるよ~」

「そうなんですか」

「うん、熟成したお醤油だから美味しいよ~」

「それじゃ、醬油も買おうかな」


わたしは醤油も買う事にしたけど、1年物と2年物があるけどこれも味見ができるので

する事にしたけど、醤油だけ舐めるって初め。

初めはしょっぱいと思ったけど、そうなく醤油だけでも十分おいしい。


「醤油だけだとしょっぱいって思ったけど、美味しいですね」

「本当に美味しい醤油は、醤油だけでもおいしいよ~」

「ですね。あと、2年物の方がまろやかですね」

「そうだね。1年物はお料理に、2年物はお刺身につけたり、ドレッシングやかたれにするのがいいかな~」

「なるほど、使い分けるんですね」

「2年物の方は味がまろやかだからね。でも、使い方は自由だよ~」

「なるほど」


わたしは悩むけど、200mlの小さいサイズもあるので両方買っていく事にしたけど

量を考えるとお値段もなかなかだけど、美味しいしお金は余ってるから気にせずに買い会計を済ませた。

そして、夕も温海も家へのお土産として味噌と醤油を買ったけど結構重い。


「結構重いね」

「全部で1㎏ぐらいあるから、重いわね」

「これぐらいなら大丈夫だけど、そろそろ車に戻りますか」

「そうだね。時間も時間だから、車に戻ろね~」

「もう夕方の時間になりますからね」


時間はもう16時30分になるから、車に戻る事にした。

ただ、その前に折角来たので古い町並みの最後まで見て写真も撮ったが

途中にあった牛肉のお寿司があり、おいしだったけど、行列が長くて

時間的な事も考えて諦めたけど次来たら食べたいな。


古い町並みからまた別の道を通り、車に戻ると空さんは


「名物のお漬物があるから、スーパーに寄っていくね~」


と言うけど、お土産屋さんにはなかったのかな?


「構いませんが、お土産屋さんにはなかったのですか?」

「あるけど、スーパーの方が安いし、地元向けなせいかなんか美味しいんだね~」

「そうなんですね」

「値段は安いけど、味は気のせいかもだけどね~ははは~」


空さんはそう言って笑うけど、車を出して駐車場代を払いスーパーに向かった。

スーパーで空さんが目的のお漬物を買い、わたしたちは飲み物やお菓子を買うと帰路についたけど

このまま真っすぐ帰るのでなく、途中にある温泉に寄っていくのだった。

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