詩「あなたはこの川をどう渡るのか。」
ふるなる
あなたはこの川をどう渡るのか。
あなたはこの川をどう渡りますか?
川の先へ行かなければ。
澄み切った川は無害
広く流れて底は深い
ロングのワンピースが濡れていく
嫌になるわ、足が感じるこの温さ
リバークロスオーバー
彼はボードで漕いでいく
彼女、悪友が媚びている
そんな金なんかないわ、あたし
そんな友愛、知らないわ、あたし
リバークロスオーバー
彼はクロールで泳いでいく
あたしはバタつき飛沫たてる
そんな方法知らないわ、あたし
教えて貰ったことなんてないわ、あたし
挙句の果てに邪魔扱い
迷惑かけてるなんて知らないわ
だから、模倣を邪魔しないで、泳がせて
悪者なんかじゃないはずなの
川の底は真っ暗闇なのだ。
泳ぎ切った者は勝者
沈み落ちゆくは敗者
負のループに巻き込まれていく
嫌になるわ、足のつかない悪夢の水彩
周りはつついて
あたしは落ちて
上の水面を見て
あたしが映って
醜態の様ねと
これは鬱って。
下の闇へと移ってって
見知らぬ空気に手を伸ばす
きっと誰かが握ってくれるはず
リバーシンキング
彼は裸になって浮かんでいく
あたしは服が邪魔をする
「そんな服脱げばいいじゃん?」
脱げないの。そう教わってきたから。
リバーシンキング
彼はあたしの手を掴んできた
彼はあたしを助けようとした
「俺がお前を助けてやるよ!」
そんな熱さは、火傷するわ、あたし
やり取りの果てに手を握る
迷惑かけてしまうかも知れないわ
だけど、もう、離さないから、恋に溺れさせて
悪物なんかになるかもしれないの
あたしは助けて欲しいとは一言も──
言ってないのよ。
「あたしと一緒になってね。」
彼の手を取って
深い深い底に引きづりこんだ。
あなたはこのあたしをどう思いますか?
詩「あなたはこの川をどう渡るのか。」 ふるなる @nal198
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